「伺います」とは?意味や読み方を解説
伺います(うかがいます)は、謙譲語の「伺う」と丁寧語の「ます」を組み合わせた敬語表現です。ビジネスシーンはもちろん日常会話でも使われるため、見聞きする場面は多いといえます。
伺いますを正しく使うためにも、まずは言葉の意味をきちんと理解しておきましょう。ここでは、伺いますの3つの意味や「参ります」との違いを解説します。
■聞く・尋ねる・訪れるの謙譲語
伺いますは、「聞く・尋ねる・訪れる」の謙譲語です。上司や取引先の相手など、目上の人に対して使える敬語表現に分類されます。
構造を細かく分解すると、謙譲語の「伺う」に丁寧語の「ます」がくっついています。聞く・尋ねる・訪れるのへりくだった言い方であり、自分を下げることで相手への敬意を込められます。
たとえば「訪れる」の意味で使う場合は、「〇〇(場所)に伺います」といった形で用いられます。伺いますを使うことで、訪問先にいる人に対して敬意を示すことが可能です。
■「伺います」と「参ります」の違い
伺いますに似ている表現として、参りますが挙げられます。両者はどちらも「訪れる」の謙譲語ですが、敬意を払う対象が誰であるかが異なります。
「伺います」の敬意の対象は、訪問先にいる相手です。目上の人の元へ自ら行くことを意味する能動的な表現のため、訪問先に敬意の対象がいない場合は使うことができません。
一方の「参ります」は、聞き手や読み手に対して敬意を示す表現です。訪問先に敬意の対象がいるかどうかにかかわらず、自分の動作をへりくだって伝える際に用いられます。
たとえば「東京に行きます」をへりくだって伝える場合は、「東京に参ります」が適切です。東京は地名であるため、敬意を表す必要がありません。「東京に伺います」でも伝わる可能性はありますが、厳密には誤りのため使わないように注意しましょう。
誤用に注意!「伺います」の正しい使い方
伺いますはさまざまな場面で使える便利な表現ですが、誤用されやすい言葉でもあります。伺いますを正しく使えるように、例文やよくある誤用表現を確認しておきましょう。
■「伺います」の使い方を例文でチェック
伺いますの使い方は、聞く・尋ねる・訪れるの3パターンに分類されます。語尾に「よろしいでしょうか」「存じます」「ことができません」などをつけると、許可を求めるときや依頼するとき、断るときなど幅広い場面で使えます。
それぞれの使い方の参考として、以下の例文をチェックしてみましょう。
【伺いますの例文:聞く】
・〇〇さんのご意見を伺いたいのですが。
・その件に関しては課長から伺っております。
【伺いますの例文:尋ねる】
・新しい案件の詳細について伺ってもよろしいでしょうか。
・ご連絡先を伺いたく存じます。
【伺いますの例文:訪れる】
・来週、御社に伺います。
・都合により、伺うことができません。