メゾンとアートの関係性
2024年9月25日~2025年1月19日の期間、森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が開催中。ルイーズ・ブルジョワ氏は、インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画などさまざまなメディアを用いて、対極にある概念を芸術作品に落とし込んできたアーティストです。
今回の展覧会に協賛しているゲランは、10月22日にゲランとアートの関係性についてのプレス向けイベント「Guerlain in ART with Louise Bourgeois Exhibition」を開催しました。
Guerlain in ART with Louise Bourgeois Exhibition
このイベントは、トークショーとギャラリーツアーの2段階で構成。トークショーでは、俳優・笠松将さん、『GQ JAPAN』ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントである石田潤さん、森美術館キュレーター・椿玲子さんが登壇しました。
冒頭では、本展覧会に協賛する立役者となったゲラン ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージのアン・キャロライン パラザン氏のインタビュー映像を初公開。ゲランが1828年にパリで誕生して以来、約200年にわたりアーティストへの支援を行ってきたことや、そのクリエイティビティを製品に昇華した変遷について説明しました。
トークショーでは、20世紀を代表するアーティストの一人ともいえるルイーズ・ブルジョワの作品《蜘蛛》(1997年)に使用されているゲランの香水〈シャリマー〉を起点に、数々のアーティストが愛したゲランの香りや、ゲランの香水の魅力などについてのトークが繰り広げられます。
まず、20世紀を代表するアーティストの一人ともいえる、ルイーズ・ブルジョワの作品《蜘蛛》についての話題に。
「嗅覚には魂を揺さぶり、癒す力がある」というルイーズ・ブルジョワ氏の言葉通り、ゲランの象徴的な香水〈シャリマー〉が本作品中で用いられていることについて、森美術館キュレーターの椿玲子さんは以下のようにコメントしました。
椿さん:大きな蜘蛛が檻を守っているような作品の中で、ルイーズ・ブルジョワや家族の所持品が飾られています。本作は、彼女にとって母への、そして家族へのオマージュを表現しています。ルイーズ・ブルジョワにとって、〈シャリマー〉はお気に入りの香りでした。彼女の作品に使用しているのは、記憶や彼女の時間を作品として永久に残したいという気持ちを表しているとも考えられるのでないでしょうか。ルイーズ・ブルジョワにとってはそのくらい、〈シャリマー〉が大切な存在だったと感じ取ることができます。
また俳優の笠松将さんは、直近約一年間の中で香りをまとうようになったのだそう。
笠松さん:香水をつける前は、香水は贅沢品だと思っていました。実際に使用してみると、香水を纏うことで気持ちのオンオフの切り替え、まさにスイッチのような役割を担ってくれている感覚を覚えました。なので、何もない日も香水をまといますし、香水にハマっています。実は、普段僕もゲランの香水を愛用していて、いつも同じ香りを身にまとっているんです。
そして最後は、長年にわたり行っているゲランとアートとの関係性についての話題に。
笠松将さんは、絵も描かれアートに造詣が深いとのこと。ゲランとアートとの関係について以下のようにコメントしました。
笠松さん:200年間近く、アーティストを目先の利益ではなく支援しているのがゲランの素晴らしい点ですね。ゲランと現代アートとの関係性はとてもポジティブで、お互いを刺激しあって、応援しあう、そういった存在だと思います。まさにこれは、自分が俳優として活動する中での、俳優と監督、俳優と作品という関係性ととても似ていると感じています。
また椿玲子さんは、ゲランの行っているアーティスト支援について語りました。
椿さん:素晴らしいとしか言えないと思います。老舗のメゾンが続いていくために、アーティストとコラボレーションすることで、ブランドはアーティストの持つ先見性をインスピレーションの源とし、アーティストはブランドから支援をしてもらう。アーティストの表現を制限しない場合には、お互いにwin-win(ウィンウィン)の関係性ですよね。ゲランからのお話しの中で、3代目ジャック・ゲランがまだ世の中で印象派が受け入れられなかった時代に、自分が作品を買うことでアーティストの支援を行い、自分の作り出す製品へのインスピレーションにしていた、というお話しが印象的でした。
各ジャンルで活躍する面々が参加
会場にはそのほか、アーティストのとんだ林蘭さん、モデル/写真家のモーガン茉愛羅さん、俳優/モデル/イラストレーターの田中シェンさんなども参加しました。
今年だけの特別なコレクションが発売
▲シャリマー ミレジム ジャスミン 50mL 17,710円(税込)
1925年にジャック・ゲランが発表したフレグランス。インドの王室の永遠の愛の物語のエッセンスを表現し、サンスクリット語で「愛の宮殿」を意味する言葉から名付けられたのが〈シャリマー〉です。
永遠の名香〈シャリマー〉からその年だけの特別な香りが登場する「ミレジム コレクション」、今年はシャリマーのはじまりの地であるインドと、ゲランが愛してやまない6つの香りの素材の一つであるジャスミンに敬意を表した〈シャリマー ミレジム ジャスミン〉が限定登場しています。ホワイトチョコレートがパウダリーなヴァニラとムスクによってやわらかな輝きを放つ香りです。
一部店舗*・数量限定発売中
(*森美術館展示会会場、伊勢丹新宿店 本館1階フレグランスコーナー、ラ ブティック ゲラン ギンザ シックス、阪急うめだ本店、日本橋髙島屋S.C. 、大阪高島屋、心斎橋大丸、京都伊勢丹、銀座三越)
ゲラン公式オンラインブティック
「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」公式サイト
※本記事は2024年11月6日に公開されたOggi.jpと同内容になります。