『花郎〈ファラン〉』の物語が、「生」の臨場感で蘇る
世界中を魅了した大ヒット韓国ドラマ『花郎〈ファラン〉』が、なんと日本で世界初の舞台化! 激動の新羅時代を生きた花のように美しい青年たち=花郎の運命を、ダイナミックかつロマンティックに描きます。復讐のために花郎となるソヌ、王の身分を隠して花郎に志願するジディ──正反対のキャラクターを、和田雅成さん、和田琢磨さんが演じます。
2.5次元舞台を中心に数々の作品で共演し、「W和田」とも呼ばれるおふたり。お互いの話に「うんうん」と耳を傾けたり、するどいツッコミを入れたりと、和気あいあいとインタビューに応じてくださいました!
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──人気韓国ドラマの世界初舞台化となりますが、お気持ちはいかがですか?
和田雅成さん(以下、雅成):はじめはやはりハードルの高さを感じました。僕が演じるソヌを、原作ドラマで演じているのはあのパク・ソジュンさんですし、周囲の韓国ドラマファンの方々からも「『花郎〈ファラン〉』をやるんだね!」と声をかけていただくことも多くて。プレッシャーはありますが、2.5次元舞台と同様、原作ファンのみなさんは僕たちにとってとてもありがたい存在。しっかりと愛情を持って演じれば、きっと楽しんでもらえると思っています。
──琢磨さんはいかがですか?
和田琢磨さん(以下、琢磨):ドラマ版『花郎〈ファラン〉』は未見だったので、どんな話なのかと思ったら、時代劇。たとえば、日本の大河ドラマを海外の方が演じるのってきっと大プレッシャーですよね。所作やなど、大丈夫かな…?とはじめはドキドキしたのですが、共演者さんの名前のなかに雅成くんを発見して、「なんとかなりそう」と安心しました。
雅成:恐れ多いです(笑)。
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──舞台ならではの見どころは、どんなところでしょうか。
雅成:お客さんの目の前で、同じ空間で『花郎〈ファラン〉』の世界が繰り広げられるところです。「生」で体験できることは、舞台の何よりの醍醐味ですよね。さらに、登場する魅力的な男たちも見どころのひとつ。ドラマ版の素晴らしい俳優さんたちとはまた違う、「日本の花郎」の魅力も存分に感じていただけると思います。
琢磨:映像と舞台では見せ方がまったく変わってくるので、舞台だからこそ臨場感たっぷりに伝えられるシーン、情景を楽しんでほしいですね。原作ファンの方、もともと『花郎〈ファラン〉』を知っている方にも、新たな作品の魅力を感じてもらえるのではないでしょうか!
──演じるキャラクターに魅力を感じる部分や、自分と似ていると思うところはありますか?
雅成:ぶれないところ。そのうえで、ソヌの心情の変化にも惹かれました。ソヌは「復讐」から始まるキャラクター。ですが物語のなかで、その相手との関係性も変化していくんです。そんな心の動きも、この役の魅力的なところではないかと。
琢磨:僕とジディの共通点はですね…隠しきれない品、というか…
雅成:笑
琢磨:あとちょっと「残念」なところですね。ジディは「残念なイケメン」だということが、台本読みのときにわかりました(少ししょんぼりする琢磨さん)。でも何でしょう、口数も少なく、心に常に葛藤を持ちながら生きている──そんな内向きの感情表現には、みなさんにも多かれ少なかれ共感できるのではないかと思います。
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──ヒロイン・アロをめぐる三角関係も物語の注目ポイントですよね。もしも自分が誰かと三角関係になったとしたら…おふたりはどうしますか?
雅成:たっくんはどうしますか…?
琢磨:僕はもう、Here we goだよ!
雅成:突き進むのか(笑)。僕は女の子の判断に委ねるタイプかもしれません。もしも自分が選ばれたとしても、その子にライバルへの気持ちが少なからず残っている可能性もありますよね。だとしたら納得できないから、自分からはいきません! お互いの気持ちが100%同士じゃないと。
琢磨:僕は嫉妬したい派なのかもしれません。最終的にお付き合いできたとしても、「まだ彼女がライバルと連絡をとっているのではないか?」と、悶々としたい(笑)。
雅成:あははは! でもそれ、めちゃくちゃ辛いやつじゃん…。
お互いに安心感と刺激をくれる存在。そしていつの間にか勃発した「和田戦争」とは!?
──おふたりは共演経験も多いですが、お互いにどんな存在だと感じていますか。
雅成:僕としても、たっくんは安心感のある存在ですし、共演していると「志すべき場所がまだ先にある」とすごく感じさせてくれる人です。役者としてもっと上へいきたい、という気概が伝わるというか。それが魅力的で、刺激をくれる存在ですね。自分で言うのもおこがましいですが、僕も同じ気持ちでこの世界にいるので。
琢磨:初めて共演したのが2017年。そのとき僕は主人公のチームメンバーで、雅成くんが対戦相手のエースという関係でした。まず感じたのは「やばい、和田が2人」。当時から雅成くんはすごくキラキラしていて、さらにメキメキと伸びていたので同じ和田として危機感が…。
雅成:それは僕も同じ気持ちです(笑)。
琢磨:そしていつのまにか「和田戦争」が起きていました。
雅成:和田戦争、懐かしいな〜! この言葉が生まれたきっかけは、舞台『刀剣乱舞』悲伝で共演したころですね。たっくんは稽古中ずっと、なぜか僕のコップを使うんですよ。間違えないようにフルネームも書かれているのに、「和田」だけ確認して使っちゃうんです。「琢磨」のほうまで確認しようよ!っていう(笑)。
琢磨:顔合わせのときも、「和田」の席を見つけて座ったら、僕じゃなくて雅成くんの席だったりとか(笑)。
雅成:僕の席がいつもない。
琢磨:わざとじゃないんです〜。
──韓国作品出演にちなんで、ふたりのお好きな「韓国カルチャー」を教えてください。
雅成:僕は美容です! 韓国の美容はやっぱり最先端。日本でもポテンツァが流行っていますよね。僕も時々やっています。でも韓国ではポテンツァはもう「遅い」と言われているみたいで。最新の流行のサイクルも、すごく早いんです。
琢磨:なんですか? ポテンツァって。
雅成:顔に針を刺して美容液を注入して、ターンオーバーを早める美容法で。
琢磨:あ、「シードル」ってやつ?
雅成:「ニードル」じゃないかな?
──「シードル」はお酒ですね
雅成:たっくんは流行から2周遅れているので…(笑)。ちなみに今いちばん気になっているのは、「ジュベルック」(「なんそれ!」と琢磨さん)。なかなか渡韓して施術…とまではいかないのですが、いつかはゆっくり本場でやってみたいですね。
琢磨:先日バーで飲んでいたら、ふらりと入ってきた韓国人の方と交流が始まって。僕は韓国語がわからないので、Google翻訳を駆使してやりとりしました。こういうコミュニケーションって、かつては今ほどなかったんじゃないかな。それこそ、K-POPや韓国ドラマの影響を感じます。僕もそういった韓国カルチャーはすごく好きです。最近ハマったのは、少し前の作品ですが、ドラマ『怪物』。おすすめです!
──疲労困憊のとき、これさえあれば復活する!というものはありますか?
琢磨:ガチのやつですか?
雅成:嘘つこうとしないでよ(笑)。
琢磨:いやいや、「お風呂に入ってゆっくりします」みたいなポップなほうがいいかなって(笑)。ガチなほうですね? 僕はね、ビタミン注射。やるとやらないのでは疲労回復が全然違います。
雅成:へー! どれくらいの頻度で行くの?
琢磨:疲れたな、と思ったら。なので地方公演から帰ってきた次の日なんかによく行くんだけどおすすめ。なんだっけ、ポレッツァ?でもいいと思うけど。
雅成:ポテンツァね(笑)。
──雅成さんはいかがですか?
雅成:僕はね、一緒に暮らしている猫です(しみじみと)。家に帰ってきたとき猫がそばに寄ってくると、本当にかわいくて疲れも吹っ飛びます。
琢磨:いいねぇ、猫かわいいねぇ。そういえば、一緒に暮らしていると、だんだん鳴き声が日本語に聞こえるって本当?
雅成:日本語には…聞こえないかな(笑)。でも、鳴き方によって甘えていたり、怒っていたり、その違いはわかります。朝起きると絶対に膝に乗ってきて「にゃー」っていうんですよ。これは「おはよう」なんだろうな、とか。
まず自分自身が楽しむことが、観ている人の心を動かす
写真をもっと見る──今年もまもなく終わりますが、「2024年最大の○○」を教えてください!
琢磨:僕は「最大の変化」です。近視の手術、ICL(眼内コンタクトレンズ)をしたんですよ。もうね、2024年最大の変化。朝起きた瞬間に、世界がくっきりしているんですよ(目をカッ!と開く)。
雅成:目力が増してるのもICLの影響!? コンタクトなしでも生活できるのは、本当に楽だろうな。僕も気になっていて…2025年の目標にします。でももう、たっくんのメガネ姿が見られなくなってしまうのは寂しいな。この男前が、メガネをかけると台無しになってしまうんですよ!
琢磨:ホテルの朝食会場なんかで、僕がメガネをかけて食事していると誰も挨拶してくれないんです…僕だと気づいてもらえなくて(笑)。変装にはばっちりなんですが。
──本当に大きな「変化」だったようですね(笑)。では雅成さんの「2024年最大の○○」は?
雅成:うーん、僕はなんだろうなあ…(悩む雅成さん)
琢磨:どこ行った? 「いちばん遠いところ」とか。
雅成:祖母の家がある徳島ですね。父方、母方両方の祖母が暮らしているのですが、ふたりともだいぶ年配なこともあって、少しでも会っておきたくて。
今年訪れて、改めて実感したのが──昔からこの業界を志して夢に向かってきましたが、その原点にあるのは、徳島でおばあちゃん、お母さんと一緒に観た作品たちだということ。今後に向けてますます決意も新たになったので、「2024年最大の○○」は「決意」ですね!
──最後に、お仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
雅成:「自分が好きであるかどうか」がすべてです。人生において、自分が好きじゃない、楽しめないことを、僕はやれないんですよ。役者が好きだから、今お仕事にしていますし、自分が楽しんでいないとお客様を魅了することはできないと思います。何の仕事に対しても、大切なのはそこに「好き」を見出すことですね。
琢磨:(深くうなずく)それは大事だよね。でも僕の場合は、30代前半ぐらいのころは、ちょっと媚びていた自分がいて。「お客さんが喜んでくれるもの」をやろうとしていたんです。ですがある時ファンの方から「和田さんが楽しんでいる姿を追いかけることができて幸せです」というお手紙をいただいて。それを見たときに、もしかして僕は逆のことやっているのかな…と思ったんです。まず僕が楽しむことが、観てくださるみなさんの感動につながる。だからこそ、僕も自分自身の「楽しい」「好き」という気持ちを大切にしていきたいです。
撮影/黒石あみ スタイリスト:石橋修一(和田雅成分)、ホカリキュウ(和田琢磨分) ヘアメイク:車谷結(zhoosh/和田雅成分) 、太田 夢子(earch/和田琢磨分) 取材・文/徳永留依子
舞台『花郎~ファラン~』
・東京公演
THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
2025年1月8日(水)~1月13日(月・祝)全10公演
・大阪公演
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪市北区茶屋町19-1)
2025年1月17日(金)~1月19日(日)全5公演
※公演回数・日時は変更の可能性があります。
脚本:赤澤ムック 演出:ほさかよう
【出演】
ソヌ/ムミョン:和田雅成 ジディ/チヌン王/サムメクチョン:和田琢磨
スホ:笹森裕貴パンリュ:田中涼星 ハンソン:磯野亨 ヨウル:松井健太
アロ:岩田陽葵
チソ太后:大鳥れい ヨンシル:中村まこと スンミョン王女:長谷川かすみ アンジ:富田翔
タンセ:高田晃宏 ウィファ:内田岳志 マンムン:中土井俊允 フィギョン:大谷秀一郎 カンソン:柊木智貴
アンサンブル:山本耕大、中内天摩、天戸拓磨、粂川暁典、岩田レイ、内田敦美
※出演者は変更になる可能性がございます。
公演に関するお問い合わせ: 03-6280-4670(平日11時~18時)
チケットに関するお問合せ:チケットぴあ
和田雅成さん衣装
カーディガン¥52,800・Tシャツ¥19,800・パンツ¥37,400(JOYEUX〈ANEI〉)、靴¥26,900(同〈DUSK STUDIO〉) ネックレス¥17,600(ROLE〈HERGO〉)
(問い合わせ先)
ROLE 03-6380-4826
JOYEUX 03-4361-4464
Profile
和田雅成
1991年9月5日生まれ、大阪府出身。主な出演作に、舞台『刀剣乱舞』、『呪術廻戦』、ミュージカル『ヴィンチェンツォ』、主演ドラマ『神様のサイコロ』『0.5D』(BS日テレ)など。その他TOKYO FM/JFN33局ネットにてレギュラーラジオ出演中。また、アーティストデビューも果たし、2025年2月8日には関内ホール大ホールにて1st ONEMAN LIVE「Raise」を開催。
和田琢磨
1986年1月4日生まれ、山形県出身。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン、舞台『ダイヤのA The LIVE』、『刀剣乱舞』、『鋼の錬金術師』朗読劇『世界から猫が消えたなら』など。2023年からNHK『天才てれびくん』のドラマパートに出演。ドラマ『Solliev0』『カミシモ』など、映像作品にも出演。今後も映像、舞台、作品問わず話題作の出演作品が控えている。
※本記事は2024年12月18日に公開されたOggi.jpと同内容になります。
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