「草」の意味とは?
草とは、地上に出ている部分や柔らかく、木質部分が発達しない植物のことです。また、「草がぼうぼうに生えた荒地」のように特に植物を区別せずに表現するときにも、草という言葉が使われます。
名詞の前に草という言葉をつけて、本格的なものではないことを示すこともあります。例えば、遊び半分で行う野球を「草野球」、馬券を発行せずに気軽に行う競馬を「草競馬」と呼ぶことも珍しくありません。
【草】くさ
1.名詞
・植物のうち、地上部が柔軟で、木質の部分が発達しないもの。草本(そうほん)。
・役に立たない雑草。「―ぼうぼうの庭」
・まぐさ。かいば。
・屋根を葺(ふ)く、わら・かやなどの植物。「―葺きの屋根」
・《山野の草に伏して敵情をうかがう意から》忍びの者。間者。
2.接頭名詞に付いて、本格的でないものの意を表す。「―野球」「―競馬」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■ネットスラングの「草」
インターネット上だけで使うネットスラングがあります。例えば、少し前であれば、SNSで「今~しているよ」の意味で「~なう」というような言葉を使うことがありました。
草もネットスラングの1つで、「笑い」や「面白い」の意味で使われることがあります。例えば、「朝からどんぶりに2杯のご飯を食べた草」というように、面白いと思ったことを伝えるときに使うことが多いです。
由来は「warai」
面白いと思ったことを伝えるとき、SNSなどでは文末に「(笑)」をつけることがありました。例えば、「私、今日は宿題していないんだよね(笑)」のように、笑いながら話しているイメージで使います。
SNSなどでは言葉や写真を伝えることができますが、感じたことやニュアンスを伝えることは困難です。笑いながら話しているイメージを相手に伝えたいときには「(笑)」、怒っているときには「(怒)」というようにダイレクトに感情を示す漢字をつけると、相手にも気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
「(笑)」は、「warai」や「warau」になり、省略して「w」と書かれるようになりました。「w」は草のように見えることから、(笑)の代わりに「草」と表記されるようになったといわれています。
■スパイ用語の「草」
その国や土地で一般人として生活しているように装っているスパイを「草」と呼ぶことがあります。何年、何十年もかけて地域に馴染み、普通の暮らしをしているけれども、本当はその土地の情報を入手したり、特定のターゲットの監視をしたりすることを目的として生活しています。
冷戦時代には世界中に多くの草がいたようです。また、日本にも「忍び」として各藩の情報を探る草がいました。しかし、現在は情報化社会といわれ、多くの情報をパソコンやスマホ1つで集めることが可能です。草の存在価値も低くなり、人ではなくインターネット経由で情報を収集することが一般的になっています。
「草」をSNSや日常生活で使う方法
元々「草」はSNSなどで使われるネットスラングでしたが、インターネットを飛び出して、日常生活でも使われることがあります。基本的には「面白い」という意味で使われますが、「ウケる」や「笑えない」などのシニカルなニュアンスが加わることも多いです。
実際にどのような使い方をするのか、いくつかのパターンに分けて紹介します。「草」には嫌味や皮肉なニュアンスのある使い方もあるので、ポジティブな意味合いの言葉と勘違いしないように、パターンとして覚えておきましょう。
■面白い
元々の意味である「面白い」を表現するときに、「草」を使うことがあります。
・引き出しが閉まらなくて、思いっきり押し込んだら、マンガみたいに棚が壊れたの草
・今、テレビ見てる?アイドルと思えない表情が生々しくて草
また、「面白い」の意味で「草生える」と表現することもあります。
・あのお笑い芸人の動画見た?いや本当に草生えた
・A子と久々に会って近況報告。草生えすぎて終電逃したわ
■ウケる
「面白い」のは確かなのだけれど、少し見下したニュアンスや逆説的な意味合いで「ウケる」と表現することも増えています。そのようなときも「草」を使って気持ちを表すことがあります。
・本当に彼は面白いと思ってそんなこと言っているのかな?本気なら草
・いや、そんなつまらないことでマウント取るのホント、草
「ウケる」の意味で「草」を使うときも、「草生える」と表現できます。
・何様のつもりなんだか……。ま、草生えるけど
・本気で彼に憧れているの?一周回って草生えたわ