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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2018.10.21

愛情よりも条件を重視!N.Y.でハイスペ婚のはずが、今はシングルマザーになった私〜千田香代さんの場合Vol.2

人生とは喪失と再生の繰り返しのドラマ。「バツイチ」という離婚経験者たちは、ある意味、喪失を乗り越えてなお強く生き、幸せになることをあきらめない人生のサバイバーでもある。バツという離婚経験が、幸せな結末=マルになる日を夢見て。そんなバツイチたちへのインタビュー。

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愛情より条件で選んだ男性とセックスはできるのか!?

恋愛マニュアル本「ルールズ」に則って婚活を進めて来た香代さん。同時並行でデートしていた8人の男性が「競走馬に見えた」というほど、結婚相手を条件で見ていた彼女のお眼鏡に叶う3歳年上の男性と出会ったのは、ハワイでのこと。

>前回の記事はこちらから

お相手は、前回も書いたように、ウォール街で働く金融エリートの中国系アメリカ人、Jさん。帰国後、香代さんは「彼にどれくらの価値があるか見に行ってみよう」と、一路彼の住むニューヨークへ。

香代さん(以下、か)「彼の友人関係を見れば、彼のレベルがわかると思ったんですよね。財力とか家事能力とか全てチェックして、合格かなって。ただ、女性たちはみんな口を揃えて『彼はいい人よ』と言う。でも、じゃあなんでみんなは彼のことを狙わないのかなとは思いました」

さかい(以下、さ)「Jさんのこと、『イケメンではない』とおっしゃっていたけど、外見は香代さんの結婚相手の条件の中では重要ではなかったんですか? 私の場合、歳を取れば取るほど『外見が愛せることも大事だな』って思うようになっちゃったんですけど…」

か「見かけよりも、健康かどうかの方が大事。顔は生理的に受け入れられないとかじゃなければよかったんです。本当は身長は178cm以上が希望だったけど、現実には彼は164cmだったのでそこだけは妥協しました」

「恋愛のときめきの先に結婚がある」とバツイチの今でも思っている私に対し、香代さんは「科学的にも、愛は4年で冷めると言われている。だから結婚は相手の収入が高ければ幸せ。生活のゆとりがあれば、その中で好きなことをすればいいんだもの」と、なんとも現実的な考えを持っていたそう。

だけど下世話な話で申し訳ないのですが、「条件で結婚相手を決めた人って、セックスのときどうしているんだろう?」というのが私の素朴な疑問。

だって多少なりとも相手にときめく要素があるからこそ欲情するわけで(―ですよね?)。ワンナイトならまだしも、結婚したらその相手と生涯ずっと夜を共にしないといけないなんて、苦痛にならないの??

か「そうですね…。ニューヨークに会いに行ったときに彼と初めて関係を持ったのですが、とにかくずっと天井を眺めてたのを覚えてます。セックス自体は問題ないのですが、キスが嫌だった。むしろセックスの方が、別に嫌じゃないという感じ。だから離婚した今、これだけは言えます。キスが嫌だと感じる相手とは、絶対に結婚しちゃダメ(笑)!」

「やまとなでしこ」婚の頂点はニューヨークで披露宴

―その後東京に仕事で来たJさんにプロポーズされるも、「ルールズ」の教え通り一度目は断った香代さん。そんな彼女を追いかけて、当時香代さんが住んでいた大阪まで彼が追いかけてきて、リッツカールトン・ホテルで二度目のプロポーズ。「ルールズ」通りの二度目のプロポーズを断る理由は、香代さんにはなかったのです。

それから一年後に行われた披露宴の会場は、ワールドトレードセンター最上階の107階にある「世界でいちばん高いところにあるレストラン」。

か「当時流行っていたドラマ『やまとなでしこ』でも、松嶋菜々子演じるヒロインの桜子が最後に愛する人と結婚して暮らすのがニューヨーク。だからその場所で披露宴することが、自分の人生を完璧に演出することのように感じました。私の人生のゴールはここだったんだわ、と」

ただし撮影代は100ドルでスーパーの掲示板で募集したカメラマンにお願いし、ドレスは友人のお下がり、ブーケは手作り。

さ「ん? セレブ婚なのに、随分とつつましい内容なのは何故?」

か「生活の安定のためにお金がある人と結婚はしたいけど、自分にお金をかけたいという欲求があるわけではなかったので。無駄なお金を使うくらいなら貯金した方がいいと思うタチなんです」

どこまでも合理的で無駄を嫌う香代さんらしい披露宴だったというわけですね!

モラハラ男性と結婚してしまう女性たちの共通点

さて、23歳で婚活を始めて、マンハッタン在住のハイスペ男性に3回目のデートでプロポーズされ「25歳までにエリート男性と結婚する」という目標を達成。これだけ聞くと夢のようなシンデレラストーリーですよね? ―でも待ってください、皆さん!これ、モラハラ男性を見抜くための重要なキーワードが全部凝縮された話なんですよっ!!

・結婚適齢期など周りのプレッシャーに惑わされ
・結婚することがゴールになってしまい
・その人の本質ではなく表面的な「条件」だけを見て
・出会ってすぐに結婚を迫る「ハイスペ男性」と結婚

 –今まで出会った、モラハラ夫を見抜けぬまま結婚してしまい、不幸な結婚生活に苦しむ妻たちの話、ほぼすべてに当てはまるのが上の条件なのです。

か「今思えば、プロポーズを断ってもガンガンアプローチして来たのは、アスペルガー気味だったからなんですよねぇ。それを完全に『愛されてるから』だと勘違いしてました」

そう。この結婚は、「条件のいい男性と結婚したい」という香代さんのニーズと、モラハラを隠すために交際期間をすっ飛ばしてさっさと結婚してしまいたいというJさんの思惑が見事に合致した上で成立した結婚。

挙式前日の香代さんの友人が開いてくれたバチェロレッテ・パーティ(独身最後を祝うために花嫁と女友達で集まるパーティのこと)に怒り狂い、ホテルの壁を壊してしまったJさんに対しモラハラやDVを疑いもしなかったというエピソードからも、よく知りもしない相手と焦って結婚を決めてしまうことの危うさを感じます。

か「『ルールズ』の魔法が効きすぎちゃったわ、と思ってました(笑)。ヤバいですよね、私…」

その後18年間に渡る香代さんの華麗なるセレブな結婚生活と離婚してシングルマザーになるまでの顛末は、次回に続きます。

インタビュー

千田香代さん

1973年生まれ。恵比寿の脱毛サロン「REINE」オーナー。子供のための渋谷区体操サークル「なないろ」を運営するほか、30代女性のためのパーソナル・ブランディング・プロデューサーとしても活躍している。スタジオジブリ・プロデューサー鈴木敏夫さんのラジオ番組にも出演し、バツイチであることを番組内で初めて公表した。心身ともに「すっぴんの本音人生」がモットー。REINE(美肌&顔脱毛サロン) DUCE(パーソナルブランディング)

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

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