「続柄」の意味や読み方とは?
まずは「続柄」の意味や読み方など、基本的な知識について知っておきましょう。
■意味
「続柄」は、親子関係や婚姻関係など、親族間の関係を明らかにするためのもの。会社で年末に配られる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や、「給与所得者の基礎控除等申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書」のような、公的な書類で記入を求められることがあり、会社員なら年に一度はお目にかかる言葉です。
「個人」が主体の欧米とは異なって、日本では「家族」が社会の単位として長年捉えられてきました。「続柄」は、親族のある一定の人物を中心に、その人物からの関係性をもって、親族の他の人物を認識するという、日本の特徴的な考えに基づいた言葉です。
「続柄」は、年末年始や年度末のような、国への書類提出が多くなる季節や、引っ越しや結婚などで環境が変わった場合などに、特に頻繁に遭遇する言葉です。
■正しい読み方は「つづきがら」
「続柄」は「つづきがら」と読みます。税務署や市役所などで勤めている人や、総務や人事の仕事をしている人にとっては、「続柄」の正しい読み方が「つづきがら」だということは当たりまえかもしれません。ですが、「続柄」は「ぞくがら」と読むと思っている人が多くいるのも実情です。
「続柄」の書き方
「続柄」には書き方のルールがあります。公的な書類で間違いなく、しっかりと書けるようにしておかないと、大人としての常識が疑われるかもしれません。ここでは、年末調整で配られる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」での「続柄」の書き方を例にとって見ていきましょう。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、「世帯主の氏名」、「あなたとの続柄」を書く箇所があります。また、扶養家族の名前の欄には「あなたとの続柄」の記載が求められています。
ちなみに、年末調整時、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と同時に配られる「給与所得者の保険料控除申告書」では、申告者本人が契約者となっている保険料だけではなく、配偶者が契約者となっている保険料でも、申告者本人がその保険料を支払っているなら、控除が受けられます。この申告書でも必要となるのが、本人との関係性を示す「続柄」というわけです。「続柄」を記載することによって、本人と保険契約者、受取人などの関係が明らかになり、控除すべき保険契約であるということが確認できるのです。
では、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に書く「続柄」の書き方について、詳しく見ていきましょう。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、「世帯主の氏名」の真下に「あなたとの続柄」を書く欄があります。
自分との関係別で見る「続柄」の書き方
ここからは自分から見た関係別での「続柄」の書き方について解説していきます。
配偶者の続柄
まず、世帯主が夫(配偶者)である場合は、「あなたとの続柄」は、「夫」となります。この場合、自分は世帯主の妻だから「妻」と書いてしまう人がいますが、「あなたとの続柄」というのは、自分から見て世帯主はどういう「続柄」かを書く必要があるので、正解は「夫」です。
また、同棲している婚約者が世帯主の場合は、「夫(未届)」と記載します。
娘、息子、孫の続柄
続いて、娘、息子、孫の場合の「続柄」を見ていきましょう。娘も息子も「続柄」は「子」で表します。男女の区別や、長男・次男、長女・次女のような、生まれた順序は関係ありません。また、孫の場合は「子の子」となります。