自分自身の中にある幸せを見つける。程よく自己中心的になっていいんです
あざとさや復讐心をどう表面に出そうか…
板垣李光人さんといえば、保健室登校の高校生(『ここは今から倫理です。』)、ジェンダーレス男子(『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』)、心を閉ざした失声症の厩務員(『風の向こうへ駆け抜けろ』)など、もろくて、心の奥に何かを抱えている役が印象に残ります。
そこに、2022年は「18歳年上の人妻と恋愛をする」漫画家アシスタントという、これまた何かありそうな役が加わります。それが、1月7日から始まるドラマ『シジュウカラ』(テレビ東京系)。短めの黒髪にイメージチェンジし、約1か月前から撮影はスタート。恋愛の駆け引きあり、ハニートラップあり、ドキっとさるセリフあり。こんな漫画家アシスタント・千秋を、板垣さんはどうとらえているのでしょう。
「さりげなさを装ったスキンシップ、人妻をものにしようとするあざとさ、そして過去への復讐心。今までの作品にはなかった、こうした感情を、どう演じてどう表に出すのか。実は僕自身がいちばん楽しみです。
漫画家であり、千秋にとって18歳年上の不倫相手である忍(山口紗弥加)は、たぶん多くの人が等身大で共感をもって見ることができる人物。家庭や人間関係にもリアリティがあって、説得力もあります。それだけに、心の奥深いところにある闇や、サスペンス的な要素が引き立つ。そんな作品です」
その舞台は、リアルでどこにもありそうな家庭。食事もお箸も自分で用意しない夫、あからさまな「おばさん」扱い、仕事で認められない焦り、さらには久々の「ときめき」で浮き足立つ心…。年齢とともにゆきづまりを感じる忍には、「あるある」「そうそう!」と共感したくなることばかり。
「日常の中でゆきづまりを感じたら、自分自身の中にある幸せを見つけること。それが不倫かどうかは別として、すごく大事なことだと思います。僕自身もそうですが、周りの人に迷惑をかけない程度に、程よく自己中心的になって、やりたいことはやる。僕なら、芝居をすることはもちろん、メイクやファッション、そして大好きなアーティストの動画を見たり。いつでも、誰にとっても、推し活は大事ですからね」
興味や関心、人との出会い、「ちょっとずつ」でも幅広く
「2歳くらいからモデルとして仕事を始めて、芝居もするようになって、ほかの仕事の選択肢は考えないまま、今までやってきました。そして、疲れたときにはたくさんの趣味で救われてきました。元をたどれば、僕のやりたいことをなんでもやらせてくれた母親のおかげだと思っています。
子育て世代の方に対して僕がアドバイスできるとしたら、音楽でもスポーツでも、もちろん勉強でも、子どもには広く経験させてあげてほしいということ。少しずつでもいいんです。試食のようにいろいろつまんでみれば、自分に合うか合わないか、やがてわかるようになると思います。人付き合いも同じで、いい大人ばかりじゃない、悪い人・合わないなと思う人とも接してみて、感じて、学ぶことはあると思います。僕でいえば、小さいころから仕事をしてきたことで、親や先生以外のいろんな大人に接する機会が同年代より多かった。それは、大きな財産になっています」
ラスト30秒のおまけQ&A
Q:純愛とは?
自分の汚い面や嫌いなところ、みにくいところも、お互いに見せ合うことができて、許容できること。…あ、まだそういうのは経験してないですけど。
Q:年上との恋愛、いくつまでOK?
う~ん、10歳上くらいまでは想像できます。(ドラマ『シジュウカラ』と同じ)18歳上は…、これから考えます(笑)。
*働く女性へのメッセージ、ドラマの見どころはOggi.jpでご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください!
撮影/望月みちか スタイリスト/稲垣友斗(TRON) ヘアー&メイク/KATO(TRON) 構成/南 ゆかり
ニット¥19,800、ストール¥31,900 (TOMORROWLAND <MACPHEE> ) 、その他スタイリスト私物
▲こちらは、忍と出会ってから5年後、28歳になった千秋。これまでの役とは異なる、大人っぽい板垣さんもお楽しみに!
ドラマ24 『シジュウカラ』テレビ東京系列
2022年1月7日スタート。毎週金曜深夜0時12分~
©「シジュウカラ」製作委員会
アシスタント歴20年を超えて夢を諦めた売れない漫画家・綿貫忍(39)は、たくさんの思いを東京に残し地元に戻って筆を置いた。だが皮肉にもその直後、昔描いた自作が電子書籍でバカ売れする。そして「これが最後」だと、再度本気で漫画と向き合うことに。そんな中出会ったアシスタントは、橘千秋(22)という美しい青年だった…。自分をひとりの女性として、何より漫画家として敬意をもって接してくれる千秋に、忘れていたときめきを感じ始める忍。ところが“不自然にも”、千秋も忍へ妙なアプローチをかけてくる。そしてそんな千秋と交流するうちに、忍の中に積み重なっていたある種の歪みが顕在化してくるのだった…。漫画家・綿貫忍役は山口紗弥加、橘千秋役が板垣李光人。
公式ホームページ:https://www.tv-tokyo.co.jp/shijukara/
公式Twitter:tx_shijukara
俳優
板垣李光人(いたがき・りひと)
2002年生まれ。大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK、15年)、『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日、18年)、『神酒クリニックで乾杯を』(BSテレ東、19年)出演。2020年『約束のネバーランド』(平川雄一朗監督)でメインキャストとなるノーマンを演じる。同年、1st写真集『Rihito 18』(SDP)を発表。『ここは今から倫理です。』、大河ドラマ『青天を衝け』(共にNHK、21年)出演。同年『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。』(日本テレビ・読売テレビ)でドラマ初主演。雑誌『CanCam』ではメイクの連載を担当。