ゴールデンウィークはいつからいつまで?
大型連休である「ゴールデンウィーク」は、具体的にいつからいつまでを指すのでしょうか?期間やその年により日数が変わる理由を見ていきましょう。
4月下旬から5月初旬にスタート
一般的にゴールデンウィークは、4月下旬から5月初旬に始まります。飛び石連休の場合は本来ゴールデンウィークとは呼びませんが、有給休暇などを利用すれば土日を含めて大型連休にすることができます。ゴールデンウィークの時期に定められている祝日は、以下の4日です。
・4月29日「昭和の日」
・5月3日「憲法記念日」
・5月4日「みどりの日」
・5月5日「こどもの日」
2024年のゴールデンウィークは、カレンダー通りでみれば前半が土曜も含め4月27日(土)〜29日(月)の3日間、後半が5月3日(金)〜6日(月)の4日間です。どれだけ休みを取れるかはそれぞれの職場の環境によりますが、5月1日・2日に休暇を取れば10連休も可能になります。
休日数は年によって変わる
休日数は年により異なり、「今年のゴールデンウィークは○連休だから…」といった会話を耳にすることも少なくありません。実際に2024年は前半は3連休、後半は4連休ですが、2019年は天皇即位の日があったことなどから10連休でした。
年によって休日数が変わる理由には、「国民の祝日に関する法律」が関係しています。祝日が日曜日に重なる場合は翌平日を振替休日とし、祝日に挟まれた平日は「国民の休日」とすることが定められているからです。
日付と曜日の関係は毎年変わるため、祝日・振替休日・国民の休日の合計日数も年によって違ってきます。
そもそもゴールデンウィークって?
ゴールデンウィークは、どのような経緯で始まったのでしょうか?名前の由来についても解説します。
大型連休は昭和23年に始まった
国民の祝日は、よりよい社会や豊かな生活を育むために国民みなが祝い感謝する日です。昭和23年に施行された「国民の祝日に関する法律」で「天皇誕生」「憲法記念日」「こどもの日」を含む9日の祝日が定められ、4月29日から5月5日までの期間に休日・祝日が集中したことで、大型連休がスタートしました。当時4月29日だった天皇誕生日は「みどりの日」になり、その後「昭和の日」へと呼び名が変更されています。
同法では、この他の「元日」「成人の日」「春分の日」「秋分の日」「文化の日」「勤労感謝の日」についても、どのような意味を持つかが定められています。
気になる名前の由来を紹介
頭文字を取って「GW」と表記されることも多いゴールデンウィークという呼び名の由来は、放送業界の用語「ゴールデンタイム」にあるとされています。大型連休の週に映画館の入場者数が増加したため、映画業界で「素晴らしい1週間」という意味の「黄金週間」と命名したといわれています。さらにインパクトを強めるため、カタカナ表記の「ゴールデンウィーク」に変わったという説が有力です。
テレビや新聞などのメディアの一部では、ゴールデンウィークとは呼ばず「大型連休」とするところもあります。もともと特定業界の用語であったことや、石油ショック以降に祝日でも働く人が増えた社会背景への配慮、表記が長くなって使いにくいなどが主な理由です。一方若い層向けの雑誌や旅行パンフレットなどでは、ゴールデンウィークの呼び名が頻繁に使われています。
ゴールデンウィークの祝日
ゴールデンウィークにある4つの祝日は、それぞれどのような日なのでしょうか?意味や経緯をご紹介します。
4月29日「昭和の日」
「昭和の日」は、「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日です。
1988年までは昭和天皇の「天皇誕生日」でしたが、昭和から平成に変わるタイミングで「みどりの日」と名称が変更になりました。昭和天皇が崩御された際に、天皇誕生日をどうするか議論され、この祝日を廃止すると国民の生活に大きな影響を与えかねないということで、「みどりの日」として残すことになりました。生物学者としても活動され、自然を愛した昭和天皇にちなんで「みどりの日」と名付けられたとされています。
その後2007年に「昭和の日」と名前が変更されました。この日には、激動の時代といわれている昭和を振り返るのもよいでしょう。
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5月3日「憲法記念日」
1947年5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して制定されたのが、「憲法記念日」です。日本国憲法が公布されたのは「文化の日」として残っている1946年11月3日ですが、実際に施行されたのは半年後でした。
祝日はよりよい社会を築き上げるために国民を挙げて祝う日であり、新憲法施行日は祝日にふさわしいとされました。各新聞でも大々的に取り上げられ、日本の新たな出発に大きな期待を寄せていた当時の風潮がうかがえます。
憲法記念日には、日本国憲法の3つの基本原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の意味をあらためて考えてみてはいかがでしょうか。また憲法記念日は「国の成長を願う日」でもあるので、子どもと一緒に日本の未来のために今できることを考えてみるのもおすすめです。
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5月4日「みどりの日」
もともとは4月29日が「みどりの日」でしたが、2007年に「昭和の日」に変更されたことから、「みどりの日」が5月4日に移動されました。
みどりの日は「自然に親しむ日」であり、全国各地で自然に関する行事が多く行われています。新緑が見られる緑豊かな時期でもあるので、近くの公園や庭などで自然と触れあう過ごし方をするのもいいですね。
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5月5日「こどもの日」
「端午の節句」とも呼ばれている「こどもの日」は、1948年に制定されました。子どもの健康や成長を願うとともに、子どもの人格を尊重し母親に感謝する日でもあります。
端午の節句は古くから続く行事の1つで、五月人形や鯉のぼりを飾るのが一般的です。菖蒲湯に入ったり、かしわ餅やちまきを食べたりする家庭も多いのではないでしょうか。
親子で鯉のぼりの工作をしたり、柱や背の高い家具を使って背比べをして、成長を記録してもいいでしょう。振り返って懐かしんだりできるよう、記念撮影をするのもおすすめです。
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ゴールデンウィーク前にしておきたいこと
ゴールデンウィーク中は休みになる施設が多いため、事前に必要な用事を済ませておきましょう。特に銀行・病院・役所には、連休前に行っておくと安心です。
始まる前に銀行や病院へ
銀行はカレンダー通りに休みになるため、早めに必要な手続きを済ませておくのがおすすめです。一般的に金融機関のATMは休みに関係なく使えますが、システムのメンテナンスを実施するところもあるので確認しておきましょう。
病院も基本的に祝日は休みです。診察や処方箋が必要な人は、連休直前などの混み合う時期の前に済ませておきましょう。お年寄りや小さい子どもがいる家庭は、万が一体調が悪くなったときに診察可能な病院を調べておくと安心です。
役所での手続きも済ませよう
役所もカレンダー通りの休みです。この時期に証明書などが必要な人は、提出期限を確認して早めに手続きを済ませるようにしましょう。
飛び石連休の場合は平日に出向くことも可能ですが、待ち時間は長くなる傾向があります。簡単な手続きに多くの時間を取られてしまうのはストレスになるので、連休を楽しく過ごすためにも、時間にゆとりを持って用事を済ませておきましょう。
季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。
監修/和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。
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