納期とは? 業界や企業によって異なる定義を解説
個人や一般的なビジネスにおける納期の意味と、製造・発送・物流におけるニュアンスの違いを紹介します。間違えやすい「出荷日」と「到着日」との関係も見ていきましょう。

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納期の意味
納期とは、一般的に商品や税金を納める時期や期限のこと。製造・発送・物流の分野では、特に商品やサービスを顧客に届ける期限としてよく使われます。
のう‐き〔ナフ‐〕【納期】 の解説
税金や商品などを納める時期。また、その期限。「—が迫る」
引用:小学館 デジタル大辞泉
また、ビジネスにおける納期は顧客に対するもの、仕入れ先からのもの、社内での期限と大きく3種類に分類できます。
顧客への納期は受注から納品までの期限であり、仕入れ先からの納期は部品や原材料の調達に関する期限です。最後に、社内の納期は、例えば製造現場における製品完成の期限が挙げられます。
仕入れ先からの納期や社内の各部署の納期を適切に管理することで、全体の最終的な納期である顧客への納期を守れます。
納期は「出荷日」と「到着日」のどちらなのか?
納期が「出荷日」と「到着日」のどちらを指すかは、企業によって異なる傾向にあります。納期といえば「この日までに届けてください」という締め切りをイメージするかもしれませんが、出荷日を納期とする企業もあるようです。
出荷日とは、商品が倉庫や工場から発送される日のこと。一方、到着日は顧客の手元に商品が届く日です。納期を出荷日とする場合、実際の到着日は納期よりも後になると考えられます。
また、納期を計算するには「営業日」も考える必要があります。土日祝日を営業日に含むかどうかで納期が変わるからです。納期の定義は企業によって異なるので、後のトラブルを避けるためにも、取引開始時に納期を確認しておくことが重要です。
納期と似た意味を持つ言葉
納期と似たような表現である「納入日」や「リードタイム」の意味、納期との違いを解説します。顧客からの信用を守れるように、しっかり把握しておきましょう。

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納入する・した日を指す「納入日」
納入日とは、商品やサービスを実際に納入する日、または納入した日です。納入する具体的な日付を指すため、前倒しでの納入は原則として認められないケースが多いでしょう。納期は納入時期、もしくは最終締め切り日であり、期限より前に納品してもかまわないとされるのが大きな違いといえます。
たとえば、生鮮食品などを輸送する場合、早すぎる商品の到着は顧客のスケジュールを狂わせてしまう可能性も。
納入日を守れないと、顧客からの信頼を失いかねません。納入日と納期を混同せず、正確に把握し管理することが、スムーズなビジネス運営に重要です。
のう‐にゅう〔ナフニフ〕
[名](スル)品物や金銭を納めること。「授業料を—する」「—期限」
引用:小学館 デジタル大辞泉
発注・納品の期間を指す「リードタイム」
リードタイムは、商品の発注から納品までに要する期間のこと。製造や発送など、納期までの各プロセスにリードタイムを設定する場合もあります。リードタイムは「○日間」と表記され、納期は「○月○日」のように表されます。
リードタイムの計算に使われるのは、おもにフォワード法とバックワード法です。フォワード法は作業開始日から納品日までを計算し、バックワード法は納期から逆算して各工程の開始日を決定する方法です。特にバックワード法は、余裕のある作業スケジュールを組むのに役立つとされています。
リード‐タイム
所要時間。調達期間。生産では、製造命令が出てから製品が完成するまでの期間のこと。また、在庫管理では、注文を出してから、注文品が得られるまでの期間をさす。
引用:小学館 デジタル大辞泉
納期を守った場合のメリット
納期が大切なのは当然ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。プロジェクト全体の進行や企業のコスト、商品の価格設定との関係を見ていきます。

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