こんにちは、editor_kaoです。
個人的な話ですが、今、新しい黒ジャケットが欲しいなと思っていて。というのは、以前あるブランドで、黒いオーバーサイズのテーラードジャケットを購入したものの、数年経ったところで「あまり着ないな……」と、昨年、妹に譲ってしまったんです。ちょうど、ワードローブを整理したかった時期とも重なったこともあり。でもすぐに、やっぱり着たいかなーと、思い直し、恐る恐る妹に「もし着てなかったら返してー」とたずねたところ、オンスタイルに大活躍中とのこと。姉としては、諦めるしかなかったわけです(自業自得)。
この秋はジャケット当たり年。期待は高まるものの……
それで、再び素敵な黒ジャケットを探す旅に出ているのですが、今季はジャケットの当たり年。各ショップに、数種類のジャケットが販売されています。私が狙っているのは、ちょっとメンズライクで、ジャケットだけどカジュアルにも着られるような、リラクシーな気分も備わっているもの。ウインドーに飾られているジャケットを見ると、なんだかそれっぽい感じのデザインも、いくつか目に入ってきます。
で、すでにいくつか試着してみているのですが、まー、なかなか決めがたく。ハンガーにかかっていると、さほど違いはないように見えても、実際に着ると、意外と真面目な印象に映るなとか、モード感が強くてイキって見える? とか、いろいろと思うところがあるわけです。そもそもジャケットって、ほかのアイテムに比べて、体に合うものを見つけるのが難しいですし。
しかしそんな中でも、「これはいいかも」と思う一着に出合いました。黒のテーラードで、ダブル仕様、ボタンもアンティーク加工が施された、きちんと感と今っぽさがバランスよくミックスされています。ジャケットにありがちな、頑張りすぎている感じもなく、ワードローブにあったら、週に何度も着ちゃいそう。心配だった価格も予想を下回り、あら、これなのかしら?と、感じました。
ジャケットは、ワードローブの中でも特別な存在
ただ……、なんでしょう、どうにも決め手に欠けるといいますか。決して悪くはない、でも飛び抜けていいわけでもない。あったら便利だけど、そんな気持ちでジャケットを着るのって、どうなのかしら? って。たとえば私が、ジャケット着用がマストの仕事をしていたら、ユニフォーム感覚で購入していたかもしれません。もしくはこれがカットソーだったら、絶対選んでいたと思います。何よりカットソーは汎用性が大事。「もっていたら便利!」は、十分買う決め手になりますから。
でもジャケットって、コーディネートの主役ですし、毎日の服装が自由な身としては、ちょっと特別な存在でいてほしいもの。きれいなジャケットにそでを通すことで、背筋が伸びるのって、とても気持ちがいいから、そこを大事にしたいと思ったんです。
「あったら便利」という言葉は要注意!
そんな理想の黒ジャケットに、今後出合えるかどうかはわかりません。ひょっとしたら私が思い込んでいるだけで、本当に必要なのは黒ではなくネイビーかもしれない、もしくはテーラードじゃなくてノーカラーかも?そう頭の中でぐるぐると考えていると、いつの間にか季節は過ぎて……ということもよくあるけれど、ジャケットに関しては、不本意な気持ちでお買い物したくないなと思った出来事でした。「あったら便利」って、実はいちばん気をつけなくてはならない、悪魔のささやきかも。
もし私が、この先素敵なジャケットに出合ったら、またご報告しますのでお楽しみに。もし登場しなかったら、縁がなかったと思ってください。ではではー!
【今日のひと手間】
夏に活躍させたコットンのワンピース、衣替えだからとしまってはいませんか? 私は秋以降も活躍させています。コットンのプレーンな素材感って、温かみのあるツイードやモヘアなどと相性がいいので、レイヤードに重宝するんです。ざっくりした編み地のカーディガンと合わせるだけでもかわいいので、もっていたらぜひお試しを!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ