「しつこい」と「ひつこい」どちらが正しい?
日常生活でよく耳にする「しつこい」と「ひつこい」。よくよく考えたらどちらが正解なの?と感じる人は多いことでしょう。
どちらが正しい使い方なのか、詳しく解説していきます。
「しつこい」は標準語、「ひつこい」は関西圏の方言
結論からお伝えするとどちらも間違いではありませんが、「しつこい」のほうがより正解に近いといえるでしょう。標準語として使われており、主に東日本で一般的に使用されている言葉です。
東日本に住んでいる人は「しつこい」を聞き慣れており、「ひつこい」と聞くと、どこか違和感を覚えるのではないでしょうか。「ひつこい」は関西圏の方言で、しつこいの言い方が変化したものです。西日本の関西圏に住んでいる人は、ひつこいの方が聞き慣れた言葉かもしれません。
どちらも同じ意味で使われる言葉なので、間違った日本語ではありませんが、あえて決めるなら標準語の「しつこい」が正しいといえるでしょう。
「しつこい」に似た言葉は?
しつこいに似た意味の言葉として、下記のような言葉が挙げられます。
●あきらめずに粘る姿勢…しぶとい/執念深い/あきらめが悪い
●負けを認めないさま…往生際が悪い/あきらめきれない/見苦しい
●我慢ならなくなるさま…耳にタコができる/うんざりする/うっとうしい
●しつこく、うんざりするような行い…陰湿な/執拗な/ネチネチした
似た言葉をいくつか紹介しましたが、あまり良い意味では使われない言葉だということが分かります。マイナスな意味が込められた言葉ということを再確認し、使う場面に気をつけましょう。
しつこいの意味や語源は?
さらに深掘りして、「しつこい」の意味や語源について解説します。間違った使い方をしないように、それぞれ押さえておきましょう。
しつこいの意味は「味が濃い」「つきまとう」など
しつこいには、二通りの意味が込められています。一つ目は、「味が濃い」という意味です。下記のように、においや味に関連して使われています。
●味やにおいが濃厚だったり強烈で、後に残ってしまう
●脂っこかったり、辛くてくどい
二つ目の意味として、「つきまとう」が挙げられます。下記のように、人物の様子に関して使われます。
・物事に強いこだわりがあって煩わしい様子
・執念深く執拗な様子
どちらの意味も、迷惑に感じるほど一つのことを繰り返す様子として使われています。日常生活でしつこさを感じるときは、上記のうちのどれかに当てはまっていることでしょう。
しつこいの語源は諸説ある
古くから使われている「しつこい」ですが、はっきりした語源はわかっておらず、諸説あります。中でも有力視されているものを紹介します。
●子どもへの「躾(しつけ)」と、「濃い(こい)」を重ねて使用した説
「躾を重ねて習慣を濃くする」という意味で使われ、「しつけ+こい」で「しつこい」になったと考えられています。
●取りついて離れないという意味を含んだ「執(しつ)」と「濃い(こい)」重ねて使用した説
「しゅう+こい」で「しつこい」になったと考えられています。
●粘り強さや意気地、根性という意味の「尻腰(しっこし)」と打消しの「ない」を重ねて使用した説
「しっこし+ない」で「しつこい」になったと考えられています。
●粘り強さを表す様子を「執拗(しつくどい)」と呼んだことから、徐々に「しつこい」になった説
このように、しつこいの語源は諸説あり、どれが正解なのかはいまだにはっきりわかっていません。
「しつこい」と「ひつこい」の使い方は?例文とともに紹介
次に、「しつこい」と「ひつこい」の具体的な使い方を紹介します。居住地にかかわらず、使い方を知っておくといざというときに役に立つでしょう。