ひとりの女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫る「女の時間割。」。“女・妻・母としての自分を自己分析してください”という連載恒例の質問に対する酒井さんの答えとは…?
酒井美紀さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜
俳優・43歳
株式会社不二家 社外取締役
国際協力NGO ワールド・ビジョン・ジャパン 親善大使
酒井美紀さん
仕事をしているときの私は『相当全力』
「仕事をしているときの私は相当全力でメンタルをトップギアに入れています。特に舞台のときは緊張感をもっていないと自分の芝居がだれてしまう気がするんですよね。本番の2、3分手前でギュッと集中して緊張感を高めて、ステージに上がるときには最高の状態になっているようにもっていきます。緊張感の中で演じる芝居はひとつひとつのセリフや動きにものすごく神経を研ぎすませられますし、舞台上の共演者の動きもよく見えるのです」
妻としての私は『かまえない素の自分』
「仕事で極限までベストを尽くそうとするぶん、夫の前ではかまえずに弱いところも出してしまおうと思っているところがありますね(笑)。お互い家の中で仕事の話はしないようにしているのですが、私が落ち込んでいると夫はたいてい“どうしたの?”と気にかけてくれるのです。おおらかで背中を押してくれるような人なので、無理に励ますでもなく、諭すのでもなく、私の心がちょっと前向きになるような言葉をかけてくれる。かまえずに素の自分を見せることができるのは、そんな夫のおかげなんだろうなと感謝しています」
母としての私は『なんでも話せる存在』でありたい
「息子にとって、できるだけ話しやすい相手でいられるようにと心がけています。たとえば彼の様子がいつもとは少しだけ違うとき。「ん?どうした?」と聞くと、涙をぽろぽろぽろっとこぼして、「学校でこんなことがあって…」と、お友達とケンカしたことを打ち明けてくれることがあったりします。同性である父親には言いづらいこともまだまだ私には言えるようなので、なんでも話せる存在であり続けたいなと願っています」(酒井さん)
働くママの中にある「3つの顔」をキャッチアップする『Web Domani』の連載「女の時間割」。この日お会いした瞬間から、現場をふんわりリラックスさせてくれる酒井さんの不思議な魅力に、しばしば惹き込まれた取材班。事務所の方含めて現場スタッフが全員女性だったためか、昼休憩は韓国のエンタメ事情やBTSの話題などで会話が弾み、酒井さんをとりまくプチ女子会的な空気にふっと心和まされました。独立後も素敵なチームを率いておられる酒井さん。これからの酒井さんが目指す、新たな試みにもご注目ください!
Profile
酒井美紀
さかい・みき/1978年、静岡県生まれ。演じることに憧れて1995年に17歳で女優デビュー。同年に映画『Love Letter』、『ひめゆりの塔』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。18歳でドラマ『白線流し』(フジテレビ系)シリーズにて主演。同年の映画『誘拐』で第21回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。25歳でアメリカ語学留学を経験。29歳のときに12年間アシスタントを務めた『世界ウルルン滞在記』(TBS系)を卒業し、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンの親善大使に就任する。30歳で大学院病院勤務の医師である夫と結婚。32歳で長男を出産。41歳で事務所を独立して湘南にオフィスを構える。同年、国際協力活動の知識を深めるために一念発起して、都内大学院の国際協力研究科へも進学。42歳で不二家のマスコットキャラクター・ペコちゃんの生誕70周年記念アンバサダーに就任し、翌年株式会社不二家 社外取締役に抜擢される。現在は俳優として幅広く活躍しながら、仕事と子育てと大学院の三刀流に邁進。山崎製パン「ダブルソフト」のCMキャラクターも継続中。
インスタグラム : @mikisakai.mua
写真・取材・文
谷畑まゆみ
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。2016年より「働くいい女」「女の時間割」連載担当に。Domaniオンラインサロンではこれまで「女の時間割」にからめた配信に4回登壇。2021年は共著の『わかる!伝える!視線の心理術』(造事務所編・メディアパル刊)が発売。Domaniの取材がご縁で編集・構成を担当した書籍『安田美沙子のRunから始まる笑顔な暮らし』(安田美沙子著・小学館刊)は1月13日に発売。