まずはドレスコードについて知ろう
「ドレスコード」という言葉を耳にしたことがあっても、明確な意味が分からない人もいるかもしれません。そこで、意味や重要性を紹介します。
場所やシーンに合わせた服装のルール
ドレスコードとは、場所やシーンに応じた服装の基準やルールです。パーティー会場や高級レストランなどにおいて、その場にふさわしい服装規定として定められています。
ドレスコードは、耳にすることの多い「フォーマル」だけでなく、複数の種類があります。
なお、パーティーなどでは主催者から独自のドレスコードが指定されるケースも。たとえば、「ピンク色の服装」「80年代風の服装」などです。
ドレスコードの重要性
ドレスコードを守ることは、その場の雰囲気を大切にし、主催者や参加者への敬意を示す重要なマナーといえます。適切な服装を選ばないと、周囲に不快な思いをさせてしまう可能性も否定できません。
たとえば、格式の高いレストランではドレスコードが設定されており、Tシャツやデニムなどのラフな服装は避けるべきとされています。
ドレスコードが不明である場合は、主催者に確認したり、会場のWebサイトで雰囲気を確認したりするのも一つの方法。その場に適した服装を心掛けることが大切です。
インフォーマルはどんな服装?
ドレスコードにインフォーマルが指定される場面はさまざまです。具体的にどのような服装を指すのか、男女別に紹介します。着用されるシーンについても見ていきましょう。
インフォーマルの男女別の服装例
インフォーマルは「略礼装(りゃくれいそう)」とも呼ばれており、「正礼装」ほど堅苦しくなく、カジュアルすぎない服装です。
インフォーマル【informal】
[形動]公式でないさま。形式ばらないさま。略式。「—な会合」⇔フォーマル。
引用:小学館 デジタル大辞泉
男性の場合は、ダークスーツが基本となります。黒やネイビー、チャコールグレーのスーツに、白シャツとネクタイ、革靴を合わせるのが一般的です。
女性の場合は、カジュアルなパーティードレスやワンピースなどが該当するでしょう。スーツを着用することも可能ですが、ビジネス感の強すぎないエレガントなスーツを着て、ヒールのあるパンプスを履くケースが多い傾向にあります。
インフォーマルを着用するシーンの例
インフォーマルは、昼夜を問わず着用可能なこともあり、ドレスコードに指定されることの多い服装です。たとえば、格式ばらない結婚式や披露宴などのイベントに、ゲストとして招待されたときなどに着用するケースが挙げられます。
七五三やお宮参り、習い事の発表会など、子どもに関わるイベントにも適した服装といえます。高級レストランでの食事会などでも着用され、幅広いシーンで活躍する服装です。
ただし、一口にインフォーマルといっても、披露宴とお宮参りでは適した服装が異なります。その場に合わせた装いをすることが大切です。
インフォーマルを着用時のポイント
インフォーマルな服装を選ぶ際は、いくつかの重要なマナーのポイントと基準があります。守るべき基本的なルールを把握しておきましょう。また、結婚式の招待状などに「平服」と記載がある場合の装いについても紹介します。
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インフォーマルのマナー
まずは、相手や場面に配慮した装いを心掛けることが重要です。デコルテラインが深すぎるトップスや、ミニ丈のスカートなど、露出度の高い服装は避けましょう。
靴は、サンダルやスニーカーではなく、ヒールのあるパンプスを選択するのが通例です。ストッキングは肌色を基本とし、派手な柄物は控えましょう。バッグは、大きなトートバッグやリュックサックではなく、小ぶりなハンドバッグが望ましいとされる傾向にあります。
アクセサリーは控えめに取り入れ、派手な装飾品は避けるのがベター。特に結婚式の二次会では、新婦の装いを意識し、同じようなアクセサリーの使用は控えるのがマナーです。
時間帯によって、服装の基準が変わることにも注意が必要です。ランチタイムは比較的カジュアルな装いでも問題ありませんが、ディナータイムはより品のある服装が求められることがあります。
平服を指定された場合はインフォーマルで
結婚式の招待状で「平服でお越しください」という記載を目にすることもあるでしょう。平服という言葉のイメージから、普段着を想像する人もいるかもしれません。しかし、実際は「略礼服」を指しており、インフォーマルな服装を意味します。
結婚式の場合、女性はワンピースやセットアップを選び、ベージュやネイビー、淡いピンクやブルーなどの上品な色合いを取り入れます。男性は、ダークカラーのスーツに白いワイシャツ、白やシルバーのネクタイが一般的です。
インフォーマル以外のドレスコードの種類
その他の主なドレスコードについて紹介します。それぞれの意味や服装例などの詳細を確認し、実生活に役立てましょう。
フォーマル
最も格式の高いドレスコードで、「正礼装」「正装」とも呼ばれています。国家式典など、最も厳かな場面でも着用される服装です。
結婚式では、新郎新婦とその親、媒酌人などが着用する服装がフォーマルに該当します。男性の場合、昼の正装はモーニング、夜はテールコートなどが基本です。和装なら、五つ紋付の羽織はかまが正礼装とされます。
女性は、新婦ならウエディングドレスや白無垢、色打掛が正礼装です。参列者の場合、昼はアフタヌーンドレス、夜はイブニングドレス、和装では黒留袖や振袖、留袖などが該当します。
参列者として結婚式に行く場合は、主催者側よりも格式を一段下げた服装を選ぶのがマナーとされています。
セミフォーマル
「準礼装」とも呼ばれ、正礼装と略礼装の中間に位置するといえる服装です。結婚式に参列者として出席する際や、入学式、会社の式典など、さまざまな場面で求められるドレスコードです。
男性の場合、昼はディレクターズスーツを着用するものとされています。具体的には、黒やダークグレーのジャケット、グレーのベスト、白シャツ、シルバーグレーのネクタイなどです。パンツにサスペンダーを合わせた装いも見られます。
夜に適しているといえるのは、タキシードを選び、黒のジャケットに白シャツ、黒の蝶ネクタイ、側章付きパンツ、カマーバンドを組み合わせたスタイルです。
女性の場合、昼間はセミアフタヌーンドレスがセミフォーマルな服装とされます。セミアフタヌーンドレスを着用する際は、袖があり、膝下丈で、光沢を抑えた上品なデザインを選びましょう。
夜は、袖がなく膝下から膝丈、光沢のある素材のセミイブニングドレスやカクテルドレスで華やかな印象に仕上げる傾向にあります。足元は、パンプスを合わせるケースがほとんどです。
そのほかシーンによっては、セレモニースーツやパンツドレス、アンサンブルなども挙げられます。
スマートカジュアル
スマートカジュアルは、インフォーマルをよりカジュアルにした服装です。明確な定義はありませんが、格式ばっていないものの、カジュアルすぎず、きちんとした印象を与える装いのこと。おもに、結婚式の二次会や同窓会、パーティー、高級ホテルでのディナーといったシーンで着用します。
男性は、ジャケットを着用するのが基本です。インナーには襟付きシャツやニットを合わせ、パンツはスラックスやチノパンを選びます。足元は革靴やスエード素材の靴が好ましく、ネクタイは必須ではありません。
女性は、シンプルなワンピースやノーカラージャケット、セットアップなど、上質な素材かつ上品な色使いのアイテムが適しています。スカートは膝下丈、パンツはとろみ素材やセンタープレスのものなど合わせ、足元はパンプスが相応しいとされる傾向にあるようです。
メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock
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