インタラクティブとは相互作用を意味する言葉
インタラクティブ(interactive)とは、「相互作用の」という意味をもつ言葉です。場面にもよりますが、日本では「相互作用」や「双方向のやり取り」を指して使われることもあります。
一方的でないコミュニケーションを指すことが多い
一方的ではないコミュニケーションを指して、インタラクティブという言葉が用いられることが一般的です。たとえば、講義や演説をすることは、話を一方的に伝える行為なのでインタラクティブとはいえません。一方、会議室などで円になって座り、誰もが発言できるようにした上で話を始めることは、相互にコミュニケーションを取れる状態なのでインタラクティブといえます。
インタラクティブの類義語
インタラクティブの類義語には「双方向性」が挙げられます。双方向性とは一方的ではないやり取りのことで、こちらから他方にアプローチするだけでなく、他方からもこちらにアプローチできる状態を指します。また、お互いに話せるという意味の「対話型」も、インタラクティブの類義語です。話し合いながら物事を決定できるので、一方的に考えを押し付ける方法とは真逆の状態を指します。
インタラクティブを使うシーンと例文
インタラクティブという言葉は、どのようなシーンで使われるかによって少し意味合いが異なることがあります。よくあるシチュエーションやインタラクティブという言葉を使うことが多い業界に分けて、例を見ていきましょう。
社内会議
社内会議は、本来誰もが意見を言えるインタラクティブなものであるべきです。しかし、会議とは名ばかりで、すでに決まった決定事項の承認を得るためだけに行われる場合も。そのような会議を行っているときには、次のように言えるかもしれません。
・決定事項を承認するだけではインタラクティブとはいえません。会議は本来、インタラクティブなものなのではありませんか?
IT業界
ユーザーの動きに対してすぐに反応できるソフトウェアなどを指して、インタラクティブという言葉を使うことがあります。たとえば次のように言うことができるでしょう。
・このソフトウェアはインタラクティブとはいえない。もう少し、レスポンス感度を上げてみてはどうだろうか。
・また、ソフトウェア以外にもコンテンツやハード、システムにおいても、ユーザーの動きを反映できるものであればインタラクティブと表現します。
広告業界
今まで広告は、一方的に思いを伝えるものでした。企業などの団体が伝えたい内容を表現するだけで、その広告を見た人、つまり受け取り手側については配慮されていないことが多かったといえます。
インタラクティブ広告とは、広告を作成した側の思いを伝えるだけでなく、広告を見た側の思いを作成者側に伝えられる広告のことです。インターネット上の広告であれば、受け取り手側がさらに詳細な情報を求めたり、購入などのアクションにつなげたりすることができるでしょう。たとえば、次のようにインタラクティブ広告という言葉を使えます。
・すべての広告をインタラクティブ広告にして、ユーザーのニーズを反映させるようにしよう。
・問い合わせ用のメールなどを記載しておけば、受け取り手側が直接広告主に意見を言うこともでき、さらにインタラクティブな状態になります。
マーケティング
従来のマーケティングでは広告を出してからユーザーの反応や効果を分析していたため、原因と結果のつながりが見えにくいという課題がありました。しかし、インタラクティブなマーケティング手法では、ユーザーの反応をうかがいながらリアルタイムに反映させるので、原因と結果のつながりが見えやすく、効果が表れやすいというメリットがあります。
・インタラクティブコミュニケーションを通して、効果的なマーケティングを実践しよう。
PC、システム
サービスの提供者と利用者の間でコミュニケーションが生まれていることを指して、インタラクティブということがあります。たとえば提供者・利用者間のコミュニケーションが可能なPCやシステムであれば、「インタラクティブなPC」「インタラクティブなシステム」と呼ぶことができるでしょう。
・このシステムはインタラクティブなので、必要な情報がすぐに表示され、使いやすい。
インタラクティブの使い方をマスターしよう
インタラクティブという言葉は、日常生活においてあまり使う機会がない言葉かもしれません。しかし、仕事の面では使う機会も多く、理解しておくことが必要です。一方的ではないやり取りであれば、大抵はインタラクティブと表現することができます。比較的使いやすい言葉なので、ぜひ今日から使ってみてください。
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