「幸いです」の意味とビジネスでの使用場面
「幸いです」はビジネスでもメールや手紙などでよく使われる表現です。まずは、言葉に込められている基本的な意味と、使用場面について確認しましょう。

「望ましくありがたい」という意味を持つ
「幸いです」の「幸い」には、望ましくありがたいことという意味が込められています。辞書の内容を見てみましょう。
[名・形動]
1 その人にとって望ましく、ありがたいこと。また、そのさま。しあわせ。幸福。「不幸中の幸い」「君たちの未来に幸いあれと祈る」「御笑納いただければ幸いです」
2 運のいいさま。また、都合のいいさま。「幸いなことに明日は休みだ」
3 (「さいわいに」の形で)そうしていただければしあわせだと人に頼む気持ちを表す。どうぞ。なにとぞ。
「読者―に恕せよ」〈蘆花・自然と人生〉
[副]運よく。都合よく。幸せにも。「幸い命だけは助かった」「幸いと事はうまく運んだ」
出典:小学館 デジタル大辞泉
さまざまな意味が含まれているものの、「幸いです」は「ありがたいことです」「そうしていただければしあわせです」といったイメージで使われていることが分かります。柔らかい印象の言い回しとして、多様な場面で活用できる言葉です。
依頼をするときや引き受けるときに使う
「幸いです」を使う場面として、依頼をするときや引き受けるときが挙げられます。おもな例文を見てみましょう。
依頼をする場合は「相手がそうしてくれると幸せである」という意味で使い、依頼を引き受けるときには「依頼をしてもらえて自分がうれしい」という意味で使います。
理解を求めるときや気持ちを伝えるときに使う
「幸いです」は、幅広い場面で使える表現です。理解を求めるときや、自分の気持ちを伝えるときにも使いやすいでしょう。
お詫びやお礼など、場面を問わずに使えることが特徴です。特に、お詫びや理解を求める文面では、一方的な印象を与えずに説明ができます。
「幸いです」のビジネスで使える言い換え表現
「幸いです」は使いやすい表現ですが、目上の人に使いにくいケースや、多用が難しい面もあります。別の言葉に言い換えたいときには、どのような表現が使えるのでしょうか? おもな言い換え表現と例文を紹介します。

「お願いします」
何らかの依頼や協力要請の場合には、言い換えとして「お願いします」が使えます。「幸いです」よりも直接的な表現のため、はっきりと依頼をしたいときに向いているでしょう。
「してもらえるとうれしい」というよりは、「してもらいたい」「してください」のような印象になるといえます。内容によっては「お願いしてもよろしいでしょうか」といった、相手に確認を取る言い回しを使うのもよいでしょう。
「していただけませんか」
「幸いです」の代わりに、「◯◯していただけませんか」という表現も言い換えとして使えます。
何かをしてもらいたいときであれば「幸いです」と同じような場面で使える言い回しです。「していただけませんか」以外に「していただけないでしょうか」のような使い方もできます。
「幸いです」の目上の人に使える言い換え表現
「幸いです」は敬語として使えますが、状況によってはフォーマルな言葉遣いをしなければいけないことも。そんなときには、さらに丁寧な表現を心掛けたいものです。フォーマルな場面でも使いやすい言い換え表現を紹介します。

「幸いに存じます」
「幸いです」がカジュアルに感じられる場面であれば、「幸いに存じます」に言い換えることで言い回しが丁寧になります。
目上の人や顧客に対する場合など、できる限り丁寧な言い回しを使いたいときに、活用できるでしょう。
「幸甚です」
「幸甚」は、おもに手紙やメールなどで使う書き言葉で「この上なく幸せである」「大変ありがたいことである」といった意味を持ちます。フォーマルな場面での使用が一般的です。
社内で使うことはほとんどありませんが、取引先へのお礼や公式の挨拶文など、堅い表現でまとめる必要がある場合に使える言い換え表現です。
「お願い申し上げます」
「お願い申し上げます」は季節の挨拶文や取引先へのお礼文など、幅広い手紙やメールで使える表現です。「お願いします」「お願いいたします」よりも丁寧で、フォーマルな印象を与えられます。
ビジネスシーンで手紙を書くときや、丁寧な言い回しが求められるときには活用してみましょう。




