「端折る」の基礎知識を解説
「端折る」という言葉には読み方が3つありますが、そのうちの1つはビジネスシーンでも日常会話でも使われている、よく聞く言葉です。はじめに、この言葉の読み方や詳しい意味、由来、使い方・例文などについて、詳しくチェックしていきましょう。
「端折る」の読み方は3種類
「端折る」には以下の通り、3種類の読み方があります。
・はしょる
・はしおる
・つまおる
このうち、とくに多く使われているものは「はしょる」でしょう。「はしょる」と「はしおる」は同じ意味で、詳しくは次の項で解説します。「つまおる」は、「物のはしを折る」という意味です。
はしょるの意味は“ある部分を省くこと”
【端折る(はしょ・る)】
動ラ五(四)《「はしおる」の音変化》
1.着物の裾(すそ)を折り上げて帯に挟む。「裾を―・る」
2.ある部分を省いて短く縮める。省略する。「細部の説明を―・る」
(可能)はしょれる
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
とくに使われることが多い「はしょる」という読み方には、2通りの意味があります。1つ目が「着物の裾を折り上げて帯などに挟むこと」で、2つ目が「ある部分を省いて短くすること」という意味です。これらは「はしおる」という読み方でも変わりません。
実際に使う場合には、2つ目の意味で使われるケースが多いでしょう。ビジネスシーンでも使われている言葉ですが、少しくだけたニュアンスがある表現です。使用する場合は、チーム内のメンバーなどの親しい間柄の相手に対してがおすすめです。取引先など、かしこまった相手の前では「省略いたします」などと言い換えましょう。
端折るの語源・由来
端折るは「端」と「折る」の2つの言葉からできています。はしょるという読み方は、はしおるの読みが音変化したものだといわれています。もともとは辞書の1つ目の意味でもある、着物の裾を折って着丈を短くすることを「裾を端折る」と表現していた言葉でしたが、現在では主に「短く省く」という意味で使われるようになりました。
端折るの使い方・例文
端折るの使い方を例文をチェックしながら確認しましょう。
例文
・購入したスカートの丈が思ったより長く、端折って履いている。
・話を端折りすぎていて、なにを伝えたいのかよくわからなくなってしまった。
・申し訳ありませんが時間がないため、一部端折って説明します。
・この部分についての説明は端折ります。
端折るを丁寧に言える類語や意味の違い
先述のとおり、端折るという表現は少しくだけたようなニュアンスがある言葉です。くだけたようなイメージにならず、丁寧に言いたい場合に使える類語の例は以下の2つがあります。
・省略する
・割愛する
このほかにも、「かいつまむ」や「飛ばす」、「カットする」なども端折るの言い換えに使える表現です。ただし、言い換えが可能な言葉であっても意味がまったく同じわけではないため、細かなニュアンスの違いを理解して使う必要があります。
類語の意味と端折るとの違いなどについて、詳しくチェックしていきましょう。
省略する(しょうりゃくする)
「省略する」とは、「省く」と「略す」の2つが合わさってできた言葉です。なにかを簡単にしようとして一部分を取り除くことという意味で使われていて、省いた部分が不要なものだった場合に使用されるケースが多いといわれます。
省略するという言葉を使った例文は以下のとおりです。
例文
・以前案内のあった内容は省略してご説明いたします。
・重要じゃない部分は省略して伝えてください。