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2022.05.15

【宝塚歌劇団OGリレー連載/沙月愛奈さんvol.1】彩凪 翔さんからのペアダンスつながりバトン!

元雪組男役スター・彩凪 翔さんからご紹介いただいたのは、実力派娘役として長く雪組を支えてきた沙月愛奈さん。昨年宝塚歌劇団を退団し、徐々に活躍の場を広げつつあるところ。今回は博品館劇場で撮影できる貴重な機会をいただき、取材を行いました。

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ダンスを武器に、退団後も“表現すること”を続けていきたい

キレがあって、リズミカルで、しなやか。宝塚歌劇を初めて観る人でもその素晴らしさに目が奪われるほど魅力的な踊りで、舞台の完成度をグンと高めてくれていた沙月愛奈(さつき・あいな)さん。2021年11月に宝塚歌劇団を退団してからは、自分のペースで次のステップに進んでいます。前回登場してくれた彩凪 翔(あやなぎ・しょう)さんとは3期違いの元雪組の仲間。彩凪さんいわく、「私が下級生の頃からよくペアを組ませていただきました。退団後は、ダンスの道をますます極めていらっしゃいます」。そんな沙月さんにさっそくお話をうかがいました。

ご紹介いただきました彩凪 翔さんとのエピソードを教えてください。

沙月さん(以下敬称略):彼女が雪組に配属されて初めての作品(『堕天使の涙』)でお互いにダンサーの役の場面に入り、彼女の初めてのリフトの相手が私です(笑)。今思えば簡単なリフトだと思うのですが、翔ちゃんは初めてだから苦労していたなというのが最初の記憶です。

その翔ちゃんが学年が上がって経験を積み、何度もペアを組んだ中で、「おっ」と思ったのが『La Esmeralda』の3組のデュエットダンスの場面の時。それ以来、常に安心感や信頼感をもって踊らせてもらいました。『NOW! ZOOM ME!!』の時なんて、いつもとは違う目線のやりとりや耳元での囁きに、「翔ちゃん、こんなことするのね!」ととても楽しかった。「翔ちゃんと組むと誰もが好きになっちゃう」というのは私の名言なんですよ(笑)。相手をときめかせるのが上手なんです。

相手役さんをときめかせ、客席をときめかせていたんですね。

沙月:そうなんですよ。翔ちゃんと組むとファンの方が喜んでくださって私に直接お手紙をくださったり、翔ちゃんにもそのようなお手紙が届いていたそうです。ファンの方にもっと楽しんでいただけるように、お互いあえて色っぽくしたりもしました。

ちょうど東京宝塚劇場で雪組『夢介千両みやげ/Sensational!』が公演中ですね。宝塚大劇場公演をご覧になったそうですが、改めて感想を聞かせてください。

沙月:雪組の日本物のお芝居、安心して観られました。観劇する時にどうしても仕事目線で観てしまうんです。「衣装の帯揚げや裾よけをもうちょっとこうしたらいいのに」など気になってしまうこともあるのですが、雪組だと安定していて。日本物の渋いお芝居が得意な男役さんもたくさんいますし、娘役のお化粧もキレイで「そうそう、これこれ!」とうれしい気持ちで観ていました。

現役中は特に娘役の下級生に、鬘のことや飾りのつけ方、スカートさばきなど「もっとこうした方がいいよ」というのを口うるさく伝え、組のダンスをまとめてきました。今回のショーを観て、そういうことが行き届いていることに感動しました。あとを継いでくれる後輩がいることがとても頼もしかったです。

(タカラヅカを)卒業して初めて観る大劇場公演は、劇団を去った寂しさで泣くことが多いと聞きますし、実際そのようなOGさんもいらしたので私も覚悟をしていたのですが、寂しさよりもうれしさのほうが大きかったです。ずっと手を胸の前で合わせ、拝むようなポーズで観ていました(笑)。「あの下級生はどうしているかな」と舞台の隅々まで気になって、周りのお客さまがみんな前を向いているのに私ひとりだけ横を向いていたりとか。それに気づいてくれた下級生もいて、「すごくうれしそうに観てくださっていました」と楽屋で話題にもなったそうです。

これから観劇される人もいると思うので、沙月さん的見どころを教えてください。

沙月:特にショーが素晴らしかったです。幻想的なオーロラの場面のダンスが素敵だったので、出たいなぁと思いました。衣装や髪飾りもとてもキレイで。プロローグから華やかで、幕開きからワクワクしっぱなしでした。

現役生として残っている89期は凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんおひとりになりましたが、次は雪組の別箱公演『心中・恋の大和路』に出られますね。

沙月:凪七とは、音楽学校時代の苦労を共にした仲です。劇団に入ってからは組が分かれてしまい接点がありませんでしたが、(雪組大劇場公演の)『壬生義士伝』で共演が叶いました。今度の公演も日本物で、私は彼女のストレートな日本物を観たことがないのでどう演じるのが楽しみです。出演が発表されてすぐ、「次、雪組に出るんだって? いいなー!」と連絡を入れました。もちろん、観劇する予定を立てています(笑)。

沙月さんのインスタライブで時間切れになりうかがえなかった、芸名の由来について教えてください。

沙月:赤ちゃんの名前をつける事典を買ってずっと見ていた中で、「さつき」がいいなぁと思いました。「月」を使いたかったんですよね。「さ」を「沙」にするか「紗」にするかで迷ったのですが、芸事には水がいいと聞き「沙」に。「沙月」がシンプルなので、名前はちょっと女性らしくかわいい「愛奈」にしました。家族には相談しつつ最終的には自分で決めて、劇団に提出した第一希望が通りました。

今後、どんなことをやっていきたいですか?

沙月:表現することが好きなのでいちばんは踊りを続けていきたいと思っていますが、それだけでなく様々な表現方法、例えば舞台のほかに映像やラジオもやってみたいです。あとは、後進の指導などもしていけたらいいなと考えています。

私自身、ダンスも最初からできたわけではなく苦労したんです。今でも苦手なことはたくさんありますが、それを研究や計算でカバーしながら恥ずかしくないようにみなさまにお見せできるようにしています。そのせいか、ダンスの要点が視覚的にすぐわかるので、不得意な子に「ここがこうなっているから、素敵に見えないんだよ」とか「ここをこうしたらできるようになるよ」と教えることが得意なんだと思います。でもやっぱり、自分の体が限界を迎えるまで現役でいたいという気持ちが強いですね。

もうすぐ幕が開く『SAMBA NIGHT 2022』はダンスづくしでしょうか?

沙月:1幕はストーリー仕立てのダンスで、私は宝石の役です。それをめぐって青チームと赤チームが対立するというお話。2幕はショーのようにいろいろなダンスが入ってきます。ほとんどのキャストが男性なので、今までとはまったく違う環境。その中で自分がどこまでできるかということと、この出会いで新しい引き出しが増えるというワクワク感があり、とっても楽しみです。

タカラヅカOGで1期下(90期)の宇月 颯(うづき・はやて)さんも出演されますね。

沙月:わからないことは彼女に聞いて、いろいろ教えてもらっていました。タカラヅカスカイステージ(宝塚歌劇のCSチャンネル)で『ダンサーハント』という番組があり、「現役生徒で気になるダンサーは?」という質問に私は「宇月 颯さん」と答えているんですよ。(宇月さんが所属していた)月組を観に行った時、男役ダンサーとしてもいちダンサーとしても気になる存在でした。そんな彼女と共演できることが、とても待ち遠しいです。

雪組のダンサーとして名を馳せた沙月さん。その場を魅了するダンスに心が躍ったものです。「ダンスを見ただけで、改善点がすぐにわかる」ということにも驚きましたが、沙月さんはその改善点を即座に修正できる実力があったからこそ、圧倒的なダンスにつながったのでしょう。観察して理解して実現する。見事なサイクルの賜物があの素晴らしいダンスにつながるのだと思うと、その奥深さに感動を覚えます。

次回は、タカラヅカ退団後の生活についてうかがいます。お楽しみに!

撮影/名和真紀子 構成・文/淡路裕子

『SAMBA NIGHT 2022』

宝石のように煌めく満天の星と様々な思惑を仮面で隠し、欲望が交差する街、リオデジャネイロ。今宵も、無数の仮面が行き交い、街に消えてゆく。歓喜、規律、絆、嘲笑、悲嘆、孤独…今は何の仮面か…。宝石に導かれた人々が描く未来へ導くのは、天使か悪魔か、そして、それを見据える神は、敵か味方か…。カーニバルの花火を合図に、今、始まる争奪戦。宝石が微笑むのは、赤の一団か、青の一団か、それとも…。

初演2009年、再演2011年…足かけ10年の時を経て、スタイリッシュなナイスガイたちが、三度“運命”の宝石を追い求めます。が、彼らの前にクールで妖しいガイ(?)が率いる一団が立ち塞がり、この世ならぬ存在も入り乱れて…果たして、宝石を手にするのは? このShow 1だけでも、贅沢なステージ。さらに、パッショネイトなShow 2が続きます。今宵はカーニバル最終日。皆が己をさらけ出し、またそのエネルギーを浴び、熱気が最高潮に達する。サンバ、ラテン、タンゴ、jazz、クラブビート、バレエ…多種多様な音楽に身を任せ、すべてを忘れ、歌い踊れ、共にカーニバルの世界へ!

中塚皓平・咲山類が中心となってDIAMOND☆DOGSが創り上げていくダンス・ダンス・ダンス、&ソング・ショー。ゲストには、宝塚において屈指のダンサーと謳われた宇月颯、退団したばかりの沙月愛奈、そして、D☆Dのステージにはお馴染みの、米原幸佑、木戸邑弥、小寺利光、常川藍里、穴沢裕介を迎え、多彩な音楽、リズムにのせて、万華鏡のようなシーンが次々と紡がれていきます。時に妖しく、時に激しく、パッション溢れるステージをどうぞお楽しみください!!

【Staff&Cast】
構成・演出・振付:D☆D
音楽:TAKA
出演:宇月 颯 沙月愛奈 米原幸佑 木戸邑弥 小寺利光 常川藍里 穴沢裕介 DIAMOND☆DOGS[中塚皓平 和田泰右 咲山類 廣瀬真平 新開理雄 Homer]
【公演日程】
2022年5月24日(火)~29日(日)
【お問い合わせ】
博品館劇場 03-3571-1003
▶︎公式サイト

アーティスト

沙月愛奈

さつき・あいな/9月28日生まれ、神奈川県出身。2003年、89期生として宝塚歌劇団に入団。月組大劇場公演『花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン』で初舞台を踏み、雪組に配属。ダンスの上手な娘役として名を馳せ、『ファントム』の従者などダンスで魅せる役も担う。2021年11月『CITY HUNTER/Fire Fiver!』にて19年在籍した宝塚歌劇団を退団。5月24日からの舞台『SAMBA NIGHT 2022』に出演。
▶︎Instagram

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