「一両日中」とは?
「こちらのケーキは生菓子になりますので、一両日中にお召し上がりください」などと言われた経験はありませんか? 一両日中はどのくらいの期間をさすのか、疑問に思った方も少なくないでしょう。
また、ビジネスシーンなどにおいても「一両日中に連絡いたします」などと使われることがあります。決まり文句として使われることがありますが、正しい意味合いもしっかり押さえておきたいところ。本記事では、一両日中の意味や類語表現の意味、それぞれの違いについて紹介します。
「一両日中」の意味
まず、「一両日」の意味について確認しましょう。デジタル大辞泉には、以下のようにあります。
いちりょう-じつ
1日または2日。いちにちふつか。
〈引用:デジタル大辞泉〉
つまり、「一両日中」とは、「1日または2日の間」という意味です。
一両日中が示す範囲とは?
一両日中が示す範囲について、しっかり確認しましょう。一両日中という言葉は、他者とのやりとりの中で使われるため、お互いの認識が合っていないと思わぬトラブルに発展してしまうことも考えられます。
一両日中に明後日は含まれる?
一両日中の捉え方にはふたつのパターンが考えられます。ひとつは、「今日」を一日目と数えて、一両日中を【「今日(一日目)」「明日(二日目)」の内】と捉えるパターンです。もうひとつが「明日」を一日目と数える、つまり、一両日中を【「明日(一日目)」「明後日(二日目)」の内】と捉えるパターンです。
したがって、相手とのやりとりのなかで一両日中という表現を使う場合は注意が必要です。「今日もしくは明日という認識で間違いないでしょうか?」などというように確認をとったり、具体的に「◯日まで」と表現したりと意識することで、理解の齟齬によるトラブルを防ぐことができるでしょう。
一両日中の類語表現と違いを紹介
一両日中のように、時間や時間の期限を示す類語表現があります。一両日中は自分と相手の認識が異なっている場合がありますので、別の言い方も覚えておきたいところです。
1:近日中
「近日中」は「きんじつちゅう」と読みます。「近日」には「近いうち、近々」「太陽に近いこと」「非常に近い過去の日、近い過去から現在までの日々」という意味を持つ言葉です。
現在では、いちばん初めに取り上げた「近いうち、近々」という意味合いで使われます。近日中は、一両日中よりもやや広範囲の時間。辞書では、「明日明後日」の意味として「近日中」が記載されています。
2:両三日
あまり知られていない表現かもしれません。「りょうさんにち」と読みます。「両三日」は「二日、または三日」という意味です。
3:数日中
日常生活でもよく使われる表現でしょう。一両日中や近日中よりも期間の幅が広く、漠然とした言い方です。一般的には、「二、三日から六日の間」くらいを指します。大体一週間の間と捉えておくとよいでしょう。「数日の間」「数日のうちに」などの表現もできます。
4:今明
「今明」とは「今日と明日」「今日もしくは明日」のことです。「こんみょう」もしくは「きょうあす」と読みます。今明日とも言いますが、こちらの表現であれば一両日中の「明日? 明後日?」問題は解決できそうですね。
一両日中と類語表現の使い方を紹介
一両日中と類語表現の意味、示す期間の違いなどを紹介しました。続いては、これらを用いて実践的な使い方を見ていきましょう。
1:「お問い合わせいただいた内容について、確認をしたうえで一両日中にこちらからお電話にてご連絡します」
「一両日中にご連絡します」という表現はよく使われます。その場ですぐに解決できない時や準備が必要な場合に、時間が欲しいということを丁寧に伝えることができる表現です。
2:「こちらの和菓子は、一両日中にお召し上がりください」
生ものなどを購入した際に、「一両日中にお召し上がりください」と表現されることがあります。この場合の一両日中は、「賞味期限が切れて食べられなくなってしまうため、一日か二日のうちに食べなければならない」という「期限」のニュアンスが強いです。
3:「応援しているアーティストの新曲がそろそろ公開されるらしい。近日中とのうわさだが、一体いつなのだろうか」
近日中は、一両日中よりも示す期間がより漠然としています。明確でないと、そわそわした気持ちになってしまいますよね。
もし自分が他者に「近日中」という表現を使う際には、相手に不安な気持ちを抱かせてしまう可能性があるということも頭に入れておくといいかもしれません。
4:「数日中に面接の合否連絡がくるとのことだったが連絡がない。こちらから問い合わせてもよいものだろうか」
数日中は、一般的には二日から六日ほどの期間をさします。しかし、必ずしもこの範囲に当てはまるとは限りません。相手から数日中と言われ、その後音沙汰がなくなった場合は、少なくとも一週間以上の日数は開けて問い合わせるのが無難でしょう。
最後に
本記事では、一両日中という表現についてフォーカスをあててみました。一両日中には「今日と明日」をさす場合と「明日と明後日」をさす場合が考えられます。人によって認識が異なりますので、今明日中などの別の表現に言い換えるか、補足をするようにしましょう。
一両日中の類語表現やそれらの使い方も紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
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