ニュアンス巻きで作る“ゆる見せ”が今やヘアスタイルでも常識に!
今、「巻き髪」というとしっかり巻いてカールが際立つスタイルでなく、無造作な曲線がところどころにあるクセ毛のようなニュアンスカールスタイルが主流。ファッションやビューティのテイストがコンサバからカジュアルにシフトし、それが定番化した流れです。
がっつり巻いて“スタイリングを頑張りました”という感じだと、気合いが入りすぎてちょっと浮いてしまうことがあります。とは言え、大人のきちんと感や美しさなどで“手を入れている感じ”は出したいもの。年を重ねると髪の健やかさも失われるため、あまりにもラフすぎるとだらしない印象になってしまうことも…!
理想は、さりげないカール&ウェーブ。パッと見るとナチュラルで気軽な雰囲気ですが、実はそれは計算し尽くされたことによる抜け感。大人のゆとりを醸し出す、こなれたニュアンス巻きのおすすめはこちらです。
【フェミニンな甘さが垣間見える愛されニュアンスのセミロング】
ポイントは、やりすぎていないかわいらしさ。カジュアルだけどほんのり甘さのある着こなしを組み合わせ、大人の愛されムードを演出。明るすぎないカラーセレクトや、こなれ感が出せるシースルーバングなど、細かな要素にもこだわりあり。顔周りにレイヤーが入っているため、巻くとふわっとエアリーな質感になり、柔らかな雰囲気を楽しめます。
カット
ベースはバスト上のセミロング。前髪は眉下で薄めに作り、シースルーバングに。顔周りにレイヤーを入れサイドに自然につなげると、巻いてもかわいく、結んだ時にも後れ毛として下ろせていい感じに。
カラー
暗めのシフォンブラウンのワンカラー。アッシュが混ざった色なので、退色してもオレンジになりにくい。透明感が出るのも特徴。
パーマ
基本的にはノンパーマですが、アイロン使いが苦手な人や朝の時短を狙う人はパーマをかけておくといい。アイロンで巻いたような感じが再現しやすいのは、デジタルパーマ。口元より下の部分にゆるくカールをつけ、前髪も軽く内巻きにしたパーマを。
スタイリング
パーマヘアの場合は、ざっくりと乾かしてからバームをなじませるだけでOK。スタイリングする場合は、38mmの太いへアイロンを使って全体の毛先を外ハネに。顔周りはリバース(後ろ方向への巻き方)にしてから、手ぐしを通して巻きをほぐし、毛先にまとまりを与えてくれるバームをなじませる。
このモデルの顔型や髪質
※面長の人は、サイドの後れ毛の位置を高めにして横のラインを強調させる。丸顔の場合は、前髪を左右どちらかに流すとバランスよく仕上がる。
◆このスタイルを担当したのは
MINX 銀座店
デザイナー 川上春香さん
【まさにクセ毛風! ナチュラルニュートラルなこなれロング】
しっかりカールだとキマりすぎてちょっと近寄り難い印象になることもありますが、ゆる巻きだと隙があってこなれ感が生まれます。クセ毛程度の動きがあるからロングでも重すぎず、適度な抜け感も。甘すぎず、かといってクールすぎることもないため、合わせる服のテイストを選ばないのもうれしいところ。
カット
バストラインの前上がりロングをベースに、顔周りを中心にレイヤーを入れる。全体には低めのレイヤーを入れ、軽やかに見せつつ巻いた時に動きが出やすいようなサポートを。前髪は薄めに下ろしてシースルーにし、目の上ギリギリでカット。
カラー
明るすぎないトーンのナチュラルベージュに。柔らかさときちんと感を兼ね備えたカラー。
スタイリング
38mmの太めのカールアイロンで、毛先をすべて内巻きに。強く巻きすぎず、ワンカールにして時間をおかずにスルーさせるようにすると程よい曲線に。顔周りはバランスを見ながら、中間部分はうちに入れつつ毛先は外ハネ風に。ここも「巻く」と意識せず「曲線をつける」程度のニュアンスに。スプレーワックスを吹き付けながら手ぐしでなじませ、軽やかに仕上げる。
このモデルの顔型や髪質
※前髪のクセがある場合は、前髪だけの部分ストレートをかけると扱いやすく、印象も変わります。
◆このスタイルを担当したのは
MINX 青山店
ディレクター 大山幸也さん
【くびれ+カールのミディボブは絶妙な甘辛バランス】
巻きすぎたりスタイリングを頑張りすぎたりすると、コンサバすぎて少し野暮ったく見えてしまうことが。スタイリングはするけれど、ナチュラルさを重視した「ゆるさ」を心がけると、断然今っぽいムードのおしゃれ感やこなれ感を演出できます。ゆる巻きのベースとなるのはレイヤーカットですが、巻かないとまとまりが悪く見えてしまうこともあるスタイル。簡単でいいので、巻くスタイリングをぜひ取り入れて。
カット
全体は鎖骨下で重さを残してカットし、トップと顔周りにレイヤーを入れる。前髪は眉のギリギリ上あたりに設定し、かわいらしい印象の短めバングに。
カラー
明るめのチャコールグレーをセレクト。適度にくすんでいるため巻いた時に透け感が出やすく、柔らかな表情に。
パーマ
細毛や軟毛、直毛の場合はワンカールのパーマをかけておくと、ゆるく巻いたような動きができる。
スタイリング
ノンパーマの場合は、32mmのヘアアイロンでゆるく巻く。ベースはワンカールの外巻きにし、トップの毛束のみ持ち上げて内巻きのワンカールに。少量のオイルを手のひらになじませ、髪の内側から手ぐしを入れながら毛流れを整える。最後に、前髪の毛先を指先でつまみながら質感をプラスして。
このモデルの顔型や髪質
※顔型によって長さを変えるのがおすすめ。丸顔の場合は鎖骨より下の長めに、面長の場合は鎖骨ラインか鎖骨より少し上の短めに。
◆このスタイルを担当したのは
MINX 銀座店
ディレクター 根岸啓太さん
構成/斉藤裕子