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淘汰とは?
淘汰は、「とうた」と読みます。環境や条件に適応したものだけが生き残り、それ以外は滅びるという意味です。不必要・不適切なものを取り除く、という意味もあります。
とう‐た〔タウ‐〕【×淘汰】
[名](スル)
1 水で洗ってより分けること。転じて、不必要なもの、不適当なものを除き去ること。「不良企業は淘汰される」
2 環境に適応した生物が子孫を残し、他は滅びる現象。選択。
3 流水や風による運搬の過程で、堆積物たいせきぶつが粒径・形状・比重などに応じて選別される現象。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
淘汰は、もともと生物用語として使われている言葉で、地質学用語としても専門的な意味で使われています。
ここでは、淘汰の2つの意味や言葉の由来をみていきましょう。
2つの意味
淘汰には、主に次のような2つの意味があります。
1:生存競争によって環境に適応しないものが滅び、適応するものだけが生き残ること
2:不必要なもの、不適当なものを取り除くこと
1つ目の意味は生物学用語でもあり、ある生物集団で不適当な個体が排除され、生存力の高いものが生き残って繁殖する現象を指します。「自然淘汰」とも呼ばれます。
2つ目の意味は、「人員整理」や「品種改良」など、人為的に取り除くものに使われます。
また、淘汰は地質学用語としても使われます。地質学で淘汰とは、さまざまな大きさの粒が一斉に水で流されたとき、重いものほど下に沈む現象を指します。
分解して意味を考える
「淘汰」の「淘」と「汰」は、どちらも水を表す部首である「さんずい」が使われています。「淘」は水洗いをして不純物を取り除くという意味で、「汰」は洗い流す・余分なものを取り去るという意味です。
これら2つの漢字を合わせた「淘汰」は、水で洗ってより分けることから転じて、現在のような意味になりました。水に流されるという意味合いで使う地質学用語の淘汰にも、言葉の由来が色濃く残っています。
淘汰の例文
淘汰の意味は主に、「環境に適応しないものが滅び、適応するものだけが生き残る」という自然淘汰と、「不必要なもの、不適当なものを取り除く」という人為的淘汰に分けられます。
自然淘汰には、はっきりした主語がなく、「淘汰される」という使い方をします。これに対し人為的淘汰は、主語を明確にして使うのが基本です。
ここでは、淘汰の例文を自然淘汰と人為的淘汰に分けてみてみましょう。