血が着いた服は水やぬるま湯で押し洗いし、こすらず落ち着いて対処するのが基本です。
Summary
- 血が着いた服は慌てず水やぬるま湯で押し洗いが基本です。
- こすらず押し洗いし、デリケート素材は自己流処理を避けましょう。
- 白い服や色柄ものは、漂白剤や洗剤の使い分けが重要です。
Contents
気づかないうちに血が服に着いてしまったーそんな経験は多くの人にあるかもしれません。焦って洗ってもうまく落ちなかったり、服を傷めてしまったりすることもあります。
本記事では、血が着いた服にどう対応すればよいか、基本の処理方法からアイテムの選び方、素材別の注意点までを、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
日常の中ですぐに生かせる実用的な情報をまとめています。
血が着いた服はどう対処すればいい?|まず落ち着いて考えたい基本の流れ
服に血がついてしまったとき、慌てて洗って失敗するケースもあります。正しい順序や判断の流れを知っておくことで、衣類を傷めずきれいに保つことができます。
水かぬるま湯で対応を始めるのが基本
血液はたんぱく質を含むため、高温の水で洗うと繊維に固着して落ちにくくなります。15〜30度程度の水かぬるま湯が適しています。まずは汚れた部分を裏返し、水を当てながら繊維の奥から血を押し出すようにします。水道水を直接かけられる環境なら、そのまま時間をかけて流すのも有効です。
こすらず「押し洗い」が基本|素材を傷めないために
指先やブラシでゴシゴシこすると、繊維が毛羽立ち、血が繊維の奥に入り込む原因になります。やさしく押し洗いすることで、繊維の中の汚れを水で移動させる感覚が大切です。特にワイシャツやストッキングのような薄手素材では、押すだけでも十分に効果が出ることがあります。
自宅で洗う? クリーニングに出す? 見極めのポイント
自宅での処理が不安なときは、洗濯表示や素材を確認して判断することが望ましいです。シルクやウールなどデリケートな素材は、家庭で水洗いが難しい場合があります。大切な衣類や目立つ箇所への汚れで判断に迷うときは、事前にクリーニング店へ相談することも一つの手段です。

血の汚れをしっかり落とす洗剤とアイテムの選び方
自宅で血汚れを落とすためには、使うアイテムの選び方がとても重要です。洗剤や漂白剤ごとの特徴を知ることで、効率的に対処できます。
固形石けんの強みと使いどころ
石けんは固形タイプで、部分洗いに適した洗浄力があります。血が固まる前に使用することで、皮脂やたんぱく質を落としやすくなります。濡らした衣類に石けんを直接こすりつけたあと、指先で軽く押し洗いすると、汚れが目に見えて薄くなることもあります。色柄ものにも使いやすい点も特徴です。

オキシドール・オキシクリーン|漂白系アイテムの使い分け
オキシドールは医療用の消毒薬として使われていますが、過酸化水素が含まれているため、血液中のたんぱく質(カタラーゼ)汚れに反応し泡立ちます。血液のシミに効果がありますが、白物限定での使用が基本です。
また、オキシクリーンは粉末または液体の酸素系漂白剤で、つけ置きで広範囲の汚れに対応できます。使用時は必ず洗濯表示を確認し、色物の場合などは、目立たないところで色の変化が無いかテストしましょう。
重曹を使う工夫|家にあるもので対応するには?
すぐに専用洗剤が用意できないときには、重曹に少量水を加えてペーストを作り血の部分に塗布し30分程度放置した後に洗いながすとこで効果が期待できます。コストを抑えたケアが可能です。
時間が経った血の汚れにはどう対応する?
すぐに洗えなかった場合でも、適切な手順を踏めば落とせる可能性があります。ここでは、時間が経過した汚れへの対処法を解説します。
乾いた血を無理にこすらないことが大切
時間が経過した血は繊維に固着しており、落としにくい状態です。まずは水やぬるま湯を使って、血をふやかすことから始めるのが安全です。湿らせたタオルを当てて少し置くことで、繊維がやわらかくなり、次の処理がしやすくなります。