要求
必要とするものを他者に対して求める行為や、その内容を表します。交渉や契約、労働関係などで頻繁に使われます。
需要
商品やサービス、人材などを「必要とすること」全般を指します。特に経済の文脈では、「市場に現れる購買意欲やその総量」という意味でも使われます。類語の「特需(とくじゅ)」に比べ、より一般的で広く使われる表現です。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
心理学の用語としての「ニーズ」
心理学において「ニーズ」とは、個人の行動を引き起こす内面的なメカニズムのことを指します。これは「欲求」や「要求」とも呼ばれ、特定の対象に向かって行動を方向づける「動機づけ」の役割を果たします。
ニーズの種類と成り立ち
人間のニーズ(欲求)は、大きく以下の2つに分類されます。

第一次的欲求(生理的欲求)
睡眠・呼吸・食事・苦痛の回避など、生存のために不可欠な欲求です。身体的な緊張状態を解消しようとする働きが、行動の原動力となります。
第二次的欲求(心理的・社会的欲求)
後天的に学習され、社会や文化の影響によって形成される欲求です。例えば、「人から認められたい」「安心したい」「刺激が欲しい」といった願望が該当します。これらは単なる生存以上に、社会的な適応や満足を求める動機にもなります。
「ニーズ」という考え方の背景
この「ニーズ」という概念は、かつて支配的だった「本能論」に対する見直しから生まれました。
本能論では、人間の行動には先天的に備わった衝動があるとされていましたが、現代心理学では、多くの行動は学習によって変化し、習慣化されていくものと考えられています。この学習によって得られた心理的欲求を、「欲求傾向」と呼ぶこともあります。
欲求傾向の例:「四つの願望説」
社会学者のトマスとズナニエツキは、人間には以下のような基本的な4つの願望があると説きました。
1. 安全を求める願望
2.感情的なつながりを求める願望
3.社会的に認められたいという願望
4.新しい体験を求める願望
これらの欲求も、社会や文化によって形づくられたものであり、もし満たされなければ、生理的な欲求と同様に「欲求不満(フラストレーション)」を引き起こすことがあります。
最後に
POINT
- ニーズは「必要性」や「要求」を指す語で、心理学や日常会話でも広く用いられます。
- ウォンツは「欲求」や「願望」を意味します。
- 心理学において「ニーズ」とは、個人の行動を引き起こす内面的なメカニズムのことを指します。
「ニーズ」という言葉は、場面に応じた意味と使い分けが求められます。正しく理解することで、相手の立場や背景に寄り添った表現が可能になりますよ。
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Domani編集部
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