汚れやにおい移りを防ぐため、洗濯前の部分洗いや下処理を必ず行うことが大切。
Summary
- お漏らし衣類は、そのまま洗濯機へ入れるのはNG。
- 洗濯前の「軽いすすぎ」と「部分洗い」が基本。
- 洗剤・漂白剤・クエン酸の使い分けが消臭のコツ。
Contents
子どもや高齢者のいる家庭では、お漏らしの洗濯に悩む場面が少なくありません。すぐに洗濯機に入れていいのか、においは落ちるのか、不安になる人も多いはずです。
この記事では、慌てず衛生的に対処するための基本的な流れや、素材別の工夫、洗剤選びのヒントを創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
忙しい日常の中でもすぐ実践できる時短テクニックや、洗濯機・衣類への影響を最小限にする方法も紹介します。
お漏らししてしまった衣類、どう対応する? |焦らず正しく洗うための基本知識
まずは、家庭で実践できる基本の考え方を整理します。
そのまま洗濯してもいい? |洗濯機に入れる前に確認したいこと
濡れた衣類をそのまま洗濯機に入れると、他の洗濯物ににおいや成分が移るおそれがあります。素材によっては色落ちや縮みも起こりやすくなります。まず、衣類の表示を確認し、水洗い可能かどうか確認しましょう。
また、目立つ汚れがないように見えても、尿は繊維の奥に残っていることがあります。洗濯機で洗うときは十分に洗いが出来るように無理に詰め込まず、洗濯機の容量にも気を配ると洗い残しがなく仕上がります。

先にやるべき「部分処理」とは? |においや菌の広がりを抑える工夫
洗濯前のちょっとした工夫で、においや黄ばみの原因を抑えられます。水洗いできる衣類はぬるま湯で汚れた部分を軽くすすぎ、布で水分を吸い取りましょう。次に固形石鹸を塗り揉み洗いした後に水洗いの工程を数回繰り返します。全体を洗うのではなく、汚れた部分のみを洗いましょう。
また除菌スプレーやおしりふきで軽く拭き取るだけでも、菌の繁殖を防ぐ手助けになります。
使う水温や洗濯モードの選び方|デリケートな素材にも配慮して
熱すぎるお湯は繊維を傷めることがあります。一般的には30度前後のぬるま湯が適しています。洗濯機の設定は「おしゃれ着モード」や「弱水流」など、衣類の負担を減らすコースが向いています。
しっかり洗いたい気持ちは理解できますが、洗浄力と生地のバランスを考えた設定にすることで、衣類の傷みや毛羽立ちを防ぐことができます。

洗剤や漂白剤はどう選ぶ? |消臭・除菌に強い味方を
ここでは市販の洗剤や家庭にある道具をどう使い分けたらいいかを、分かりやすく整理します。
消臭・除菌に向く洗剤とNGな洗剤とは?
尿のにおいを落とすには、抗菌成分や酵素入りの洗剤が有効です。液体タイプは溶けやすく冬などの気温の低い時に効果がでやすい場合があります。香りでごまかすタイプの洗剤は、充分に洗えていない場合もそのことに気が付けないためにおい戻りを招く場合もあり注意が必要です。
漂白剤を使うなら酸素系のものを選び、使用前にはポケットの中の生地など目立たない部分に塗布し、色に変化が無いか確認してから使用しましょう。塩素系は色柄ものに使うと大抵の衣類は脱色します。衣類の表示をよく確認してから使うようにしましょう。

クエン酸の応用法―家にあるもので手軽に対応
クエン酸はにおいの原因となるアンモニアに作用します。すすぎ時にクエン酸を少量加えることで、におい残りを防げます。この2つは食品や掃除でも使われるため、安全性が高く、家庭でも取り入れやすい成分です。
柔軟剤は必要? におい戻りを防ぐポイント
香りつきの柔軟剤を多く入れると香りが強くなりますが、実際にはにおいの原因を覆い隠しているだけの場合があります。におい戻りを防ぐには、洗いとすすぎを丁寧に行うことが先決です。柔軟剤を使うなら、抗菌タイプを選ぶと効果的です。香りを楽しみたい場合は、洗濯後に仕上げとして軽く使用する方がいいでしょう。

抗菌・酵素入り洗剤や酸素系漂白剤を使い、衣類表示を確認して安全に除菌・消臭するのが基本。
衣類・寝具・タオル… 素材別で気をつけたい洗濯のコツ
お漏らしは衣類だけでなく、寝具やバスタオルなどにも影響します。ここでは、素材や用途別に最適な洗濯の工夫をまとめます。
綿・ポリエステルの衣類はどう洗う?|家庭洗濯での注意点
綿は吸水性が高い反面、においが残りやすい性質があります。ぬるま湯と酸素系漂白剤を活用すると、衛生的に仕上がります。ポリエステルは乾きやすい反面、汚れが落ちにくいこともあります。
洗剤はしっかり溶かして使用し、脱水後は早めに干すことが大切です。生乾きのにおいを防ぐには、風通しのいい場所に干すのが効果的です。


