「コミュニティ」の意味とは?
日常生活で耳にしたり、web上で目にする機会も多い「コミュニティ」という言葉。なんとなくニュアンスで理解している人、ふんわりと理解している人が多いと思います。まずは「コミュニティ」の本来の意味を説明します。
意味
「コミュニティ」は、1917年にアメリカの社会学者、ロバート・M. マッキーヴァーが「場所や空間を共有する結合の形式で、地縁による自生的な共同生活」と定義しました。簡単に言うと、「コミュニティ」は地域社会や、居住地域を同じくし利害をともにする共同社会のことで、複数の人が集まって形成されるものです。
このように説明されても、ピンとこない人も多いかと思います。なぜなら、「コミュニティ」の概念は曖昧で、現代では様々な使い方をされ、許容されているのが実情だからです。つまり冒頭で説明した、「ニュアンスで理解」、「ふんわり理解」というのも、もっともなことなのです。
実際に「コミュニティ」がどのような場で使われているのかというと、「地域コミュニティの分断」、「オンライン上のコミュニティ」などが例として挙げられます。「地域コミュニティ」のほうは「コミュニティ」本来の意味で使われていますが、「オンライン上のコミュニティ」となると、地域性を有していないことも多くあります。
もともとは地域社会や地域の共同生活の意味で使われていた「コミュニティ」という言葉。インターネットの普及によって、地域性を持たない「オンラインコミュニティ」が誕生し、本来の「コミュニティ」の持つ「物理的な地域」を有すことなく、人間関係全般を表す言葉と進化したのです。私たちは、この進化の中で生活しているので、「オンライン上のコミュニティ」という言葉も違和感なく受け入れることができているのです。
使い⽅を例⽂でチェック
難しい説明よりも、「コミュニティ」の使い方を例文でチェックしたほうが理解しやすいでしょう。「コミュニティ」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。
1:コミュニティの分断
「コミュニティの分断」という言葉を、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。長く暮らしていた場所や人から離れて、仮設住宅など新しい環境で暮らさなくてはならなくなった被災者にふりかかった問題で、度々ニュースにも取り上げられています。
実際に内閣府が出している心のケアのガイドラインにも、「避難所や仮設住宅等においては、そこでのコミュニティが、強い絆で結ばれるものになるように心がける必要があります」と、その状況を「コミュニティ」という言葉を使って述べています。
ここでは、本来の「地域社会」という意味で「コミュニティ」が使われているのがわかります。
2:コミュニティに参加
SNSといえば、フェイスブックやツイッター、インスタグラムがその主流です。しかし、日本においてITの「コミュニティ」という概念は、2004年に誕生した国産SNS「mixi」で「コミュニティに参加」することによって、広く知られるようになったのではないでしょうか。
「mixi」のヘルプページの「コミュニティとはなんですか?」という質問に対する答えには、「mixiのコミュニティでは、同じ趣味や共通点のあるメンバーと、掲示板を利用して交流できます」という回答が載せられています。ここには地域性は存在せず、同一の趣味や興味を持つ人々の集まりを「コミュニティ」と定義していることがわかります。
ツイッター社も、「同じ趣味や話題を持つ人が集まって議論できるコミュニティ機能『Twitter Communities』を実装した」と発表しましたよね。SNSではこのような形で「コミュニティ」という言葉が使われています。
3:コミュニティで助け合う
「コミュニティで助け合う」という場合には、この「コミュニティ」が地域社会を意味するものか、共通の趣味などで繋がった人々を意味するかは限定されず、その両方に使えるフレーズです。