いまさら聞けない「アンチ」とは?
カタカナで使われる「アンチ」という言葉は、元は英単語の「anti」です。英語と同じような意味で使われるケースも多いですが、ネット上ではより攻撃性の強い言葉として使われている傾向があります。

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意味は「反対」や「対抗」
「アンチ」とは、「反対」「対抗」などの意味を持ちます。例えば、パソコンやスマートフォンなどのセキュリティの文脈で登場する「アンチウイルスソフト」や、反論を表す「アンチテーゼ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。アンチという言葉の後ろに別の単語を組み合わせることで、その単語の反対、対抗を示す場合があり、これがアンチウイルスソフト、アンチテーゼなどの例です。また、アンチという言葉はそれ単体でも用いられ、その場合では、特定の何かを嫌ったり反発したりする者を指します。
語源は?
日本ではカタカナで「アンチ」として浸透していますが、元となる言葉は英単語の「anti」です。カタカナ表記でよく見かける「アンチエンジング」も、れっきとした英単語「anti-aging」です。これだけではなく、接頭語としての「anti」が名詞とセットで組み合わされている英単語は豊富にあります。
ネット用語ではより攻撃的な意味合いに
ネット上では、特定の個人・企業・団体・製品などをターゲットに、掲示板やSNSなどで攻撃的な言葉で叩く行為や、叩く行為をしている人のことを「アンチ」と呼ぶことがあります。しかし用法は多岐にわたり、この限りではありません。何かに対して攻撃的な態度を示す行動や人を、広い意味でアンチと呼んでいるともいえるでしょう。
ネット用語として使われる「アンチ」には、英語での意味や、これまでに日本で「アンチ」として使われてきたニュアンスよりもさらに攻撃的な意味を持つことも。「反対」「対抗」というような単純な意味合いだけでなく、嫌悪感などの感情が含まれ、より攻撃的な言葉として用いられている傾向が見られます。
アンチの使い方と類義語
アンチという言葉は、日本語の中において、英語と同じような意味で使われていることが多くあります。しかし先ほど解説したように、ネット上の話言葉においてはやや攻撃的な意味合いが強まることがある点に注意しましょう。アンチという言葉をどのように使用するのが適切なのか、文法面から解説します。

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形容詞や名詞として使う
辞書を引けば分かりますが、英語の「anti」は、名詞では「反対者」、形容詞として「反対の」、前置詞として「~に反対で」というように、さまざまな品詞として使われている言葉です。日本語の中では、「あの人はアンチだ」などのように単独で使われて、名詞的な用法で見聞きするケースが多いかもしれません。しかし英語においては、名詞だけでなくさまざまな品詞で使われる単語であることを覚えておきましょう。
接頭語としても使える
英語の「anti」と同様に、日本語として浸透した「アンチ」も、接頭語として使われてきた歴史があります。よく聞く言葉は、この接頭語としての用法であるケースが多い傾向にありそうです。例えば、外来語をそのままカタカナにした「アンチエイジング」「アンチテーゼ」などの言葉もその一例です。日本語と組み合わせて「アンチ●●(特定の固有名詞)」など、名詞の頭に付けた表現も長年使われています。