Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE 季節を楽しむ

2025.12.13

お年玉の由来は「餅」だった? 言葉と風習の背景を知る

お年玉の由来は、年神様への供え物だった餅を家族に分ける風習に始まります。語源の「玉」に込められた意味や、餅から金銭への変化の経緯まで、信頼できる出典をもとに解説。現代の贈り方に悩む方へ、形式だけにとらわれない考え方のヒントも紹介します。

Tags:

Summary

  • お年玉の由来は、年神様に供えた餅を分け与えた習慣です。
  • 「玉」は魂や力の象徴で、かつては丸餅を年玉と呼びました。
  • 昭和中期以降、お年玉は餅から金銭へと変化していきました。

年が明けると、大人同士で交わされる「お年玉、いくらあげる?」という会話。しかし、この慣習が鏡餅や、年神様へのお供えと深く関係する儀礼であったことをご存知でしょうか?

お年玉には、単なる金銭のやり取りを超えた深い意味が込められているのです。

本記事では、現代まで続く「お年玉」の歴史的背景を整理しながら、子どもにも伝えやすい形でその意味を紹介していきます。

お年玉の語源をたどる

現代において、お年玉はお金を包む行為として当たり前になっていますが、かつてはまったく異なる意味や贈り方がありました。

「餅」が持つ役割

本来、お年玉は年神(としがみ)に供えたものの魂(霊力)を分け与える行為を指していました。

正月になると家々に迎える年神様は、穀物霊や祖霊(先祖の霊)と結びつく神聖な存在です。

その神前に捧げられ、新年の無事や実りを願う供え物として用いられたのが、米、酒、そして丸餅でした。

古くは、餅といった穀物に穀霊(神聖な力)が宿ると信じられていたため、年長者(祖父母など)が年下の者へと、この霊的な力を分かち与える慣習があったのです。

丸もち
(c)Adobe Stock

「餅=玉」から金銭への変遷

今日のように金銭が一般的になる以前、お年玉とは、まさに年神様に供えた丸餅そのものを指すことが多く、白紙に包んで手渡されていました。この慣習は、昭和17、18年頃まで見られたと記録されています。

その名残が、形を餅から金銭に変えながらも、今も私たちのあいだで「お年玉」という形で続いています。こうした背景を知ると、日々の習慣にもどこか特別な気持ちが芽生えてきますね。

参考:『日本の歳時記』、『日本国語大辞典』(ともに小学館)

お年玉は、年神様への供え物を分け合う風習から始まりました。

現代のお年玉とその変化

昔と今とで、お年玉は何がどう変わったのでしょうか? 形式だけでなく、そこに込められる意味や、現代によくある悩みまで見直してみると、現代における「お年玉」の輪郭が少しずつ見えてきます。

餅からお金へ|なぜ金銭に変わったのか

かつては年神の魂が宿る丸餅が年玉とされていましたが、時代の流れとともに、餅を贈る習慣は急速に姿を消していきました。

これは、家庭内での食文化や保存方法の変化に加え、「渡しやすく、受け取りやすい形」として金銭へと移行していったためでしょう。そして現代では、可愛らしいポチ袋に包まれたお札こそが「お年玉」の定番とされています。

日常のなかで自然と受け継がれてきたこの変化には、暮らしや感覚の移り変わりが反映されていますね。

参考:『日本の歳時記』(小学館)

お年玉の受け渡し
(c)Adobe Stock

お年玉の「常識」は変わる? 現代の親の悩み

「何歳まで渡す?」「甥や姪にはいくら包む?」「自分の子にもあげるべき?」など、年末年始になると、お年玉に関する具体的な内容で頭を悩ませる声を多く聞きます。

これは、以前よりも家族構成や親族間の関係性が多様化し、「正解」を決めづらくなっていることが大きな要因です。

しかし、形式や金額に迷ったときは、贈る相手に「何をどう伝えたいか」という気持ちに焦点を当ててみるのはいかがでしょう。金額ではなく、「新しい年の健やかな成長や活躍を願う」ことこそが、今お年玉に求められていることではないでしょうか。

暮らしの変化とともに、餅から金銭へと形を変えて受け継がれています。

最後に

POINT

  • お年玉の原型は、年の始まりに神へ捧げた供え物を分ける風習にあります。
  • 昔は白紙に包まれた丸餅が年玉とされ、魂を授ける意味を持っていました。
  • 餅から紙幣へ移行した背景には、暮らしの変化や実用性の重視が影響しています。

お年玉とは、単なる金銭のやりとりではなく、年の始まりに「生きる力」や「成長への願い」を手渡す行為だったことが見えてきました。語源や風習の背景を知ることで、日常的な言葉にも深みが加わります。

職場や家庭での会話に、こうした知識をそっと添えてみてはいかがでしょうか。きっと、新しい視点で人と接するきっかけになるはずです。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

TEXT

Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/

あわせて読みたい

Read Moreおすすめの関連記事

スマートフォンプレビュー

【登録無料】
Domaniメルマガ会員募集中

管理職世代の通勤コーデ、明日は何を着る?子供の受験や習い事、
どうする?人気モデル、ハイセンスなDomani読者モデル、教育のプロたちから
発信されるタイムリーなテーマをピックアップしてお届けします。
プレゼント企画やイベント参加のスペシャルなお知らせも!