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2024.03.07

【是非】とは? 言葉の意味や正しい使い方、類義語を交えて解説【教員監修】

是非とは、物事の良しあしやそれを判断すること、また、あることを強く望む気持ちを表す言葉です。ビジネスシーンや日常生活で使う機会が多いですね。当記事では、日常的に使う是非の意味や由来を掘り下げ、類義語と共に、言葉の奥深さを探っていきます。

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「是非」とは

ビジネスシーンで「是非、ご意見をお聞かせください」のように、私たちは日常的に「是非」という言葉を使いますが、その由来や意味、使い方を知っていますか? まずは由来からみていきましょう。

言葉の由来

中国、戦国時代の思想書『荀子』「脩身」に以下のような記述があります。

是是非非、謂之知、非是是非、謂之愚

【書き下し文】
是を是とし非を非とする、これを知といい、是を非とし非を是とする、これを愚という
【現代語訳】
良い事をはっきり良いとし、悪い事は悪いと公平な立場で判断すること。

このように「正しい(是)」と「間違っている(非)」を示す言葉として、元々は道徳的、倫理的な正しさを議論する文脈で使用されてきました。

秤

(c) Adobe Stock

言葉の意味と使い方

現代において「是非」は単に善悪を問うだけでなく、「是非お越しください」のように、肯定的な意味で使うことが一般的です。このように、時代とともに言葉の使い方は変化し、多様な文脈で用いられるようになりました。「是非」には3つの意味がありますので、それぞれを詳しくみていきましょう。

正しいことと正しくないこと(名詞的用法)

「是非」を名詞的な意味で使う場合、主に「正しいこと(是)」と「間違っていること(非)」を指し、特に「判断」や「評価」の文脈で使用されます。以下に例文をあげます。

1:会議での提案の是非を、慎重に評価する必要があります。
2:プロジェクトの成功に関する是非は、結果が出てから明らかになるでしょう。
3:その法案の是非については、専門家の間でも意見が分かれています。

物事の良しあしを論じること(動詞的用法)

是非を動詞的な意味で使う場合、「是非する」という表現をします。物事の良しあしを論じ合うことを意味します。以下に例文をあげます。

1:会議では、メンバー全員が自由に意見を交わし、新しい方針について是非しました。
2:プロジェクトチームでは、提案された解決策について深く是非した。
3:彼女はそのアイデアを是非するために、詳細なデータと研究結果を集めてきました。

あることの実現を強く望む気持ちを表す(副詞的用法)

「是非」を副詞的な意味で使う場合は、「どうしても」という意味が含まれます。以下に例文をあげます。

1:是非ともこの機会に、新しいプロジェクトに参加していただきたいと考えています。
2:彼女は是非ともそのコンテストで優勝したいと願って、毎日練習に励んでいます。
3:私たちは是非とも、あなたにイベントのゲストとして参加していただきたいです。

是非の使用例をみてみると、その多様性がよくわかります。例えば、「是非ともご意見をお聞かせください」では、相手に強く何かをお願いする時の表現として使われています。また、「是非の判断は難しい」という場合は、物事の善悪や正誤が明確でない状況を表しています。

このように、是非は依頼、提案、判断の難しさなど、様々なシチュエーションで使われる言葉です。文脈によってニュアンスが微妙に変わるため、状況に応じた適切な使い方を理解することが重要です。

お辞儀する男女

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「是非」の類義語

「是非」と似たような意味を持つ言葉にはどんなものがあるのか、紹介します。

良否(りょうひ)

良否とは、「良いか悪いか」、「適切か不適切か」という意味の評価や判断を示します。主に、物事の品質、効果、適正などを判断する際に用いられます。これは是非の名詞的用法と似た意味となります。以下に例文をあげます。

1:新製品の発売に先立ち、市場調査を通じてその良否を慎重に評価することが重要です。
2:会議での主要な議題は、経営戦略の変更案に対する良否の判断でした。
3:プロジェクトを精査した後、チームはその実施の良否を決定するために集合しました。

理非(りひ)

理非とは、「正しいか間違っているか」、つまり「正否」や「善悪」に相当する概念を指しますが、特に「理論や論理に基づく正当性」を強調しています。これは、単に一般的な良し悪しを述べるのではなく、論理や道理に基づいた判断を意味することが多いです。以下に例文をあげます。

1:この論文は、社会的な問題に対するアプローチの理非を詳細に分析しています。
2:会議では、提案された方針の理非を根拠に基づいて厳しく検討しました。
3:その歴史的事件について、彼は文献を通じてその理非を深く探究しています。

絶対に

「絶対に」という言葉は、「是非」の副詞的用法と同じような意味で、強い確信や決意、必然性を表します。何かを強く要求する、または何かが必ず起こることを強調する際に使用されます。以下に例文をあげます。

1:このプロジェクトは絶対に成功させなければならないので、全力を尽くしてください。
2:彼女は「絶対にそのコンサートのチケットを手に入れたい」と言っていました。
3:遅れる余地はありませんので、絶対に期限内にレポートを提出してください。

虫眼鏡を持つ男性

(c) Adobe Stock

最後に

「是非」という言葉は、私たちの日常生活やビジネスシーンにおいて欠かせない表現です。その背後にある歴史や意味、さらには類義語との比較を理解することで、より豊かなコミュニケーションを実現することができます。皆さんが「是非」という言葉を使う次の機会には、この記事で紹介した内容を思い出して、より豊かな表現を心がけてみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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