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2019.03.05

MBAから結婚相談所へ…婚活はやっぱりプロがいい!?【MBAと婚活/美和子の場合2】

MBA取得はビジネスのためだけれど、実は結婚にも大いに役立つ!? 身をもって証明したキャリア女性の実話シリーズ。

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)
Tags:

story2 そうだ、結婚相談所という手があった!

Profile
美和子さん(仮名・38歳) 既婚
職業/外資系広告代理店営業
趣味/ヨガ
住まい/東京都目黒区

前回のお話▶︎ふたまわり年上の役員に比べたら、同世代のビジネスマンは幼くて…

女性の管理職いないんですか?

念願かなって広告営業の部署に異動になった美和子。入社4年目の春だった。秘書だったころのぬくぬくした環境に比べたら、個人の売り上げ目標はあるし、クライアントとの付き合いやタフな交渉もある。タフなほど頑張る力がわいてくる美和子の性格からして、それはちょうどいい刺激で、毎月の売り上げ数字は順調に伸びていった。

けれど、その仕事にも慣れてくると、今度はさらに上を目指したくなる。もっと試練が欲しくなる。いつもはそれを自分の内側にしまっておくのだけれど、営業部の飲み会の席では、ときどき本音が出てしまうのだった。

「営業部って、女性の管理職いないんですか」
「私、偉くなりたい!」

少し驚いた顔をしていた男性社員もいたが、隣にいた40代の先輩女性は、耳元でこう言った。

「美和子ちゃん、英語もできるんだし、それなら外資系広告代理店に行ったほうがいいんじゃない? うちじゃ、そのうち息苦しくなるよ」

少し酔った頭に、氷水を浴びせられた思いがした。いつか会社を辞めようとは思っていたけど、秘書課のぬくぬくした環境が長かったこともあり、いざ「外の風」にさらされることに、本当は自信がなかった。でも、大学時代や秘書のときの頑張りきれなかった後悔を、また繰り返したくはない。

周囲も驚くくらい、すぐに美和子は中堅の外資系広告代理店に転職した。職種は、引き続き営業だが、クライアントは多岐にわたる。英語の企画書やプレゼンも必要になる。また、勉強の日々が始まったが、これくらいの試練が美和子にはちょうどいい。

合コン恐怖症になりました

転職して間もないころに知ったのが、MBAという存在だった。

「きっかけは友人の結婚式でした。新婦がビジネススクールに通っていて、その仲間が披露宴に来ていたんです。意気投合して後日、みんなで飲みに行ったとき、『私にも通えるかな』って気軽に言ってみたら、行けるよ、できるよ、って。秘書のときのものたりなさを埋められるかもしれないし、自信のなさの助けになるかもしれない。そう思って、まずは週末を使って行ける単科生【※1】から始めました」

ただ、転職して間もない美和子にとっては、週末のビジネススクール通いだけでなく、事前の予習の時間を取るのが、とにかく大変だった。

「マーケティングの授業は面白いからまだいいけれど、数字を扱うファイナンスはどうも勉強が進まない…。これ、続けられるのかしら。そんなことも頭をよぎったけれど、途中でやめるのは悔しい。続けていたモチベーションは、それだけだったような気がします」

同年代ビジネスマンとの合コンは、がっかりさせられることが多くて、行かなくなったけど、結婚はいっときも諦めたことはなかった。

「そもそも、30代もなかばになると、合コンのお誘いはめっきり減ります。それに、合コン歴10年近くなると、一度デートした男性とまた数年後に合コンで再会、なんてこともあって、もう地獄ですよ。それ以来、合コンが怖くて…(笑)。

でも、心のどこかで期待してたんですよね。ビジネススクールに通っていれば、そこでいい人と出会えるんじゃないかって。実際、ちょっとならつきあった人もいました。でも、彼の海外転勤とともに自然消滅…」

そんな35歳の年末。実家に帰ると、美和子の気持ちを察したかのように、母親が結婚相談所のDMを差し出した。聞けば、美和子が社会人になってひとり暮らしを始めてからずっとDMが送られてきていたらしい。母親は、それを美和子に渡すタイミングを10年以上うかがっていたのだ。

「結婚相談所? そうかそういう方法もあったか…。お母さん、ありがとう!」

美和子は年明けすぐに、入会金35万円を払って手続きをした。そして、仕事と同じく、自分に負荷をかけるべく、目標を設定した。

「やるなら、3月末までに結婚相手と絶対に出会う! 絶対に!」(次回に続く)

【※1】単科生/MBAプログラムを提供している大学院(ビジネススクール)の中には、本科生となる前に基本科目を1科目から先行して履修できる制度がある(単科生制度)。グロービス経営大学院、中央大学ビジネススクール、明治大学MBA、など全国の大学院で実施されており、多くの場合は単科生として取得した単位も大学院卒業に必要な単位として認められる。

 

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。『Domani』2/3月号ではワーママ10人にインタビュー。十人十色の生き方、ぜひ読んでください! ほかに、 CanCam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。

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