違和感のある彼の実家。だけど結婚してしまった理由
資産家の本家の息子と結婚するために身上書を書かされ、向こうの父親には「うちの嫁になったらわがままは一切禁止」と宣言された美智花さん(推定美人)。
身上書を書くだけでも屈辱だと感じていたはずのプライドの高い彼女が、なぜそんな実家を持つAさんと結婚してしまったのでしょう。
前回のお話▶︎資産家の息子と結婚!実はギャンブル依存症のヤバい夫だった件
普通、こんな話をしたら親が止めますよね?だけど憤慨する美智花さんに、両親はこう言ったのです。
「あなたは今まで好き勝手やってわがままな性格に育ってしまったから、こういうお家の人と結婚して、その性格を直しなさい」。
美智花さん:たしかに私はわがままなところがあるので、親にそう言われたら、「あれ?そうなのかな、私がおかしいの?」って、何だかわからなくなっちゃって。身上書のことで親に嫌な思いをさせてしまったという引け目もあったと思います。なんか変なスピリチュアルモード入っちゃったっていうか、「これは神様が私に与えた試練で、我慢して克服しなきゃいけない課題なのかもしれない」って思い始めちゃったんですよね。
さかい:あ〜〜〜〜〜!!! そういう感覚、ものすごくわかります…!
と、同じくのびのび育ってしまい、わがままな性格だと自覚のある私はここでめっちゃ共感。というか、私じゃなくても、人ってたまにこういう、よくない方向に努力しちゃうときがありますよね。本当はしなくていい苦労だったりするのに。それが「魔が差す」というやつなんでしょうか。
そもそも身上書の一件と挨拶のときの「嫁になるのだから」発言で、向こうの実家とは合わないと気づいていたはずなのに、美智花さんは自分の両親の戒めの言葉に流されてしまい、あとからとんでもない地雷男だと判明するAさんと結婚してしまったのです。
結納も結婚式もすべて向こうの両親の意見を聞かないといけないために、その度に彼とはケンカ。
美智花さん:みんなはもっとカジュアルな感じで結婚してるのに、私はいちいちめんどくさい手順を踏まなきゃいけない。ストレスで友達に愚痴っても、「特殊な家だね〜。だけどそんなお金持ちの実家と結婚するなんてうらやましい」と言われるし、彼の前で私が泣いても、向こうの親の前では何も言ってくれないんです。
さかい:そういうご実家だと、やっぱり最初から同居が前提だったんじゃないですか?
美智花さん:向こうの両親は「うちの敷地に住むなら全部やってあげる。でも同居しないなら知りませんよ」って。だけど当時は私の職場が彼の実家から遠かったので、それを口実に、最初は中間地点に住んだあと、彼の実家の近くにアパートを借りました。それでも、すべての祝日や行事ごとに、本家の彼の実家に親族一同で集まって、しかも男女でテーブルが違うという、あからさまな男尊女卑の一族でした。
本家の長男ではなく、3人兄弟の真ん中だというのにコレ。資産家の息子と結婚するのも、苦労があるんですね…!
そしてこの後、さらなる悲劇が美智花さんを襲うのですが、そのお話は次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。