経営者の夫と再婚し、トロフィーワイフに
アメリカの大学卒業後、就労するビザ取得のためにアメリカ人彼氏と入籍した佳菜子さん。その後2回結婚と離婚を繰り返したのでバツ3になるのかと思いきや、「日本では入籍していないので、戸籍上はバツ2」とのこと。
佳菜子さん:なので私がバツ3だということは、ほぼ誰にも言ってません。アメリカで籍を入れたのは23歳くらいのときでしたが、一緒に暮らしているけれど家事も家計もきっちり折半していたので、結婚という意識はありませんでした。
一時は「日本を捨てる」という覚悟で、アメリカの大手IT企業に就職した佳菜子さんですが、その約3年後にはアメリカで大学を卒業でき、大手IT企業で数年勤務できたという達成感があって「もうアメリカはいいや」と思ったそう。そしてアメリカの拝金主義に嫌気が出た(例: 高い弁護士を使えば犯罪を逃れる事ができるOJシンプソンなど)と気づき、日本に好きな男性ができたことをきっかけに、アメリカ人夫には「日本に帰ってくるね」と告げたまま、彼の元を去ってしまいます。
さかい:えっ。正式に離婚せず、家出同様に別れてしまったってことですか? でも、そんなことしてアメリカの戸籍は大丈夫なんですか?
佳菜子さん:彼はめちゃめちゃ怒ってたみたいですけどね(笑)。向こうは仕方ないので行方不明届というのを提出して、一定の期間が過ぎても私が見つからなかったので自動的に離婚できたようです。私はその後、普通にアメリカに旅行したりしているので、特に問題はなかったです。結婚したときに仮のグリーンカードを取得したのですが、あのときにちゃんと永住権のあるグリーンカードを取っておけばよかったかな、と思うことはありますね。
日本に帰ると、その、好きになった人と交際後、2度目の夫となる経営者の男性、Aさんと出会います。
佳菜子さん:7歳年上のAさんは、家業を継いだ自由人。外見はタイプではなく、最初は全く興味がありませんでした。
Aさんはとにかく知り合いが多くて、毎週都心部のタワーマンションにゲストを100人くらい招いては、パーティをしていたそう。Aさん自身は見た目も性格もおとなしい感じだけれど、周りにいる人々が面白くて、佳菜子さんはAさんと一緒に過ごすことで刺激を受けていました。
佳菜子さん:彼が勉強しているある宗教があって。「神は自分の中にいる」というのがその宗教の理念なんです。彼に「君は頭もいいし美しいしたくさん美点を持っているけれど、唯一足りないのはスピリチュアリティ。もっと精神性を高めたほうがいい」と言われて、そんな彼のスピリチュアル性に惹かれて結婚を決めました。
毎週パーティを開くような男性との結婚はさぞかし大変なのではと思いきや、裕福なAさんとの結婚生活では、佳菜子さんはトロフィーワイフとして自慢できればいいだけの存在。家事やパーティの準備はすべて、Aさんの取り巻きの売れないアーティストの人などがやってくれ、佳菜子さんはクレジットカードを渡され、毎日遊び歩いているだけでいいという生活だったとか。
「なんてうらやましい身分!」と思ってしまったのですが、その結婚生活を佳菜子さんは、約1年で自ら手放すことになります。
その詳細は次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。