受験は大変だったけれど生まれ変わってもタカラヅカを目指す!
天寿:れんれんは生まれ変わってもタカラヅカに入りたいですか?
如月:私はまた絶対に入って男役をやりたい。番組でも90期の音楽学校受験のことを話しましたが、私は3回目で合格したんだよね。1回目と2回目は受かりたい想いがすごく強かったんだけど、3回目の時はすべてやりきった感があるほど自分的に全力を出し尽くしたから。面接の時に番号を間違ったりはしたけど(笑)。だから本当に悔いがなくて、それからの合格という結果だったから、「あ、受かったわ、よかった」くらいのあっさりした感じだったの。
今、受験生密着のテレビ番組を見るとびっくりするよね。「私、こんなところによく入れたな」って。それだけ狭き門なんだよね。
天寿:そうですよね。受験はもう遠い昔の話ですが、人生のいくつかのターニングポイントの中でダントツに大きなものだったと思います。人生かかってるから、これでもかというくらい情熱を注いだ自覚があります。ここで頑張らないでいつ頑張るんだ、って歯を食いしばって秋田から出てきた記憶がある。結果は分からなくても頑張ることってやっぱり大事で、その大切さを受験を通して学んだなと思います。
如月:タカラヅカを退団してから、自分を試される機会がすごく増えたと感じるけど、音楽学校の受験を乗り越えたからこそなんでもできると思える。それはすごく大きいかもしれない。また男役をやりたいけど、できれば、今の知識や技術を得た状態でもう1回やりたいな。そしたらまた別のなにかがあったかも?(笑)
天寿:初々しくないけどね(笑)。私も生まれ変わっても同じ道を目指すと思う。
如月:でも娘役もいいよね。
天寿:顔と体型が違ったら考えますよね。華奢で丸顔で首長くて…という姿だったら娘役をやっているかもしれない。
如月:次は『エリザベート』に出たい。卒業してからガラコンサートには出演させていただいて、半分夢がかなって大号泣だったんだけど、やっぱり本作が大好きだからどうしても出たいです。
天寿:私は『ロミジュリ』のマーキューシオをもう一度やりたいですね。狂った役をやりたい。ターニングポイントのひとつだったからというのもありますけど。
如月:なるほどね。私は天寿さんがやった役では『サンダーボルト ファンタジー』の蔑天骸(べつてんがい)もすごい好きだったよ。
自分の選択が人生を作っていく。その判断が難しかった
如月:天寿さんは昨年タカラヅカを退団して、新鮮に感じていることとか変わったことはある?
天寿:日常の時間の使い方が自由になった分、視野が広がりました。現役時代はその時にやっている作品のこの役、このショーの中のこのナンバーと毎日決まったお稽古していたじゃないですか。今日はこの振り付けがあるからそれをやって、明日はあの場面で…と追われていた日々がリセットされたから、本名の自分の人生経験としていろいろなことに視野を向ける余裕ができました。時間の使い方を自分で決められるからこそ、責任も生まれているわけですけど。選択肢ひとつひとつが人生を作っていくんだなという価値観が芽生えました。如月さんは?
如月:私は基本的に反省点の多い人間で、反省をする生き物みたいだったの、タカラヅカの時は。自分のしたことを振り返ってばかりいたんだけど、退団するちょっと前くらいから少しずつ前を向けるようになってきたかな。その一瞬一瞬に全力をかける想いは変わっていないんだけど、周りにたくさんの人がいていろんな意見が聞くことができた環境から、「あなたひとりの判断で全部決めてください」という状況になって、最初はそれがとても難しかったの。でも最近は自分で考えて進むことができ、それに対してどんな評価がくるんだろうと。スタンスが変わったなと思ってる。
天寿:今私、旅にハマっているんです。会いたいと思う人に会うこと、行きたい所に行くこと、食べたいものを食べること。これが自分の幸せを満たしてくれるなーと思って最高。あとは、今日みたいに初めましての方が増えるから、心を開いてね。今まで同じメンバーとずっと一緒だったので、とっても新鮮で日々勉強です。
如月:いいですね。私は結構料理をしていますね。相当腕が上がった! ポトフもレシピを見ないで作れるようになりましたよ。
天寿:すごい! ポトフにトマトは入れる?
如月:入れる!
天寿:じゃがいもの芽を食べたら死んじゃうと思っていたけど、それでは死なないということは知りました(笑)
如月:でも毒っけがあるから取ったほうがいいよ。…と、こんな程度の腕前です、はい(笑)