結婚式のマナー
最近の結婚式は、格式高いホテルからキャンプ場まで、幅広いスタイルがあります。全体的に、自由な雰囲気の結婚式が増えつつある傾向にある印象です。しかし、ホテルや結婚式専門のゲストハウスなどで行われるウエディングパーティーに参加する場合、やはり最低限のマナーは押さえておきたいもの。
「結婚式でのゲストのマナー」と呼ばれるものとしては、主に3つ挙げられます。
・服装のマナー
・食事のマナー
・当日の持ち物に関するマナー
これらのポイントをしっかりと押さえて結婚式を楽しみたいですね。
本記事では、結婚式に参加する際の服装マナーや食事マナー、当日の持ち物に関するマナーを紹介します。
結婚式の男女別服装マナー
結婚式の主役はもちろん新郎新婦ですが、ゲストにとっても非日常な空間は、普段とは違う特別なおしゃれを楽しむ場となります。
ヘアスタイルや服装など、それぞれが好きなスタイルで参加するのが一番ですが、最低限のマナーは守ることが大切です。ゲストの服装は男女ともに、結婚式が行なわれる季節を考慮して選ばれることをおすすめします。
ここでは、男女別の服装マナーを紹介していきます。
女性の服装マナー
結婚式に参列する場合、まず初めに女性は「和装」か「洋装」の選択肢があります。
和装
結婚式参列時に、「普段着る機会の少ない和装で参加したい」と考える方は多いかもしれません。
一般ゲストの立場で和装を着用して参列したいなら、既婚者の場合「訪問着」を選びます。未婚の場合は「振袖」が第一礼装ではありますが、抵抗がある場合は訪問着でも構いません。
普段から慣れていない着物での参列の場合、歩き方からお手洗いの方法まで、何かと気をつけるポイントは多いので注意が必要。特に、梅雨や真夏の結婚式に和装で参列する場合、中には湿気や暑さで具合が悪くなる方もいます。着付けの段階で、着付け師に「結婚式途中で具合が悪くなった場合どうするべきか」など確認しておくと、ゆるめる部分を教えてくれるので安心でしょう。
洋装
和装と異なり、普段と変わらない気軽さで参列できる洋装スタイルは人気が高い印象です。
結婚式参列時の洋装スタイルは、露出度の高いものや、新婦を連想させる白い服は避けるのがマナー。近頃の参列者のファッションは、普段使いもできそうな黒やベージュ、ネイビー系のロングワンピースなども人気があります。
アクセサリー類
服装をダーク系でまとめる場合、暗くなりすぎないように注意が必要です。アクセサリーや靴などの小物で、結婚式らしく華やかさをプラスすることをおすすめします。小物に関しては、大きすぎて新婦より目立ちそうなアクセサリーや、つま先の空いた靴は避けるのがマナーです。
ヘアスタイル
結婚式参列時のヘアスタイルは、きちんと感と清潔感が大事。食事やお辞儀の際に邪魔にならないように仕上げましょう。
また、結婚式の主役はあくまで新婦。ゲストは派手すぎるヘアスタイルは避けたほうが無難です。気合を入れて派手な髪型にしてしまうと、新婦と似たようなヘアスタイルになる可能性があるので配慮しましょう。
ヘアスタイルのみならず、ヘアアクセサリーに関しても新婦と被りそうなテイストのものは避け、上品かつ控えめなものを選ぶのが賢明かもしれませんね。
男性の服装マナー
結婚式に一般男性ゲストとして参加する場合、基本的にはフォーマルなスーツを着用します。スーツの色に厳密な決まりはありませんが、ブラックやネイビーといったダークカラーの人気が高いようです。
ホワイトや淡い色味の目立つカラーのスーツは、結婚式の主役である新郎のタキシードと被る可能性があるため、避けた方がベター。
ダークカラーのスーツをベースに、ファッショナブルなネクタイやポケットチーフを合わせたり、蝶ネクタイなどの小物で個性を出す方もいます。
披露宴での食事時の基本マナー
ゲストにとって披露宴の食事は、楽しみのひとつ。披露宴の食事は、フレンチや和洋折衷などのコース料理であることがほとんどです。日頃からコース料理に慣れていない方であれば、テーブルマナーは気になるところでしょう。
「披露宴での食事マナー」といっても、椅子の座り方からコップの持ち方まで、掘り下げると多岐にわたります。ここでは、大人としてコース料理を堪能するために最低限押さえておきたい、披露宴の食事時のマナーを紹介します。
カトラリーの使い方
基本的に、披露宴でのカトラリーの使い方は「外側から内側に順に使用する」ものといわれています。
一般的な披露宴のコースメニューは「前菜、スープ、魚料理、メインの肉料理、デザート」の順で出てくるケースが多いようです。席には、料理が出てくる順番に合わせてカトラリーがセットされているので、それらを外側から使用すれば間違いがないでしょう。
食事中に間違えてほかのカトラリーを使用してしまっても、スタッフが代わりのものを渡してくれるので安心です。
カトラリーを置く場合
カトラリーを置く場合、ふたつのパターンに分かれます。
ひとつ目は、食事途中にカトラリーを置きたい場合。スタッフに「まだ食事中です」と知らせるために、ナイフとフォークをお皿の上で「ハの字」に見えるように置くのがマナーとされています。
ふたつ目は、食事を終えたとき。その場合、ナイフとフォークは柄を下に揃えて、右下斜め45度辺りに置くと「食事終了」のサインとなります。
どちらの場合でも、ナイフは刃が手前になるように置きましょう。
カトラリーを落としてしまった場合
食事の際、カトラリーやナプキンを落としてしまったときは自分で拾い上げなくてもOKです。テーブル担当のスタッフ、もしくはほかの配膳スタッフを呼び止め、新しいものを頼みましょう。その際、同じテーブルの人にひと言お詫びを入れると丁寧な印象を与えます。
結婚式の当日の持ち物
当日、会場に到着してから慌てないためにも、事前準備が大切です。最低限の持ち物であるハンカチやティッシュ、財布等以外の結婚式当日の持ち物を紹介します。
招待状
招待状には、会場までの行き方やタイムスケジュールが記載されています。持参する決まりはありませんが、当日も持っておくと安心でしょう。
ご祝儀
ご祝儀のお札は、あらかじめ郵便局や銀行で新札に交換しておきましょう。万が一、新札の準備を失念していても、挙式当日にブライダルサロンで新札の交換をしてくれるところもあります。しかし、本番前に会場で慌てるのはスマートとはいえないため、事前に準備しておきたいところです。
袱紗(ふくさ)
本来、ご祝儀袋は剥き出しで渡すのは好ましくありません。袱紗(ふくさ)と呼ばれる布にご祝儀を包むのがマナーとされています。袱紗(ふくさ)が自宅にない場合、ハンカチや風呂敷で代用してもOKです。
予備のストッキング(洋装時)
途中でストッキングが破れてしまう可能性もあります。念のため、予備のものを鞄に入れておくとよいでしょう。
サブバッグ
結婚式に出席する際、バックは小さなものを選ぶ方が多いですが、コンパクトに折りたためるサブバッグを入れておくことをおすすめします。
結婚式では、引き出物以外に、披露宴のお開き後会場の装花をまとめてブーケにしていただくこともあります。そのほかにもプチギフトをいただいたり、何かと荷物が増える可能性があるので、折りたたみ可能なサブバッグを持っておくと安心です。
稀に、ハイブランドなどの紙袋をサブバッグとして使用するケースもあるようですが、紙袋をサブバッグとして使用するのは、本来結婚式にはふさわしくないとされています。
最後に
最低限のマナーを知っておくことで、安心して結婚式を楽しむことができます。新郎新婦や周りのゲストへ失礼のないよう、マナーを守って楽しい一日を過ごしてください。
執筆
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン
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