【目次】
やっても感謝されにくい「名もなき家事」の実態をアンケート調査
家事というと「料理」「掃除」「洗濯」を思い浮かべることが多いですが、実生活の中には、その3つにカテゴライズされない、名前もつかないほど細かい家事がたくさん存在します。たとえば、替えのシャンプーをボトルに詰め替えるというような簡単だけれど意外と面倒な家事。細かい作業ゆえ、いくらやっても家族に感謝されにくく、後回しにすることで負担が増えてしまうことも。そこで、この報われることなき家事の実態に迫るべく読者417名に「名もなき家事」といえば何を思い浮かべるか、どんな負担があるかなどを聞きました!
約7割の人が「名もなき家事」というワードを認識していた
まずは「名もなき家事」という言葉がどれくらい認知されているかをリサーチ。読者416名にアンケートをとったところ、全体の約71%の人が「知っている」と回答しました。本やSNSで話題になったこともあり、認知度は高いようです。一方、「知らない」「聞いたことはあるが意味はよくわからない」と答えた人は合わせて約29%でした。
現状、「名もなき家事」を負担する割合は圧倒的に「妻」が多い
家庭内でだれが負担するか揉めることも多い「名もなき家事」ですが、今回は約77%の人が「妻」と回答。細かい家事の担い手は「妻」である場合が多いようです。しかし、アンケート回答者に共働き家庭が多いこともあり、「ふたりで半々」という答えも約14%と目立ちました。「その他」には、両親と一緒に暮らしていて実母、実父が協力してくれたり、子供(特に娘)と分担しているケースなどが含まれます。
実に77%の人が「名もなき家事」を負担に感じていた
「名もなき家事を負担に感じるか」という質問に対しては、 全体の約77%の人が「はい」と答えました。その理由は、細かすぎてやってもまわりに気づかれにくいことや、終わりのないエンドレスな作業であること。また、家事としてみなされていないのかやっていることに対して気づいていない場合も多く、家族からの感謝や気遣いがないことへの不満も散見されました。
「名もなき家事」を負担に思う理由
・「ありがとうもいわれないし、やっても気づかれない」(大阪府・40代・パート)
・「やらなければ困るが、やっても達成感を感じにくい」(神奈川県・40代・会社員)
・「夫に代わってもらいたいが、やり方を説明するのもめんどうで結局自分がやるはめになる」(長野県・40代・会社員)
・「それぞれは小さな作業だけれど、定期的にやらないと溜まって大きな作業になる」(岐阜県・40代・パート)
読者が選んだ「名もなき家事」TOP5はこちら
ここからは、今回のアンケートで多かった「名もなき家事」をランキング形式で紹介していきます。さらに、家族に物申したい「妻のひと言」も一緒に発表。溜まりに溜まった心の叫びがどうか家族に届きますように!
5位|ダンボールや古紙をまとめる
ネットショッピングの機会が増えた昨今、ダンボールを潰してまとめるのもひと苦労。力のいる作業ですし、紐やテープでグルグル巻いて決められた曜日に出すのは意外と大変です。同様に古紙も回収日が少ないため、決められた日時を逃さないように管理能力が求められます。
<妻の心の叫び>
・「やってもらってあたり前と思わないように細かい家事をすべて列挙して分担制にしたい」(新潟県・50代・会社員)
・「手伝ってくれなくても、せめて感謝してほしい」(広島県・40代・専業主婦)
4位|麦茶づくり
夏は特に、家族全員分のお茶をつくって補充するの作業が連日続きます。お湯を沸騰させて冷ましてから冷蔵庫に入れるとなると時間も手間もかかるのに、夜にはもう底をついてしまう麦茶。「お茶ないよー」という夫の能天気な声に、イラッとしてしまうことも。
<妻の心の叫び>
・「ちょっとだけ飲み残してまだある雰囲気出すのはやめて欲しい」(愛知県・30代・会社員)
・「最後の一杯を飲む人にがだれであっても、結局私が次の麦茶をつくるはめになる」(京都府・30代・自営業)
3位|ペットボトルのラベル剥がし
地味に手間がかかるのがこの作業。剥がしやすく切りめが入っている飲料はまだいいですが、たまにあるどこから剥がせばいいのかわからないペットボトル! ハサミで切り込みを入れないと剥がれないものは本当に面倒です。飲んだ人が自分で剥がせばいいのに、ポイッとそのまま捨てられるとストレスもどんどん蓄積。
<妻の心の叫び>
・「何度も『自分でやって』というのもストレス。自発的にやってくれ!」(東京都・50代・会社員)
・「本当にきりがない。時間的にも作業的にも気もち的にも負担」(埼玉県・30歳・会社員)
2位|ゴミ集めとゴミ袋のセット
ゴミ出し=ひとつにまとめられたゴミを出しに行くこと、と勘違いしている人も多いですが、実際には各部屋からゴミを集めてひとつにまとめるという手間のかかる作業が先にあります。さらに、ゴミ箱に新しいゴミ袋をかけるのがまた面倒! でも、ここまで一気にしておかないと後が大変です。筆者の家でも、夫がゴミを捨ててそのままにしていたところ、子供が何も考えずにお菓子のゴミをポイッと入れてしまうことが多々あります。そのたびにキーッとなっています。本当になんとかならないものかと常々思っている次第です。
<妻の心の叫び>
・「家族のだれかがやれば済むことなのに、いつも自分だけがさせられている」(三重県・50代・パート)
・「せめてごみの分別は個々でしてほしい」(奈良県・40代・会社員)
1位|消耗品の管理
消耗品の中でも特に多かったのが、シャンプーなどの詰め替え作業。環境に配慮して、ボトルにシャンプーやボディソープを詰め替えて使う家庭が増えましたが、その作業がまさに「名もなき家事」! 自分が使いたいときに限って切れていたり、お風呂から上がった家族に「シャンプー切れてたよ」と文句を言われることも。次に多かったのがトイレットペーパーの補充。簡単な作業ではありますが、毎日毎日新しいトイレットペーパーに変えたりストックをチェックするのは大変ですよね。
<妻の心の叫び>
・「使っている消耗品が自分の番でなくなったら、その都合、補充して欲しい」(大阪府・50代・自営業)
・「休日にまとめてできることならいいけれど、消耗品の詰め替えは時間を選べず、忙しいときに限ってなくなるのがストレス」(東京都・40代・会社員)
・「気づいた人がやればいいと思うが、何度教えても夫はストックの収納場所を覚えない」(京都府・40代・専業主婦)
他にもこんな「名もなき家事」が!
- 裏返しの洗濯物を元に戻す
- 排水溝の掃除
- 洗濯機の埃取り
- 保育園や小学校の持ち物を準備する
- カレンダーのページめくり
- 子供とのお出かけ先を考える
- 粗大ゴミの申込み
- ポストのチラシ片づけ
- 製氷機に水を入れる
- 毎朝、子供の水筒に水を入れる
- 洗面台まわりの水跳ねを拭く
裏返しの洗濯物については、「たまになら許せるけれど毎日続くと我慢ならない。家族の思いやりがあれば『名もなき家事』はだいぶ減ると思います」(長野県・40代・会社員)という声も。確かに洗濯する人のことを考えれば、脱いだままの服や靴下をそのままポンッと洗濯機に放り込むことは減るはず。そしてこれはすべての家事に共通して言えることでもあります。
「名もなき家事」の負担を減らすためにしていることは?
次に、細々とした家事の負担を減らすために心がけていることや家事の工夫を聞きました。
「消耗品は、毎月1日にできるだけ交換や詰め替えをするようにしている」(福島県・40代・会社員)
「家族にその都度言う。たとえば洗濯のとき、家族みんなの靴下を裏返すのは大変だから、脱ぐとき必ず直してから出してと伝えるようにした。そのせいか、少しずつ改善されてきたような・・・」(長野県・40代・会社員)
「タオルはキッチンやトイレのすぐ近くに置くなど工夫し、できるだけ動線を短くする」(宮崎県・30代・公務員)
「詰め替えが面倒なので、洗剤は液体ではなく粉タイプを買う。食器用洗剤などはなくなってから補充するのではなく、時間に余裕があるときに前もって補充しておく」(東京都・40代・会社員)
「家電はなるべく新しいものを取り入れる」(福岡県・30代・パート)
「ペットボトルやプラ包装の食品はゴミの量がすごいので買うのを控える」(埼玉県・30代・会社員)
「溜め込まないよう作業をルーティン化する。考える前に手を動かしてしまう」(千葉県・50代・パート)
「消耗品の買い出しなどは、スマホの共有メモに書き込み夫にも覚えてもらう」(茨城県・40代・専業主婦)
「子供には『ティッシュがなくなったら箱をつぶして新しいのを出してね』と小さいころから仕込んでいる」(愛知県・50代・パート)
「夫婦で分担する。お互いやってもらったときにはお礼を忘れない」(兵庫県・40代・会社員)
「ゴミ箱の底にストック用のゴミ袋を入れておき、セッティングの手間を省く」(新潟県・30代・会社員)
「『名もなき家事』をホワイトボードに書き出して見える化し、家族にも意識してもらう」(香川県・20代・会社員)
みなさん、負担を少しでも減らそうとさまざまな工夫をされているようです。「名もなき家事」を負担に感じる原因のひとつに「感謝されにくい」という点があるので、家族が協力してくれたときはそれぞれが「ありがとう」と、素直に感謝の気持ちを伝えられることが「名もなき家事」への小さなストレスを解消するポイントとなりそうです。
【アンケートの調査概要】
調査方法:小学館IDによるアンケート
調査人数:416人
調査期間:6月28日~7月7日
TOP画像/(C)AdobeStock
構成/木戸恵子
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