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FASHION おしゃれプロ

2022.11.26

vol.33:ピンチをチャンスに変えてみたら、意外といいことがたくさんあった話

 

コートをお直しに出したときに起こった「まさか」な出来事について書きました。結果、ラッキーも重なって一件落着しましたが、こんなことってあるんですねぇ……。

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editor_kao
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こんにちは、editor_kaoです。

今回は、近年まれに見るファッション事件(大げさ)について、お話しさせてください!

数年前に買ったコートをお直ししたら

秋もぐっと深まり、いよいよアウターの季節到来と、数年前に購入したチェックのステンカラーコートを、お直しに出しました。「数年前」というところに、私のずぼらが出ちゃってるのですが、これはそもそも、オーバーシルエットで着ようと購入したメンズ商品だったんです。身幅はいいバランスだったものの、どうしてもそで丈だけが長くて(メンズあるある)。でもお直しに出すのが面倒で、昨年まではそでをまくって着ていました。

だけど、やっぱりだらしない印象で。自然と手に取る回数も減ってしまうし、気に入っているアウターなのに、これではもったいないと、先日、駅前のお直しショップへ。カットしてほしいそでの長さを伝えて、1週間後に取りに行くことになったんです。

そして数日後。そろそろピックアップしなくてはと思っていたところ、ショップから電話が。なんだかイヤな予感……。

「お客さま、大変申し訳ございません。実は、お直しする予定だったコートのそでですが、こちらのミスで、同じ方を2回直してしまいまして……」

 

…………。

えーーーーーーーーーーーー!

 

電話口で、思わず大きな声が出てしまいましたよ!

「え、つまり同じそでを2回カットしちゃったってことですか!?」
「はい、そうなんです。お客さまの大切なアウターにもかかわらず、本当に申し訳ございません」

がーん。そんなミス、どうしたら起こるのでしょう? とは思ったのですが、カットされてしまったものは、もう元には戻りません。ここで怒っても仕方ない。改めてショップで、どう対処するか相談しましょうということになりました。

先方はもちろん知りませんが、私だって洋服についての知識は、それなりにあります。カットしてしまったそでを、もう一度縫い合わせれば、あたかもそで口に切り替えがあるデザインのように見せられるのでは、とか。気に入ってはいたけど、特別な思い入れのあるコートではなかったので、時間が経つにつれ、冷静に考えることもできました。

起きてしまったことは仕方ない。大事なのは、どう切り替えるか

そして数日後。店頭でまずは丁重に謝っていただいたのちに、実際にアウターを着て、どうするかを相談しました。あー、やっぱり中途半端にそでが短い……。このままでは、さすがに着られません。ショップからの提案は、やはりそでを縫い合わせて切り替えデザインに見せる方法、もしくはまったく別の生地を付け加えて、異素材コンビのデザインにするなど。なるほど、そういうテクニックもあるんですね。

で、最終的に私が選んだ方法ですが、「思いきってそでをさらにカットしてしまい、七分丈にする」というお直しでした。勝負に出ましたよ!

ショップの方も少し驚かれていたのですが、なぜこの方法を選んだのか、自分なりにきちんと理由がありまして。メンズのコートなので、当然そでも太くつくられており、ショップで改めて着てみたところ、これはいっそ、短くしてしまった方がすっきり見えるのでは、と感じたんです。コートを購入した数年前は、全体的にたっぷりしたシルエットがいいと思ったけれど、年月が過ぎ、今の私が着るにはだらしなすぎる。でもそでが七分になったら、クラシカルな雰囲気が出て、これまで以上に活躍させられるかもしれない、と。どうせ元には戻らないんだから、えーい、ここは賭けに出てしまえ! ただしこれは、今回のことがなかったら気がつかなかったと思います。ファッションを勉強していてよかった~。

予想以上にかわいくなって、うれしい、うれしい

それで、先日改めてコートを取りに行ったのですが(余談ですが、そのときも丁寧なお詫びの品とお手紙をいただきました)、結果、勝負に勝ちました! 思った以上にかわいくなっているではありませんか! 最終的に、トータル20㎝くらいそでをカットしたので、それなりに勇気はいりましたが、ちょっと気になっていたダボッと感がなくなり、今の自分にすんなりなじむコートに変身。いいじゃん、いいじゃん。

そんなわけで、今は毎日このコートを着て、コーディネートをあれこれ楽しんでいます。デザインが変わったことで、新鮮味もアップ。

なんだか脳天気な話ですが、ネガティブな出来事(それも取り戻せない)を引きずっていてもいいことはないですし、切り替えて新しい対処法を考えた方が、精神的もヘルシーでいられることを実感しました。あとショップの方が、ごまかさず、真摯に謝ってくださったことも、気持ちが沈まなかった理由だと思います。だれでもミスはするけれど、そうなったときの向き合い方で、そのあとの流れって変わると思うんです。もし私がミスした側になってしまったら、どうしただろう……?

いろいろありましたが、結果的には悪いことばかりでなく。大きな学びとしては「年齢によって似合うコートのシルエットは変わる」「ミスをしたら丁寧に向き合う」のふたつでしょうか。なんてね!

【今日のひと手間】

お直しで思い出すのが、愛用している、この蕎麦ちょこです。うっかり落としてヒビを入れてしまったのですが、友人が金継ぎしてくれて、より愛情が深まりました。そしてこの友人というのが、連載のイラストを担当してくれている、柿崎こうこさんなんです。もうダメと思ったものも、いろいろ工夫して使い続けるのは、日本古来の伝統文化なんですねー。

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エディター

editor_kao

大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。

イラスト/柿崎こうこ

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