Summary
- 「蔑む」は「さげすむ」と読み、人を見下す強い否定の意味を持つ言葉です。
- 「蔑ろ」は人や物があってもないかのように扱い、無視する様子を表します。
- 類語には「嘲る」「卑しめる」「貶める」などがあります。
「蔑む(さげすむ)」は、人を自分より劣った存在として扱う意味を持つ語です。強い否定的な印象を帯びるため、意味を曖昧にしたまま使うと誤解の原因になります。
この記事では、辞書の情報に基づき、読み方・意味・類語・「蔑ろ」との違いを整理します。
「蔑む」の意味を正確に押さえる
まずは「蔑む」の基本の意味と、近い表現との違いを整理します。
読み方と意味の核心
「蔑む」は「さげすむ」と読みます。「下墨(さげすむ)」から転じた言葉です。
他のものを自分より価値が低いとみなして、軽蔑することを意味します。この背景には、嫌悪する気持ちが含まれていますよ。
辞書では次のように説明されています。
さげす・む【蔑む/×貶む】
[動マ五(四)]《動詞「下げ墨(す)む」から派生した語》他人を、自分より能力・人格の劣るもの、価値の低いものとみなす。見下げる。見くだす。「―・むような目つきで人を見る」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「見下す」・「侮る」との違い
「蔑む」は「見下す」「侮る」と同じく、相手を下に見る態度を表しますが、意味の深度には違いがあります。
「見下す」は自分のほうが上だと感じて相手を軽く見る態度を指します。
「侮る」は相手の力や価値を低く見積もり、バカにする言動を含みます。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
「蔑む」は「さげすむ」と読み、人を見下す強い否定の意味を持つ言葉。
「蔑む」と「蔑ろ」はどう違うか
同じ漢字を使った「蔑む」と「蔑ろ(ないがしろ)」は混同されやすい言葉です。ここでは「蔑ろ」の意味を確認していきましょう。
「蔑ろ」の意味
「蔑ろ」は、人や物があってもないかのように扱い、無視する様子を表します。
辞書では以下のように説明されていますよ。
ない‐が‐しろ【▽蔑ろ】
[名・形動]《「な(無)きがしろ(代)」の音変化》
1 あってもないもののように軽んじること。また、そのさま。「親を―にする」
2 しまりのないさま。だらしのないさま。
「狩衣姿の―にて来ければ」〈源・末摘花〉
→等閑(なおざり)[用法]
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「蔑む」は主に人物に対して見下す際に使われます。一方、「蔑ろ」は人に限らず物事に対しても使うことができ、無視するニュアンスがありますよ。

「蔑む」という言葉の使い方を確認
ここでは、「蔑む」という言葉の使い方を整理します。
「人を蔑むような発言は、職場の信頼を損ないます」
「人を蔑む」ということは、「相手を低く見る」ということ。例文では、そんな「発言」によって態度が表面化することを諫めています。


