フォーマルとは?
フォーマルと聞くと、ビジネススーツのような服装を思い浮かべる人は多いかもしれませんが、その他にもさまざまな装いがあります。フォーマルの詳しい意味や役割についてみていきましょう。
フォーマルとは「正装」のこと
フォーマルとは、改まった場面で着用する正装のこと。TPOに応じた適切な服装を選ぶことで、周囲への配慮と自身の品格を表現できるとされています。
英語の「formal」と同様に、日本語でも「正式な」「儀礼的」「形式的」などの意味で用いられる言葉です。
[形動]正式なさま。公式なさま。形式的。儀礼的。「—な会合」⇔インフォーマル。
[名]「フォーマルウエア」「フォーマルスーツ」などの略。「—を着こなす」
引用:小学館 デジタル大辞泉
フォーマルな装いが求められる場面は、ビジネスシーンや冠婚葬祭、子どもの入学式や結婚式などです。
その場の雰囲気に合わせた衣装を整えることは、行事やイベントの格式を保ち、参加者への敬意を示す重要な役割を担っているといえます。
ドレスコードについて
特定の場面で求められる服装の規定のことを、ドレスコードといいます。結婚式や葬儀などの儀式的な場面では、主催者が参列者に対して適切な服装を指定することがあります。
たとえば、パーティーの招待状に「セミフォーマル」と記載があれば、男性はダークスーツ、女性はワンピースやスーツなどの上品で落ち着いた装いが適切な服装といえるでしょう。
晴れの場にふさわしい装いで参加することで主催者への敬意を示し、場の雰囲気を大切にする配慮ができます。招待状や案内状に記載されたドレスコードをしっかりと確認し、場面に応じた装いを選ぶことが重要です。
フォーマルの種類
フォーマルは大きく3種類に分けられ、それぞれ必要とされるシーンが異なります。種類ごとに必要になる場面や服装の例などを紹介します。
モストフォーマル
モストフォーマルとは結婚式や叙勲式など、厳かな場面で着用される最も格式の高い「正礼装」のこと。皇室関連の行事や外交儀礼、結婚式の主役など格式の高い場面で着用します。
女性の場合、ロングドレスやフォーマルなワンピースドレスが当てはまります。お祝いの席では華やかな色合い、喪に服すシーンでは黒が適切です。装飾は控えめにし、品格のある装いを心がけます。
男性の正礼装は、燕尾服やモーニングコートなど。昼の礼装はモーニングコート、夜の正装は燕尾服と使い分けるとされていますが、近年では時間帯を問わずモーニングコートを着用するケースもあるようです。シャツは白のウイングカラーシャツを合わせ、蝶ネクタイやベストなども正式なものを選ぶ傾向にあります。
セミフォーマル
セミフォーマルとは、モストフォーマルの次に格式が高い「準礼装」のことです。女性の場合、膝丈や膝下のワンピースドレスやスーツが該当し、入学式や卒業式、結婚式の参列時などに着用します。
色味は、ネイビーやグレーなどの落ち着いた色合いを基調とし、上品な印象に。アクセサリーは控えめに取り入れるのがポイントです。
男性の場合は、ネイビーやグレー、ブラックなどダークスーツが一般的で、白いシャツを着用します。ネクタイは、シルク素材の無地やストライプなど、落ち着いたデザインが基本です。
セミフォーマルはビジネスの重要な会議や記念パーティー、食事会などの場面でも活用できます。シーンに応じてアクセサリーやバッグなどの小物を使い分け、フォーマル度を調整するとよいでしょう。
インフォーマル
インフォーマルとは、格式が緩やかな「略装」のことです。七五三・食事会・観劇・二次会などカジュアルな場面で着用します。ただし、あまりにもカジュアルすぎる服装は避け、TPOに配慮した上品さを保つ必要があるといえるでしょう。
女性が着用するのは、ワンピースやセパレートスタイル、パンツスーツなどです。色やデザインの選択肢が広く、個性を表現しやすいといえます。
男性の場合は、ブラックスーツやジャケットスタイルが基本です。ビジネススーツやブレザーにカラーシャツを合わせるなど、やや自由度の高いコーディネートが可能です。
インフォーマルは日常的な社交の場面で活用できますが、格式が高い結婚式や葬儀などの場には向いていないケースがほとんどといえるでしょう。
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シーン別の着こなし例
入学式や結婚式などの人生の節目の行事ではフォーマルウェアを着用することも多いですが、最も重要なのはシーンに合わせた服装を選択することです。
フォーマルな装いが求められるシーン別に、女性の服装の着こなし例を紹介します。
結婚式や格式高いパーティー
結婚式の主催者側になったときや、格式の高いパーティーなどで服装の指定があった際は、モストフォーマルの装いが求められるでしょう。
女性の場合、ロング丈のドレスやフォーマルなワンピースなどがあげられます。昼は肌の露出が少なく光沢が控えめなもの、夜は光沢のある素材や上品な刺繍が施されたデザインなどが適しているでしょう。
アクセサリーは、パールやダイヤモンドを使った上質なものがおすすめです。靴はヒールの高いパンプスを合わせ、バッグは小ぶりのクラッチバッグやハンドバッグを持つ傾向にあります。
ショール類は、昼に肩が露出するドレスを着用する場合に役立つアイテムです。素材は、シルクやサテンなどを選びます。全体的なコーディネートとして、品格と華やかさのバランスを意識することが重要です。
入学・卒業式やカジュアルなパーティー
入学・卒業式や食事会、カジュアルな結婚パーティーなどでは、セミフォーマルが適しているケースが多いでしょう。スーツやワンピースを選ぶ際は濃紺やグレー、ベージュなどの落ち着いた色味を選ぶのが一般的です。
ジャケットは、テーラードやノーカラーなど、シーンに合わせて選択できます。スカートは、膝丈のタイトスカートやAラインスカートが適しており、パンツスタイルも広く許容される傾向にあります。
アクセサリーはパールのネックレスや控えめなイヤリングなど、シンプルなものを心がけましょう。バッグは装飾を抑えたシンプルなもの、靴は5cm程度のヒールの上品なパンプスがおすすめです。
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二次会や七五三などのお祝い
二次会や七五三などのカジュアルなお祝いでは、格式を意識しすぎる必要はないでしょう。華やかさを残しながらも、動きやすさを重視したインフォーマルな装いがぴったりといえます。
ワンピースやセットアップの場合は、パステルカラーや明るい色味を取り入れられることも可能です。素材は、光沢のある生地やレース使いなど、華やかさのあるものを選ぶのもよいでしょう。
アクセサリーは、上品さと華やかさのあるものを取り入れるのがおすすめです。靴は服装との統一感を意識し、歩きやすいものを選択します。
バッグのサイズや形に決まりはありませんが、フォーマルすぎず、かといってカジュアルすぎない、バランスの取れたものが向いています。
フォーマルのマナー
フォーマルシーンに求められる服装のマナーにはさまざまなものがあります。特に注意したい点を見ていきましょう。
時間帯によって服装を変える
フォーマルウェアは、時間帯によって着用ルールが異なる場合があるため、招待状に記載された開始時間をしっかりと確認することが大切です。
アフタヌーンドレスなどのフォーマルウェアは、朝から夕方くらいまでの時間帯に着用します。パステルカラーやベージュ、グレーなどの柔らかな色合いを選ぶと、昼の光に映えて上品な印象を演出できるでしょう。
夜のフォーマルは夕方以降です。ネイビーやブラックを基調とした深みのある色合いで、スパンコールやビーズなどの装飾が施されたドレスは、夜の雰囲気と調和します。
特に結婚式では、昼と夜で参列者の服装の印象が大きく変わるケースも。昼の結婚式では明るく華やかに、夜の結婚式や二次会では艶やかでエレガントな装いがおすすめです。
「平服」はインフォーマルで
「平服」という指定は、一般的にインフォーマルな服装を意味します。たとえば、きちんと感のあるパンツスーツやスカートスーツ、ワンピースなどの服装が適しているといえるでしょう。
ただし、デニム・Tシャツ・スニーカーなどのカジュアルウェアや、露出が多すぎる服装はふさわしくありません。色味は、ネイビーやグレー、ベージュなど落ち着いた色調がおすすめです。
アクセサリー・バッグ・靴は華美な装飾を避け、シンプルで上質な素材のものを選ぶと品のある装いに仕上がります。TPOをわきまえた装いを意識することで、周囲への配慮と自身のセンスのよさを表現できるでしょう。
メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock
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