類語との使い分けで表現に深みを出す
「胸襟を開く」と似た意味の表現として、「腹を割る」「本音で話す」「率直に語る」などが挙げられます。
これらは場面や立場によって受け取り方が変わるため、発言をする際には慎重さが求められます。受け取る側の感じ方を意識することが大切です。
「胸襟を開く」を英語で表現すると?
英語表現するなら “heart-to-heart” がいいでしょう。「心を打ち明けた」、「率直な」という意味を持ちます。“frankly”を使うのもいいですね。「ざっくばらんに」という意味を持ち、主に会話で使われます。
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
なぜ今、「胸襟を開く」姿勢が求められているのか?
オープンな対話が重視される今、なぜこの表現が再注目されているのかを紐解きます。
組織文化や多様性と「胸襟を開く」の関係
価値観や働き方が多様化する中、立場や役割を越えて意見を共有し合う姿勢が、職場の中でも徐々に重要視されるようになってきています。
「胸襟を開く」という表現には、相手に対して誠実に向き合おうとする気持ちがにじむため、組織内のコミュニケーションを円滑にするきっかけとして活用されることが増えてきているようです。

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閉じた関係性がもたらすコミュニケーション障害
互いに踏み込まずに業務を進めようとする状況が長く続くと、相手の意図が見えにくくなり、すれ違いや齟齬が生じる可能性があります。また、関係性が形式的なまま固定化されることで、必要な情報の共有が後回しになってしまうこともあるでしょう。
「胸襟を開く」姿勢は、そうした行き違いの予防につながると期待されています。
信頼関係構築の第一歩としての「胸襟を開く」姿勢
信頼を築く上では、最初の一歩をどう踏み出すかが悩ましいところです。そんな時、「自分の考えを率直に伝える姿勢」を見せることが、相手の心を開くきっかけになり得ます。
言葉だけに頼るのではなく、態度や表情も含めて「胸襟を開く」姿勢を体現することが、信頼関係醸成のための要素の一つになるのです。
最後に
- 「胸襟を開く」は「きょうきんをひらく」と読み、本心を打ち明ける意。
- 「腹を割る」は類語。
- ビジネスでは対話の姿勢や誠実さを示す言葉として使われる。
「胸襟を開く」という言葉は、関係づくりに対する姿勢として意識される場面も多いようです。ビジネスの中で対話の質を見直したいと感じたとき、この表現を手がかりに関係性構築の一助としてみてはいかがでしょうか。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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