レスポンスとは
レスポンスには、「返答」「反応」「対応」の3つの意味があります。相手から何かしらの働きかけがあった際に、こちらからも何かしらの反応を起こすことを意味します。
ちなみにメールの返信で使用する「Re:」は、レスポンスの略ではありません。「Re:」はラテン語の「res」という言葉から付けられており、「~について」という意味です。
業界別のレスポンスの意味
レスポンスは使う場面によって、異なった意味を持つ言葉です。そのため前後の文脈に合わせて意味を判断する必要があります。
またレスポンスは業界ごとに異なった意味で使用されるため、正しい意味を理解することが重要です。ここでは、IT業界と自動車業界におけるレスポンスの意味を解説します。どのような意味で使われているのかをチェックしましょう。
・IT業界
IT業界でのレスポンスは、パソコンのシステムが反応する速さやメールやチャットの返信の速さを表現するときに使用します。パソコンのシステムの処理能力に関しては、「反応」という意味でレスポンスが使われています。
ちなみに、反応が返ってくるまでの待ち時間のことをレスポンスタイムと呼ぶため、併せて覚えておきましょう。一方、メールやチャットといったやり取りに関しては、「返信」という意味でレスポンスが使用されています。
・自動車業界
自動車業界ではアクセルやブレーキ、ハンドルなどの操作性能を表す言葉として、レスポンスが使用されます。例えばアクセルやブレーキの反応が良い車は、「レスポンスが良い車」と表現します。
高級車のように品質が良い車も必然的に反応が良くなるため、「レスポンスが良い車」として判断されるでしょう。車だけではなく、バイクに関しても、同様のことがいえます。
レスポンスの使い方3選
レスポンスはビジネスや日常生活をはじめ、さまざまなシーンで幅広く使用される言葉です。そのため言葉の意味や使う場面に合わせて、正しく使用することが大切です。
ここからは、レスポンスの使い方を「返答」「反応」「対応」の3つに分けて解説します。それぞれの意味を確認しながら、正しい使い方をチェックしましょう。
1.「返答」の意味を持つケース
返答の意味を持つ場合は、以下のように使用しましょう。
・来月の商談に関して、先方からのレスポンス待ちである
・購入した商品について問い合わせたら、レスポンスが早かった
・上司からのメールには、迅速なレスポンスを心掛けるべきである
返答の意味として使用する際は、レスポンスを「返答」に言い換えることができれば、正しく使用できています。また、レスポンスは返答速度に関する話題で使われることが多いため、「早い」や「遅い」とともに使用されることも多いでしょう。
2.「反応」の意味を持つケース
反応の意味を持つ場合は、以下のように使用しましょう。
・パソコンの設定を見直したらレスポンスが良くなり、操作性がアップした
・新商品の使用感について、消費者からのレスポンスを待っている
・先日行ったプレゼンのレスポンスは、期待以上だった
反応に関しても返答の場合と同様に、言い換えても問題なければ正しく使用できています。ほかにも「リアクション」と同じような意味で使用されるケースもあります。
3.「対応」の意味を持つケース
対応の意味を持つ場合は、以下のように使用しましょう。
・仕事上でミスをしてしまった場合のレスポンスは、迅速に行うほうがよい
・災害に関するレスポンスは、迅速さが重要である
・誤った通知に対して、即座にレスポンスを行った
対応を意味するレスポンスは、相手の動きに対して反応するときに使用します。ビジネスシーンをはじめ、幅広い場面で使用する言葉です。
レスポンスの早さが大事な理由2つ
レスポンスの早さが大事な理由は、「信頼を得やすくなる」「相手の負担を軽減できる」の2つです。レスポンスが早いとコミュニケーションを円滑に行えるため、信頼を得やすくなります。
またレスポンスが遅いと、相手に不安や負担を与える原因になります。相手にどんな印象を与えるかは、レスポンスの早さが関係しているのです。ここでは、レスポンスの早さが大事な理由について解説します。
1.信頼を得やすくなる
ビジネスを行ううえで、レスポンスの早さは重要です。レスポンスが早いとコミュニケーションを取りやすく、信頼関係を構築しやすくなるためです。
届いたメールに対してすぐに返信をすれば、相手は「メールを見てくれている」「自分のことを気にかけてくれている」と安心感を得られ、その積み重ねにより徐々にあなたへの信頼が増していきます。
反対にレスポンスが遅いと、「うまく仕事が進まない」「信頼できない」と評価されやすくなり、仕事のチャンスを失う可能性が高まるでしょう。
2.相手の負担を軽減できる
レスポンスが早いと相手の待ち時間を短くでき、負担を軽減しやすくなります。例えば、仕事を進めていくうえで重要な事項を確認したい場合、担当者のレスポンスが遅いと仕事が滞ってしまうでしょう。
迅速なレスポンスを心掛ければ、相手は待つことなく仕事をスムーズに進められるのです。「レスポンスは早くしなければいけない」という決まりはありません。
しかし、遅くなることで「相手に迷惑をかける可能性がある」「相手に不安を与えることもある」といった認識はしておきましょう。
レスポンスを早くする3つのコツ
レスポンスを早くするコツは、「とりあえず手を動かすこと」「内容を整理して要約すること」「相手の気持ちを考えること」の3つです。
レスポンスを行う前にあれこれ考えてしまったり、相手の伝えたい内容を理解するのに時間がかかってしまったりすると、その分レスポンスは遅くなります。
レスポンスを早くすることと併せて、相手の気持ちを考えることも重要です。それぞれのコツを確認しましょう。
1.とりあえず手を動かす
レスポンスを早くするためには、とにかく手を動かしましょう。あらゆることを考えてから行動してしまうと、その分レスポンスが遅くなるためです。
例えば、メールを受け取ったら、その場で返信するとレスポンスは早くなります。すぐに返信できない場合は、「確認をしてから、後ほど連絡する」といった旨を伝えておくのも有効です。一言返信しておくことで、相手に安心感を与えやすくなります。
このようにまずは手を動かすことを意識すれば、レスポンスを早められます。
2.内容を整理して要約する
レスポンスを早くするためには、日頃から文章を要約する癖を身に付けましょう。要約する力があれば、相手の気持ちを瞬時に理解することができるためレスポンスが早くなります。
例えば、長文のメールが届いた際に要約する力がなければ、相手の伝えたいことを理解するのに時間がかかる可能性があります。「何を答えればいいのか」「何が重要なのか」などがわかりにくいと感じる場合もあるでしょう。
しかし、瞬時に要約することができれば、悩むことなくレスポンスを返すことができるのです。そして相手が知りたいことを簡潔にまとめることもできます。
要約力はすぐに身に付くわけではありません。日頃から意識して行うことで次第に身に付き、レスポンスを早くすることができるでしょう。
3.相手の気持ちを考える
レスポンスは、ただ早ければいいという問題ではありません。相手が求める答えを、迅速に返答することが大切です。
例えば、「先日提出していただいたレポートについて、一部修正をお願いできますか」というメールを受けとった場合、相手が欲しい返答は「修正できるかどうか」です。そこで全く関係のない内容を返信しては、相手の問題は解決しないでしょう。
つまり要約する力だけではなく、相手の気持ちを考えて「どんな返答が必要なのか」を考えることが重要です。
ビジネスにおいてレスポンスの早さは重要
レスポンスには、「返答」「反応」「対応」といった意味があります。使われるシーンや業界によって意味が異なるため、前後の文脈から正しい意味を読み取りましょう。
レスポンスの早さは、ビジネスを行ううえで重要です。レスポンスが早いと円滑にコミュニケーションを取ることができ、相手からの信用を得やすくなります。ビジネスチャンスを獲得する可能性も高められるでしょう。
レスポンスを早くするためには、まず手を動かして要約する力を身に付けることが大切です。相手の気持ちを考えながら行動しましょう。
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