Summary
- ニーズとは「必要性」を意味する言葉です。
- ウォンツとは「欲求」や「願望」を意味する言葉です。
- 類語は「必要」「要求」「需要」が挙げられます。
ビジネスシーンや心理学用語として広く使われる「ニーズ」という言葉。よく耳にはしますが、意味が曖昧なまま使っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、「ニーズとは何か」という基本から、「ウォンツ」との違い、言い換え表現や使用例までを丁寧に整理します。
「ニーズ」の基本|意味・「ウォンツ」との違い
まずは、「ニーズ」の正しい定義を確認していきましょう。
本来の意味と語源|「ニーズ」とは何を指すのか?
「ニーズ」とは、英語の “needs(必要)” に由来し、欠けているものを補おうとする必要性や要求、需要を意味します。
ニーズ【needs】
必要。要求。需要。「市民の―にこたえる」「消費者の―が多様化する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「ウォンツ」との違い|混同されがちな用語に注意
ニーズと混同されやすい語に「ウォンツ(wants)」があります。ニーズが「必要性」を意味するのに対し、ウォンツは「欲求」や「願望」を指します。
例えば、喉が渇いたとき「水を飲みたい」と思うのがニーズであり、「コカ・コーラが飲みたい」と思うのがウォンツです。前者は身体の必要性に根ざした行動の動機であり、後者は選好や欲望により、限定的な言葉やブランド名そのもので欲求が表現されます。
参考:『現代用語の基礎知識2019』(自由国民社)
ニーズが「必要性」、ウォンツは「欲求」や「願望」を指します。

「ニーズ」の使い方を例文で確認
意味を理解したところで、「ニーズ」の使い方を例文で確認していきましょう。
「顧客のニーズを正確に把握することが、商品開発の第一歩です」
この例文では「ニーズ」を「顧客が求めていること」や「必要としているもの」という意味で使っています。企業が新しい商品を開発する際には、まず顧客の欲求や問題を正しく理解することが重要である、という文脈です。
「高齢化社会の進展により、介護サービスへのニーズが年々高まっています」
ここでは「ニーズ」が「社会的な需要」「必要とされるサービス」という意味で用いられています。少子高齢化などの社会背景に応じて、必要とされるサービスが変化・増加する様子を表しています。
「社員一人一人の働き方のニーズに応えるため、フレックスタイム制度を導入しました」
この場合の「ニーズ」は「個々の希望や生活スタイルに基づく要求」を意味しています。企業が社員の多様な働き方を尊重し、柔軟な制度を取り入れた背景を説明する文です。

類語や言い換え表現は?
「ニーズ」はカタカナ語であるため、受け取る人によって意味の捉え方に違いが出ることもあります。誤解を避けたい場面では、「必要」「要求」「需要」など、日本語に言い換えて伝えるとより明確です。
必要
どうしても欠かせない状態を指し、それがなければ物事の遂行に大きな支障が生じるような場合に使います。強い切迫感や不可欠性を含む言葉です。


