離婚してから異性に求めるものが大きく変化？
44歳の果穂さん（仮名）は、20代後半で結婚し、30代半ばで離婚を経験しました。離婚後しばらくは「もう結婚も恋愛も懲り懲り」と考えていたそうですが、40代を目前にしてから「恋愛くらいならいいかな」と心境に変化が訪れたそうです。しかし40代になってからの恋愛は満足いく関係が築けずに苦戦。その原因のひとつに“自身の恋愛観の変化”があると感じ、悩んでいるとのこと…。
「30代後半になり、娘もほとんど手がかからなくなったので、そろそろ恋愛しようって思って出会いを求めるようになりました。だけど、離婚の原因が夫のモラハラだったせいなのか、以前よりも男性を信頼できなくなっている自分がいることに気づきました。
もう完全に自分の中で夫との結婚生活は過去のことになっているし、いい恋愛をしたい！という気持ちは強いのに、出会う男性との価値観の違いを少しでも感じてしまうと、それだけでスーッと私の気持ちが冷めちゃうのです。離婚してからまともに恋愛ができていませんが、これって私自身が異性に求めるものが変わってしまったのかなぁって思い、ちょっと困っています」
以前は「好き」だと思ったら相手を信じ、互いに傷つけあってでも思ったことを言い合う関係を大事にしてきたという果穂さん。しかし最近の恋愛では「ぶつかるだけ無駄かも」と思ってしまい、気持ちが冷め始めた時点で自分のほうが相手へのガードを強めてしまい、そのうちにギクシャクして関係が終わる…という展開が多いそうです。
「結婚」につながらない恋愛の価値を模索する日々
シングルマザーとして娘を育てる果穂さんは、恋愛欲はあっても「結婚」となると話は別だと話します。
「しばらくは結婚するつもりはありません。同棲まではアリかなと思っていますが、まだそこに至るまで関係が成熟した相手も出てきませんね。
恋愛だけは20代の頃のように情熱的に楽しみたいけれど、そう言いつつも自分自身では過去の結婚生活での落胆とか苦悩とかが影響して、男性を信頼しきれなくなっているし。それに、このところ出会う男性って“婚活”を視野に入れている人が多くて、私みたいに“まずは恋愛だけ”って望んでいる人との出会いそのものも少ないんですよね。“結婚につながらない恋愛ならしたくない”って感じの婚活ガチ勢からは最初から相手にされなくなるし、なんだか色々うまくいかないなぁ…って」
果穂さんは「結婚は恋愛の延長にある」と考えているので、40代であっても“結婚ありき”の交際には抵抗が強いとのこと。その価値観には自信があるそうですが、出会う相手との温度差を意識させられるために今後恋愛をしていくことができるのか、自信がなくなってきたそうです。
「恋愛を求めてもうまくいかないって友人に話すと、結構な割合で『40代だしね』って返ってきます。でも恋愛に年齢は関係ないって、私は内心では反発していますね。確かに自分自身、20代のときと比べると40代の今は恋愛観が変わっていますが、私と同じような考えの男性もどこかにいるはずって信じたいんですよ。夢物語なのか、現実になるかわかりませんけど…。このまま恋愛から遠ざかってしまって、気づけば歳だけ重ねていたというのだけは避けたいのに、そうなりそうで怖くなります」
40代での異性との出会いは、いわゆる結婚を急いでいる婚活ガチ勢が多いのも確かです。「結婚前提」としたほうがわかりやすいゴールが設定されているので、恋愛に意欲的になれる男性も少なくないのかもしれません。一方、離婚を経た人の多くは「もう同じ思いはしたくない」という心境から、相手選びに慎重になることも。しかし恋愛は不思議なもので、熟慮しようと勢いに乗ろうと結果はさほど変わらないことも多いので、40代の恋愛は思っている以上に“頭で考えすぎないこと”も大切なのかもしれません。
取材・文／並木まき
