会話が苦手な部下と話すときは、キャッチャーのようにどんとかまえて
「人には個性やもち味があって、理路整然と弁がたつ人もいれば、シャイで自分からしゃべるのが苦手な人もいますよね。そこはその人のパーソナリティだから尊重したいんです。大切なのは、自分がどのように聴くのかだと思っています。
まずは、なるべく話しやすい雰囲気をつくります。部下が思っていることをうまく言語化できない様子だったら、“なぜ今その言葉を使ったんだろう”と相手の気持ちにフォーカスしながら集中します。 “もしかしたらこう言いたいの?”と、話をさえぎったり要約したい気持ちはひとまず横に置いてグッとがまん。あいづちをうち、体ごとうなづきながら、投げられた会話のボールをがちっと受け止めます」(横塚さん)
たとえ短い時間でも“本気”で聴けば子どもに伝わる
「家に帰ると、家事などでどうしてもまとまった時間がつくりにくいため、子どもとのコミュニケーションは、長さではなく深さを大切にしています。
たとえば朝食後に食器洗いをしながら、子どもとおしゃべりするようにしています。なんにもなければ普通の雑談。でももし、子どもが何か話したそうにもじもじしていたり“ちょっと聞いてほしい”と頼まれたら、どんなに時間がなくても一度作業をすべて止めます。きちんと座り直して、手は動かさずに、目を見てしっかり聴くのです。
子どもは親が“片手間で聞いているかどうか”を敏感に感じ取ります。たとえ“小さな点”のコミュニケーションであっても、動作や行動で真剣さを示すことができる。全身で聴いているという“本気”は、必ず伝わると思っています」(横塚さん)
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横塚知子
よこづか・ともこ/1976年、千葉県生まれ。大学院卒業後、ベンチャー企業を経て、28歳でデル株式会社へ転職。入社初年度に中国赴任を1年間経験する。29歳で国際結婚。30歳で長女、34歳で次女を出産。現在は日本市場のコンシューマー&ビジネスマーケティングを担当。週末は趣味のテニスのレッスンや、ジム通いを欠かさない。座右の銘は「明日死ぬと思って今日を過ごし、未来を生きると信じて今、努力する」。
写真:Domani2019年6/7月号『女の時間割』より
撮影/真板由起(NOSTY)ヘア&メーク/今関梨華(P-cott)構成/谷畑まゆみ
テキスト
谷畑まゆみ
フリーエディター・ライター。『Domani』連載「女の時間割。」、日本財団パラリンピックサポートセンターWEBマガジン連載「パラアスリートを支える女性たち」等、働く女性のライフストーリー・インタビュー企画を担当しています。
メイン・アイキャッチ画像:Shutterstock.com