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2023.01.30

「コンセプト」とは?テーマやイメージとどう違う?|分野・場面別の使い方と事例を解説

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コンセプトとは根幹となる考え方のことです。もともとは「概念」という意味の語句ですが、ビジネスのさまざまなシチュエーションで、全体を通しての考え方というニュアンスで使われています。ここではコンセプトの分野・場面別の使い方と事例を解説します。

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「コンセプト」は“根幹となる考え方”という意味

コンセプトは根幹となる考え方という意味の語句で、企画を考える場面でよく使われています。企画の意図や商品の価値をわかりやすく言語化する際に、コンセプトに基づいて説明するケースが多いです。

「コンセプト」のイメージを電球、手などのモチーフを使って表した抽象的なイラスト

ここではコンセプトと並んで、企画会議でよく登場するテーマ、アイディア、イメージという語句の意味と、コンセプトとの違いを解説します。

■テーマとの違い

テーマは主題、コンセプトはその主題を実現するための枠組みという違いがあります。テーマはもともと映画や文学など、芸術作品でよく使われている言葉で、作者が言いたいことを簡潔にまとめたものです。

コンセプトはテーマを実現するための枠組みや考え方であり、テーマと比較すると、よりビジネスで使われることが多いという違いがあります。テーマとコンセプトは似た意味を持っているので、使う場合には注意が必要です。

■アイディアとの違い

アイディアとは思いつきやひらめきのことであり、コンセプトは全体を通した考え方であるという違いがあります。つまりアイディアは断片的なものであり、コンセプトは体系的なものといえます。

アイディアには一貫性が求められませんが、コンセプトには一貫性が必要です。またアイディアは具体的であるのに対して、コンセプトは抽象的であるという違いもあります。

■イメージとの違い

イメージは雰囲気や印象といった意味の語句で、コンセプトのような一貫性がないという違いがあります。テーマやアイディアよりも曖昧な語句であり、考え方や方向性を示すものでもありません。

イメージが広がりのある言葉であるのに対して、コンセプトは抽象的でありながら、明解に言語化されているという点でも大きな違いがあります。

ビジネスシーンで使われるコンセプト

コンセプトという言葉はビジネスのさまざまなシーンで使われます。対象となるものが持っている価値を言語化し、わかりやすく説明する機能があるからです。コンセプトを設定することで、根幹の考え方を共有しやすくなります。

コンセプト会議でイメージの共有をする人たち イラスト

ここでは企業や組織、商品やサービス開発、建築という3つの分野において、それぞれコンセプトがどのような使い方をされているのかを説明していきます。

■企業や組織でのコンセプトの使用例

企業におけるコンセプトは経営理念、組織におけるコンセプトは運営理念といった言葉で表すこともできるでしょう。ここでは企業や組織でのコンセプトの使用例を説明します。

【使用例】

・我が社では「人にも地球にも優しい」というコンセプトを掲げて、着心地のいい服を、水をあまり使わない製法にこだわって、作っています。

・うちのバスケットボールチームのコンセプトは「個のケミストリー」です。それぞれが自分の役割をしっかりこなしながら、チームとしての連携との両立を目指しています。

 

■商品・サービス開発でのコンセプトの使用例

商品やサービス開発におけるコンセプトとは、わかりやすく商品やサービスの魅力を伝える言葉ということになります。つまり、特徴や強みを強調するのです。使用例をご紹介しましょう。

【使用例】

・当店で販売しているインテリア商品のコンセプトは「北欧の空気をあなたのお部屋へ」です。北欧のセンスあふれる家具を取りそろえています。

・先日、できたばかりのショッピングモールのコンセプトは「大自然のもとでショッピング」です。山や川や公園が隣接する広々とした空間に、世界各国のブランドショップが立ち並んでいます。

 

■建築でのコンセプトの使用例

建築におけるコンセプトは設計を進める上での基本的な姿勢のことです。コンセプトを決めることで、わかりやすい特徴を備えた建築のイメージを共有することができます。

【使用例】

・開放感があって、窓や共有スペースがたくさんある木造の一軒家のコンセプトは「光と風と笑顔の通り道」です。

・古民家の構造や素材を活かしながら、バス・トイレなどの水回りでは最新の設備を備えた家のパンフレットに、コンセプトは「古くて新しい、歴史と未来の共存」と書かれていました。

 

コンセプトを使った複合語

コンセプトを使った複合語はたくさんあります。コンセプトという言葉自体、さまざまなシーンで使われていますが、コンセプトの複合語も幅広い場面で使用されており、言葉が重なることによって、独自の意味を持つケースも少なくありません。

コンセプトを考える人 イラスト

ここでは使われる頻度の高いマーケティングコンセプト、コンセプトショップ、コンセプトカーという3つの複合語の意味や使い方を解説しましょう。

「マーケティングコンセプト」

マーケティングコンセプトとはマーケティングの考え方ということです。近年のマーケティングにおいては、一般的にはユーザーのニーズに重点を置いて、マーケティングを展開する考え方を表しています。

マーケティングコンセプトを近代から現代への経済活動の変遷に当てはめると、生産志向・製品志向・販売志向・顧客志向・社会公共志向という5つに分類できるのです。

具体的には、生産志向は「より広く」「より安く」「より大量に」、製品志向は「より高品質に」「より高性能に」、販売志向は「よい多く宣伝し」「より多くの販売を」、顧客志向は「より顧客本位に」、社会公共志向は「社会への還元を目指して」などの考え方を指します。

「コンセプトショップ」

コンセプトショップとは企業の主張やメッセージ、考え方などを形にした商品を陳列している店舗のことです。コンセプトショップにディスプレイされた商品を見ることで、今後の企業の方向性が見えてくる場合もあります。

通常の店舗とは違う品揃えになっているのが特徴で、企業のアピール、将来的な店舗展開の指針や新商品のモニタリングなど、さまざまな役割を担っています。

「コンセプトカー」

コンセプトカーとは自動車メーカーがモーターショーやショールームでの展示を目的として開発した車のことです。近未来のデザインや技術が盛り込まれており、市販を前提としない場合もあります。

コンセプトカーを作る目的は自動車メーカーが今後の開発の方向性をアピールすることやマーケットの反応をうかがうことです。市販化された時には大きくデザインが変更になっていたというケースも少なくありません。

コンセプトの事例を3つご紹介

コンセプトは商品やサービスの魅力をわかりやすく伝える上でも大きな役割を果たしています。短い言葉の中に根幹となる考え方が凝縮されていて、わかりやすくて、なおかつ記憶に残るものが良いコンセプトと言えるでしょう。

お店の前に集まる人たち イラスト

ここでは世の中に広く浸透したスターバックス、旭山動物園、QBハウスの3つのコンセプトの例をご紹介します。

1.「サードプレイス」スターバックス

スターバックスの有名なコンセプトは「サードプレイス」です。「サードプレイス」とは第三の場所という意味。第一の場所が家、第ニの場所が職場、そしてそれに続く第三の場所を目指していることを示すコンセプトです。

スターバックスのコンセプトはコーヒーを販売することだけではなく、居心地のいい空間や時間を提供すること。店内が過ごしやすいように設計されているのも、サードプレイスというコンセプトに則っています。

2.「伝えるのは命の輝き」旭山動物園

「伝えるのは命の輝き」というコンセプトは旭山動物園の独自性と魅力を見事に表しています。動物を見せるのではなくて、動物の行動を展示することによって、命の輝きを伝えることを旭山動物園の使命と位置づけているのです。

このコンセプトに沿って、水中に人が通れる透明のトンネルを設置し、ペンギンが気持ち良さそうに泳ぐ姿を真下から見せるなど、斬新な展示を展開。「空飛ぶペンギン」として話題を集めました。

「命の輝き」をユニークな発想の展示の数々で見せることにより、2004年夏に月間入園者数日本一を達成するなどの成果をあげたのです。

3.10分の身だしなみ」QBハウス

ヘアカット専門店であるQBハウスのコンセプトは「10分の身だしなみ」です。サービス内容をわかりやすくストレートに伝えるコンセプトでしょう。

ヘアカットの所要時間が約10分ということを明確に示したこのコンセプトが生まれた背景には、QBハウス創業者の「従来の理容院は時間がかかりすぎる」という不満がありました。

つまり、手軽でリーズナブルにヘアカットだけをする店があれば時間もお金も有効に使えるという発想から生まれたサービスなのです。ヘアカットを時間創出企業と位置づけるというユニークな視点から生まれたコンセプトと言えるでしょう。

コンセプトを「深く理解する」おすすめ本3

コンセプトを深く理解するためには、専門の本を読むことが有効です。特に企画書を書くなど、コンセプトを立てる側になった場合に困らないためには、コンセプトを作るという視点での知識を身に付けなければなりません。

本のイメージイラスト

ここではより専門的にコンセプトを学ぶための本として、「コンセプトのつくりかた」「コンセプトが伝わるデザインのロジック」「成功はすべてコンセプトから始まる」という3冊をご紹介します。

「コンセプトのつくりかた」

世界的な大ヒットとなった任天堂Wiiの初期のコンセプトワークから携わったプログラマーの玉樹 真一郎氏が書いた本です。玉樹氏は「Wiiのプレゼンを最も数多くした男」と呼ばれています。

任天堂Wiiの企画コンセプトがどうやって誕生したのかという背景から、コンセプトの作り方の具体例までが紹介されています。コンセプトを立てる上でのポイントなどを手描きのイラストも交えて説明している実践的な本です。

 

「コンセプトが伝わるデザインのロジック」

文章によるコンセプトではなくて、デザインにおけるコンセプトを学ぶことができるのがこの「コンセプトが伝わるデザインのロジック」です。

著者の「OCHABI Institute」は美術のプロフェッショナル集団で、デザイナーはもちろんのこと、広告、企画、商品開発など、広告や商品のパッケージに関わる機会のある人にとって、参考になる内容になっています。デザインのコンセプトを軸としながら、構図・色・レイアウトなど、デザインを総合的に解説しています。

組織やサービスもデザインであるという視点に基づいているので、さまざまなビジネスシーンでも活用できる知識を身に付けることが期待できるでしょう。

 

「成功はすべてコンセプトから始まる」

ビジネスで効果的にコンセプトを活用する方法を解説しているのが「成功はすべてコンセプトから始まる」という本です。著者の木谷 哲夫氏は経営コンサルタント、起業家の育成をはじめ、コンセプトを重視した企業再建を行ってきています。

良いコンセプトとは何かということや、コンセプトの立案の仕方をわかりやすく解説している実践的な本です。

 

コンセプトという言葉を理解して正しく使おう

コンセプトとは根幹となる考え方のことです。企業や組織から商品やサービスの企画・開発、デザイン、建築まで、さまざまなビジネスの場面で活用されています。企画立案においても、コンセプトが重要な役割を果たすケースがたくさんあるのです。

コンセプトを作ることによって、目指すべき方向性・特徴・魅力などが言語化されて明確になるメリットもあります。コンセプトという言葉の意味を理解して、正しく使ってください。

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