「胸襟を開く」とは、「隠し立てをせずに、心の中で思っていることをすっかり打ち明けること」。
Summary
- 「胸襟を開く」とは、本心を隠さず率直に打ち明けること。
- 会話よりも、主に文章で使われる言い回し。
- 「腹を割る」は類語。
「胸襟を開く」という言葉、ビジネスの場で耳にしたことはあっても、正確な意味や使い方までは自信がない人も多いのではないでしょうか? 特に信頼関係が問われる場面では、言葉の持つニュアンスや使いどころが非常に重要になります。
そこで本記事では、「胸襟を開く」の読み方や語源といった基本情報から、実務に生かせる例文や表現の工夫まで、幅広くわかりやすく解説します。
「胸襟を開く」とは? 意味・読み方を解説
まずは、意味から確認していきましょう。
読み方と意味
「胸襟を開く」は「きょうきんをひらく」と読みます。意味は、「隠し立てをせずに、心の中で思っていることをすっかり打ち明けること」。
辞書では次のように説明されています。
胸襟(きょうきん)を開(ひら)・く
思っていることをすっかり打ち明ける。「―・いて語り合う」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「胸襟」は、胸と襟(えり)のことを指し、そこに人の心の内を重ね合わせて表現しています。
日常会話ではあまり耳にすることは少ないかもしれませんが、文章などで見かけることが多い言葉です。

(c) Adobe Stock
「腹を割る」との違いとは?
「胸襟を開く」と「腹を割る」は、どちらも率直な対話を表す言い回しです。「腹を割る」もまた、本心を打ち明けることを指します。辞書では次のように説明されていますよ。
腹(はら)を割(わ)・る
本心を打ち明ける。隠さずに心の中をさらけ出す。「―・って話す」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「胸襟を開く」と「腹を割る」は類語であることがわかります。違いといえば、「腹を割る」は会話でも使われることが多い点です。「胸襟を開く」は主に文章で使われる言葉になります。
参考:『角川類語辞典』(角川書店)

ビジネスで「胸襟を開く」が使われる場面とは?
職場での信頼構築や会議の場など、実際に使われるビジネスシーンを紹介します。
対話や会議での活用例
チームや部署を越えて意見を交換する場では、最初のひと言が雰囲気を左右することがあります。そんなとき、「本日は、胸襟を開いて話しましょう」といった呼びかけが添えられる場面もあるでしょう。
この発言の背景には、「立場を越えて率直に語り合いたい」という願いが込められ、前向きな空気を生む効果があります。
部下やチームメンバーとの信頼関係構築のためにどう使うか?
人材育成や1on1の対話など、上下関係のある場面では、「自分自身も胸襟を開いて話したいと思っている」と伝えることで、相手が話しやすくなるきっかけとなることがあります。上司の姿勢として率直さを示すことは、心理的な距離を縮める契機にもなり得ますよ。

(c) Adobe Stock
「胸襟を開く」の例文と実務での言い換え表現
場面ごとの例文と、ややかたい印象を和らげる言い換え表現も紹介します。
フォーマルな例文とビジネスシーンでの言い換え表現
会議の冒頭や対話の場面では、「本日は胸襟を開いて意見を交わしましょう」といった言い回しがよく使われるでしょう。率直な意見交換を促したいときに用いられる傾向があります。
文章では「忌憚のないご意見をうかがえれば幸いです」といった表現に置き換えられる場面も見受けられます。目的や関係性に応じて語調を調整する姿勢が求められます。


