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柔軟剤と洗剤を一緒に入れていいのか、どちらが先か… など、洗濯にまつわる素朴な疑問は意外と多いものです。特に忙しい毎日を過ごす人にとって、効率よく、しかも気持ちのいい仕上がりを実現できる使い方は大きな関心事です。
そこで、本記事では、基本の使い方から香りの相性、ありがちな失敗、そして柔軟剤を使わずに済ませる工夫を、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。洗濯をもっと楽にする実用的なヒントを紹介します。
柔軟剤と洗剤、一緒に入れていい? 基本の使い方を解説
まずは、柔軟剤と洗剤の基本的な性質を押さえていきましょう。

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柔軟剤と洗剤の違いとは? 役割を知って正しく使う
洗剤と柔軟剤は、目的も使う場面もまったく異なります。洗剤は、皮脂や食べこぼしなどの汚れを落とすために使われます。一方で柔軟剤は、衣類の肌ざわりをやわらかく整えたり、静電気を抑えたり、香りづけをしたりするために加えます。
見た目が似ているボトルでも、注ぎ口の広さや粘度に違いがあることが多く、開封時の液の色や香りも判断の目安になります。パッケージの用途表示に注目することも、混同を防ぐ一つの方法です。
一緒に入れるのはNG? 正しい投入のタイミングとは
洗剤と柔軟剤は、役割の違いから入れるタイミングも異なります。基本的に洗剤は「洗い」の工程で使い、柔軟剤は「すすぎ」のタイミングで投入されるように設計されています。これを守らないと、柔軟剤の成分がすすぎで流れてしまい、効果が出にくくなってしまうでしょう。
多くの家庭用洗濯機には、柔軟剤専用の投入口が設けられています。ここに柔軟剤をあらかじめセットすれば、自動で適切なタイミングに投入される仕組みです。投入口が見当たらない場合や、手動で入れる機種では、2度目のすすぎ開始前に入れるとよりよい効果を得られるでしょう。
間違えて入れてしまったときの対処法とリスク
洗剤と柔軟剤を逆に使ってしまうと、洗濯物がベタついたり、汚れが落ちきらなかったりすることがあります。ただし、慌てる必要はありません。まずは洗濯を終えた後の衣類の状態を確認し、再度洗濯することでリセットできます。
柔軟剤と洗剤、相性で変わる香りと仕上がり
香りや肌ざわりの仕上がりに満足できるかどうかは、柔軟剤と洗剤の組み合わせによって変わります。ここでは、組み合わせを意識することで洗濯の印象がどう変わるのか、解説していきましょう。
香りが長持ちする組み合わせのポイント
香りを持続させたい場合、同じ香調で揃えると印象が安定します。例えば、花の香りの柔軟剤にはフローラル系の洗剤、柑橘系の柔軟剤にはシトラス寄りの洗剤を合わせると、香りの違和感がないでしょう。
一方で、無香料の洗剤を選び、柔軟剤だけで香りづけをする方法もあります。この組み合わせは香りのコントロールがしやすく、香りに敏感な家族がいる場合にも取り入れやすいですよ。

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