乾いた血はふやかしてから押し洗いし、つけ置き洗いで繊維への負担を抑えましょう。
つけ置き洗いのコツと落としやすくする工夫
30分〜1時間程度、洗剤や酸素系漂白剤を入れたぬるま湯につけ置くことで、汚れが分解されやすくなります。つけ置き中は強く触らず、最後に押し洗いで仕上げると繊維の傷みを抑えられます。つけ置き後に変色が見られた場合は、再びすすぎの工程に戻る判断も必要です。
再洗いで仕上げる際の注意点
一度の洗濯で取りきれなかった場合、再洗いを行うことがありますが、同じ薬剤を繰り返し使用すると生地に負担がかかります。洗剤の量や水温を見直したうえで、できるだけ短時間での再洗いを心がけるといいでしょう。目立たない場所で試してから処理する方法も安心です。

白い服やデリケートな素材はどう扱う?
血が目立ちやすい白い衣類や、ウール・シルクなど繊細な素材は、扱いを誤ると色落ちや変形の原因になります。素材に合ったケアを考えましょう。
白い服は漂白剤に頼りすぎない選択を
白い服は漂白剤が使える印象がありますが、頻繁に使うと生地が劣化する場合があります。血がついてすぐなら、石けん洗いやぬるま湯での押し洗いで十分に対応できることもあります。それでも色が残るときは、部分的に酸素系漂白剤を使うなど、段階的に試す方法がすすめられます。
シルクやウールは自己流対応を避けたい
これらの素材は水洗い自体が推奨されていないこともあり、家庭での処理には限界があります。市販の中性洗剤を使う方法もありますが、縮みや色ムラのリスクがあるため慎重な判断が必要です。高価な衣類や大切な品であれば、クリーニング店の知識に頼る方が安心です。
化学繊維やストレッチ素材も要注意
ポリエステルやナイロンなどの素材は、洗剤や熱に敏感な性質を持っています。色落ちや変形を防ぐには、弱い水流で短時間洗いの設定にしたり、脱水時間を控えめにする工夫も役立ちます。特に乾燥機を使用すると縮む可能性があるため、自然乾燥を優先する方法が安全です。

忙しいときの応急処置と予防の考え方
時間がない中でできる応急処置や、再発を防ぐちょっとした工夫があると安心です。日常に取り入れやすい対策をまとめます。
外出先でできる応急処置とは?
出先で血の汚れに気づいた場合は、乾く前に軽く拭き取ることが第一です。ティッシュやハンカチで押さえるだけでも、その後の処理がしやすくなります。可能であれば、少量の水で湿らせた布(シルク場合は水分と摩擦で傷になるので乾いた布で)を用意しておくと、応急処置の幅が広がります。
血がつきやすい服装や場面を見直す視点
ナプキンのズレ、鼻血、軽いケガなど、血がつく場面は日常に潜んでいます。淡い色の服はシミが目立ちやすいため、予防の意味でも吸水性のあるインナーや汚れが目立ちにくい色を選ぶと安心です。服装の工夫が、余計な手間を防ぐことにつながります。
洗濯前のチェック習慣で予防にもつなげる
洗濯機に入れる前に衣類の状態を一目見るだけで、小さな汚れに気づけることがあります。汚れたまま乾かしてしまうと落としにくくなるため、洗濯前のひと手間が結果的に時間の節約にもなります。見落としがちな血の汚れには、チェックという習慣が有効です。
最後に
POINT
- 血液は水またはぬるま湯で押し洗いが効果的。
- 固形石けんや酸素系漂白剤は素材や色によって使い分ける。
- デリケート素材は自己判断せず、迷ったらクリーニング店へ相談。
血が着いた服への対処は、慌てず段階を踏むことで効果的になります。素材や時間経過に応じて対応を変える工夫が、衣類を長持ちさせるポイントです。忙しい毎日でも実践できるシンプルな方法を覚えておけば、万一の汚れにも自信をもって対応できるはずです。
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