新郎新婦・ゲスト別の手配リスト
当日の役割や移動時間に応じた準備があると安心です。新郎新婦であれば、衣装が濡れた場合に備えてフェイスタオルや小型のヘアドライヤーを手配しておくと便利です。ゲスト向けには、受付でタオルやビニール袋を用意しておくと喜ばれることがあります。立場ごとの行動動線を想定しながら準備を整えると、混乱が防げますよ。
雨対応のヘアメイクで気をつけたいこと
ヘアスタイルはまとめ髪にして湿気による乱れを防ぐ形にすると、整え直しの手間が減りますよ。さらに、ヘアスプレーや整髪料は湿度に対応できるタイプを選ぶことで、印象を保ちやすくなります。自分だけでなく、ヘアメイク担当者とも事前に情報を共有しておくと安心です。
当日の対応で差が出る! 雨でも快適に過ごすための工夫
雨天当日にスムーズに対応できるよう、現場で役立つポイントを紹介します。
会場到着時の導線と傘の取り扱いマナー
受付近くにスタッフを配置して傘を預かる動線を整えておくと、会場内が濡れにくくなります。傘立ての場所を明示したり、足元の滑りに配慮したマットを敷いておくことも、快適な印象を与える一助となるでしょう。
受付や更衣室の案内でゲストへの気配りを
受付での対応や更衣室の案内は、普段より少し丁寧にすることで、ゲストの不安を和らげることができます。受付時に「こちらでお荷物や濡れた上着をお預かりできます」といった一言があると、気配りが伝わりやすくなりますよ。さらに更衣室の場所をわかりやすく案内することで、衣類やメイク直しを希望する人も安心して過ごせます。
写真・演出はどうする? 雨を生かす演出アイデア
雨の日には屋外での演出が制限されることもありますが、空間全体を柔らかく包むような演出に切り替えることで、落ち着いた印象を持たせることができます。窓越しに見える雨を背景にした写真も、静かな情緒を感じさせる一枚として記憶に残りますよ。

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「雨の日だからこそ」の挨拶・スピーチに気を配る
スピーチや謝辞に雨の話題を織り交ぜると、気持ちが伝わりやすくなります。
新郎新婦・親・司会が使える「雨にちなんだ挨拶例」
当日の天候に触れながら始まる挨拶は、場の緊張をやわらげる効果があります。冒頭で「本日は雨の中、お越しいただき本当にありがとうございます」と述べることで、感謝の気持ちが自然に伝わります。また「恵みの雨に包まれて、この日を迎えられたことを嬉しく思います」など、雨を前向きに捉えた表現も場に穏やかな空気をもたらしてくれるでしょう。
避けたい表現は?
意図せずゲストの気持ちを下げてしまう言葉には、注意が必要です。「あいにくの雨ではございますが」「せっかくの晴れ舞台が」などは、場の空気を重たくしてしまう恐れがあります。代わりに「しっとりとした空気のなかで心に残る一日になりそうです」など、情景を肯定的に描写する言い回しが、聞き手にも心地よく届くでしょう。
感謝の気持ちを伝える言葉の組み立て方
足元の悪い中、来てくださったことに対する感謝は、できる限り丁寧に伝えたいところです。「雨の中、ご足労をおかけし恐縮ですが、皆さまのおかげで心温まる時間を迎えられております」といった挨拶は、配慮と感謝の両方が込められます。形式にとらわれすぎず、ナチュラルな言葉で組み立てることが大切です。
最後に
雨の結婚式は、思っている以上に温かく印象深い一日になります。大切なのは、天候ではなくその日をどう受け止め、どんな思いで過ごすかです。今回ご紹介した視点や準備が、少しでも前向きな気持ちにつながることを願っています。
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監修
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン
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