こんにちは、editor_kaoです。
先週まで、雑誌の企画でうつわのギャラリーを取材していました。東京だけでなく、横浜、京都など、さまざまな土地を訪れながら、計6軒。私、うつわは見ると欲しくなってしまうので、これ以上増やしたくないと、しばらくギャラリーやショップを訪れるのを、あえて避けていたのですが、今回久しぶりにきちんと向き合ってみて、いやー、自分の生活を丸ごと反省しました。もうそれは、いろんな面で!
手持ちのうつわ、ちゃんと大事に使ってる?
素敵なうつわを見ていると、どんな料理が合うかしら? と、自然と妄想が広がります。でも店主の方に「果物を切って盛るだけでも素敵よ」「アイスクリームを食べるときに使っても」などとアドバイスをいただいて、ハッとしました。別にきちんと料理をしなくても、好きなうつわを使うことで、食卓が楽しくなるんだなと。大好きなシャインマスカットを、コンテナから直接食べていた、少し前の記憶が思い返されます。大人なので、ある程度こだわったうつわは、すでにもっている。でも近ごろはそれをちゃんと活用してなくて、棚の扉を開け、何はともあれいちばん手前の皿を出す……みたいなことになっていました。ひとり暮らしを始めたころ、あらゆるライフスタイル本を熟読して、いろいろ買いそろえた自分を思い出せ! とばかりに、当時のバイブルを、本棚からまた取り出しています。
自分の仕事と暮らし両方に、筋は通ってる?
反省点はそれだけでなく。取材なので、おすすめの作家について、お話をたくさん聞いたのですが、彼もしくは彼女たちの作品にかける情熱はもちろん、作品が、その人の生活や考え方と直結しているところに、いたく感動しました。「うつわを制作する自分の熱量で、手に取る人を元気にしたい」人、「うつわの材料となる土から、自分で掘り出している」人など、話を聞いていると、作家のしたいことに納得もできるし、一貫している。それって、仕事をする上で、理想的だけど、ものすごく難しいこと。エディターという職業は、ものづくりとは少し離れているけれど、自分の書くもののどこかに、主張や意志が反映できたらいいなと、改めて感じました(この連載は特に!)。
清潔感と品のあるおしゃれを目指したい!
そして最後に。店主の方々、みなさんとてもおしゃれだったのですが、流行最先端のアイテムを着ているというわけではなくて。不思議とファッションテイストに傾向があって、男性ならハイゲージのクルーネックニット(ときどき丸眼鏡)、女性ならナチュラル素材のワンピース(に、ストールかブローチ)。シンプルだけど洗練されており、何より、圧倒的に清潔感と品があるんです! 全体的に「こざっぱりしてる」といいますか。でもこれ、洋服だけが理由ではないと思うんです。うつわという、人の手から生まれたものを、日々扱われているところが大きいかなと(勝手な推測です)。食と深い関係にあることや、信念をもった作家とやり取りをすることで、自分自身の生活の基盤もしっかりしてくるのでしょうか。そしてそれが、清潔感と品のある着こなしにつながるのでしょうか……。
あーあ、毎日の雑務にとらわれて、いろんなことをおろそかにしてるなぁ……と、個人的に、ものすごく気づきの多かった取材でした。まずは、使ったうつわをシンクに置きっぱなしにしないところから始めようかと(超絶低レベル)、京都で買った、スモーキーな煎り番茶を飲みながら、思ったりしています。
【今日のひと手間】
地方取材の、もうひとつのお楽しみ。近所にないがゆえに、普段あまり行かないショップをリサーチしてるのですが、今回は京都駅近くにあるプチプラブランド「アベイル」に寄ってみました。若い女性向けの印象が強かったけれど、セール品で堀り出し物が! このウッド製のピアス、なんと¥200ちょっとだったんですー。パッと見、セレクトショップにあるようなデザインで大人っぽいですし、周りからの評判も上々。軽いつけ心地で気に入ってます!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ