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LIFESTYLE インタビュー

2025.03.14

【長澤まさみさん&森山未來さん対談 前編】今までやってきた舞台とは違う自分の姿が想像できる

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』『モテキ』と、大ヒット作で共演してきたふたりが、14年ぶりに同じ舞台に! 「久しぶり」から始まった長澤まさみさん・森山未來さんの旧友対談をお届けします。

男女の日常でよくある会話。でもこういう会話劇はあまりなかった

──長澤まさみさん・森山未來さんによる強力タッグが、4月からの舞台『おどる夫婦』でよみがえる! これだけでも話題性たっぷりなのに、「不器用な夫婦の10年の記録」という内容も、なんだか気になる…。そこで、舞台稽古前に再会したふたりのトークをあますところなく再現します。

「僕の役柄からすると、
長澤さんは象徴的な存在だった」(森山さん)

長澤まさみさん(以下、長澤):お久しぶりですね。

森山未來さん(以下、森山):え、14年ぶりですか。

長澤:いちばん最初にお会いしたのは、たしか私が16歳くらいで。その当時、もう森山さんは舞台をやられていて。監督ともよく舞台のお話をされていましたよね。

森山:そうだったね。

長澤:それに、(映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の)行定勲監督からは最初、「ダンサーの森山さん」と紹介されて。それからずっと、ほかの人はやってこなかった、自分だけの道を貫いている森山さんの姿を拝見してきました。

今回共演できるという話を聞いたとき、確かに舞台ではご一緒したことがなかったし、なるほど、そうだよね、って。よくわからない感情でした。舞台という自分の畑を長年にわたって耕し続けてきた森山さんと一緒に立てるとは思っていなかったですから。

2004年(『世界の中心で~』)、2011年(『モテキ』)と共演してきて、森山さんとの仕事は、私にとって成長過程を感じるバロメータになっているんです。

森山:どちらの映画も、僕の役柄からしてみると、長澤さんは象徴的な女性として存在しているんですよね。それに加えて、16歳のころはシャイで一切しゃべらなかったし、それも含めてますます象徴的な存在として映っていました。

いつだったか、夜遅い撮影で待ち時間も長くて、僕が睡魔に襲われて、椅子に座りながらガクンと寝落ちして倒れちゃったことがあったんです。それを見た長澤さんが芝居以外の現場で初めて大笑いしてくれたんだよね。

長澤:(笑)

森山:そのときに初めて素の長澤さんが垣間見えたのを覚えてます。

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「信頼を積み上げないと出てこない会話。
どう伝わるのか楽しみです」(長澤さん)

──そんな時を経て、今回の舞台での共演にはどんな期待を寄せているのでしょうか。

森山:映画と舞台では、コミュニケーションの方法が全然違いますけど、特に今回は、どうなるのか想像がつかなくて。台本を読むと、けっこうやりとりが生っぽいなと思いました。

長澤:そうですね。男女の日常でよくある会話から始まるけれど、若いときの恋する心からは生まれない、信頼を積み上げたからこその会話で。こういう会話劇は、あまりしたことがないなって思いました。そして、これがどういうふうにお客さんに伝わるのか。楽しみですね。

森山:大きい声を出す感じが今のところしないよね。

長澤:森山さんのパートは、心の声みたいにぽつぽつと話すところがありますよね。あのシーンに切り替わったとき、ん? 踊るのかな? とかね。

森山:踊るのかな?(笑) タイトルからして気になるよね。

長澤:未來くんが出てくるというだけで、それを期待しちゃいますけど。

森山:さらに信頼している蓬莱竜太さん(演出家)という座組でやれるんだから、やらない理由がないなと。

長澤:私にとって蓬莱さんは、俳優の得意不得意をちゃんと見極めて、無理をさせず、うまく引き出してくれる方という印象があります。かつてひとり芝居(2020年公演予定だった『ガールズ&ボーイズ -Girls & Boys-』。コロナ禍で公演中止に)のプレ稽古をしたとき、そう感じました。演出したい方向もはっきりしていて、言葉にはしないけど、感覚的にしっかり引っ張ってくれる感じがあります。

森山さんは一緒に寄り添ってくれる安心感もあるし、今回もみんなで向き合ってみんなで一緒に考えていけたら。今までやってきた舞台の稽古とは違う自分の姿が想像できるほど、今楽しみがふくらんでます。

長澤さん、森山さんが思い描くそれぞれのキャラクター、そして30代読者に向けてのメッセージは〈後編〉でお届けします。お楽しみに!



Bunkamura Production 2025『おどる夫婦』
数多くの演劇賞を受賞し、映画の脚本や人形劇ムービーで初監督を務めるなど、いま注目の作家・演出家・蓬莱竜太が新作書き下ろし。主演を務めるのは、14年ぶりに共演を果たす長澤まさみ(キヌ役)と、森山未來(ヒロヒコ役)。そのほかのキャストには、松島聡、皆川猿時、小野花梨、伊藤蘭など。4月10日から東京・大阪・新潟・長野にて公演。
詳細は、https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/25_odorufuufu/

Profile

長澤まさみ

ながさわ・まさみ|2000年の第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞、同年に映画で俳優デビューを果たす。04年に映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・話題賞など数々の賞を受賞。20年には『コンフィデンスマンJPプリンセス編』、『MOTHER マザー』で第63回ブルーリボン賞主演女優賞、21年にはNODA・MAP『THE BEE』で第29回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。近年の主な出演作に、【舞台】『正三角関係』(24)、『THE BEE』(21)、『フリムンシスターズ』(20)、『キャバレー』(17)、【映画】『スオミの話をしよう』『四月になれば彼女は』(24)、『キングダム』シリーズ(19・23・24)、『ロストケア』『シン・仮面ライダー』(23)、『コンフィデンスマンJP』シリーズ(19・20・22)、【ドラマ】『エルピスー希望、あるいは災いー』(22)、『ドラゴン桜』シリーズ(05・21)などがある。

Profile

森山未來

もりやま・みらい|5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。これまでに映画賞を多数受賞。2013年には文化庁文化交流使としてイスラエルに派遣。東京2020オリンピック開会式にてオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年より神戸市にてArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立し、運営に携わる。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求めて、領域横断的に国内外で活動を展開している。主な近作として【パフォーマンス】『さんぶたろう祭り』(24、構成・出演、森の芸術祭 晴れの国・岡山)、『パルコ文化祭』(24、プロデュース・出演)、『ポスト舞踏派 ダンス公演「魔笛」』(24)、【映画】『化け猫あんずちゃん』『大いなる不在』『i ai』(24)、『シン・仮面ライダー』『山女』『ほかげ』(23)、【ドラマ】『NHKスペシャル 未解決事件 File.10 下山事件』(24)、『パリピ孔明』(23)など。ポスト舞踏派。


長澤さん衣装/ニットトップス¥192,500・ワンピース¥423,500(ジルサンダージャパン〈ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー〉) ピアス/スタイリスト私物 問い合わせ先:ジルサンダージャパン 0120-998-519

森山さん衣装/コート¥198,000・カバーオール¥154,000(BIRTHLY〈BED j.w. FORD〉) 問い合わせ先:BIRTHLY (バースリー) 03-6432-9313


撮影/三宮幹史(Trival) スタイリスト/吉田 恵(長澤さん)、杉山まゆみ(森山さん) ヘア&メイク/スズキミナコ(長澤さん)、須賀元子(森山さん) 構成/南 ゆかり

※この記事は2024年3月7日にOggi.jpに掲載した記事内容と同一です。

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