同期入社の彼と息子との同棲をスタート
前回のお話▶︎夫の浮気相手に会いに会社へ!「2度の離婚調停後、シングルマザーになり事実婚を選んだわけ」
浮気夫との離婚が成立したのは結婚5年目、33歳のとき。
その後、幼い息子を抱えて勤め口を探し、契約社員から晴れて正社員として雇用された咲子さんの中途入社同期だったのが、現在の恋人であるBさん。
2つ年上の彼は、咲子さんが身を寄せていた実家の近所に住んでいたこともあり、仕事帰りによく飲みに行くようになりました。一見冷たそうだけれど実は熱くなる彼は、咲子さんのモロにタイプ。そんな彼からグイグイ来られて、いつしかふたりは付き合うことに。
咲子さん:実は、当時彼は結婚していたんです。奥さんとの間に、私の息子と同い年の子供もいた。だけど事実上、結婚は破綻して居たので、私に出会ったことで「離婚する」と決心を固めたようです。
交際して2年目くらいのときに、母親から「そろそろうちを出て暮らしなさい」と言われた咲子さんは実家を出て、6歳になる息子と、彼と一緒に同居をスタート。
咲子さん:付き合って最初の頃から息子には彼を会わせていて、息子が懐いていたのが決め手になりました。
息子にとって、彼は実の父親以上に絆の強い存在
さかい(以下、さ):息子さんの反応はどうだったんですか?
咲子さん:2歳ごろから実の父親と別々に暮らしていたので、今では息子にとっては彼のほうが父親としての記憶も絆もあるみたいです。逆に実の父親のことは、「たまに会うと何でも買ってくれるおじさん」という存在みたい(苦笑)。
そんな境遇だったため、一緒に暮らすことに関して咲子さんの両親は猛反対したそう。
咲子さん:母は「同い年の息子がいるのにそれを捨ててあなたと一緒になるような人が、あなたと息子を本当に大事にしてくれるの?」と言われました。
まあ、経緯を考えたら、そう言われてしまうのも仕方ないかもしれないですよね…。そんなこともあって、咲子さんはBさんと一緒に暮らしても籍を入れないで事実婚状態を選んでいました。
咲子さん:お互いにバツイチというのもあって、「バツ2になるのはやめようね」って言い合って、慎重になっているのもあると思います。
しかし、「孫が幸せそうにしていたらふたりの仲を認めるわ」と言っていたお母様も、孫がBさんに懐いている姿を見て、今ではBさんを義理の息子としてかわいがってくれるように。
咲子さん:私が残業で遅くなるときには、彼が近所にある私の実家に行ってひとりでご飯を食べに行くくらい、母と仲良しなんですよ(笑)。
「この夏は息子の友人家族とうちの家族で一緒にフジロックに行くんですよ〜」という咲子さんと、現在は高校2年生の息子さんと彼との関係は、良好そう。
実の父親と血の繋がらない父親の違いは?
咲子さん:彼と息子は、しょっちゅうケンカもしてますよ。血が繋がってなくても、彼は遠慮したりせず、息子が悪いことをしたときは本気で叱ってくれたりもします。
さ:どんなときにケンカになるんですか?
咲子さん:彼は体育会系で脳みそも筋肉でできてるみたいなタイプなんですけど、その分礼儀に厳しいところがあるんです。だから「勉強しろ」とは絶対に言わないのに、食べ方や部屋の片付けにはすごくうるさくて。それに対して息子がたまに口答えして、それにまた彼がキレて、なんてときもあります。
さ:本気でケンカできるのって、仲良くないとできないことだったりしますもんね。
咲子さん:そうですね。ただ、体育会系の彼に対して息子はインドアの文化系で、男同士だけどタイプが全く違うんです。でも息子が大きくなってきて、音楽やカメラに興味を持ち出してからは、共通の趣味で盛り上がれるようになって。私がうちに帰ったら、ふたりで結構際どいシーンがあるMVをYouTubeで観ていたりするときがあるんですけど、そういうときに、「これって実の父親だったら気まずくてしないんじゃないかな」と感じることはありますね。
Bさんは幼い頃にお父様を亡くしていて、自分の中に「父親像」というものがないこともあって、咲子さんの息子さんとは男友達感覚で接しているように見受けられる節があるそう。
さ:咲子さんにとっては、彼はどんな夫ですか?
咲子さん:家のことは、彼のほうが全部何でもやってくれてるんです。お料理も掃除も洗濯も。だから一緒に暮らしていて、すごく居心地が良くて。息子がいるけれど、お互いに飲みに行くのはOKということにしていて。それは、彼が「今、咲子が正社員になれているのも、前に勤めていた会社の人との繋がりがあったから。そういう人付き合いは大事にしたほうがいい」って言ってくれたからなんです。
咲子さんが飲みに行く日は、息子さんとふたりでラーメンを食べに行ってくれることもあるというBさん。いい夫じゃないですか!
そんなBさんと咲子さんが、なぜ未だに籍を入れていないのかというお話は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。