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2019.11.27

教えて久保田利伸さん!長く活躍する秘訣ってなんですか?

なんとデビュー34年目!常に第一線で、幅広い世代に愛されているアーティスト・久保田利伸さん。10月19日から全国ツアーがスタート、そして11月27日には待望のフルアルバム『BEAUTIFUL PEOPLE』が発売となりました。新アルバムの聴きどころ、そして“活躍し続ける”ための秘訣についてお話いただきました。

Text:
湯口かおり
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好きなときに、楽な気持ちで聴いてもらいたい


──新アルバム『Beautiful People』のリリースおめでとうございます。まずは、聴きどころを教えていただけますか?

久保田さん(以下敬称略)「音楽的に言うとR&Bの薫りのあるものをつくってますが、改めて聴いてみると、『楽しくて優しいアルバムだな』って感じがすごくしています。音楽を追求して追求してつくり上げたもの、というよりも、客観的には緊張感の少ない印象。あったかい、人間くさいアルバムですね。気持ちがアガる曲からひとりでしっとり聴きたい曲まで幅があるので、時間を問わず、楽な気持ちになりたいときに聴いてもらうのがいいと思います」

──確かに10数曲収録されていますが、バリエーション豊かですね。

久保田「僕自体『ブラックミュージックが好き』というのは変わらないのですが、実際に表現するときは優しくも歌いたいし、楽しくファンキーにも歌いたい。いろんな形にしないと僕も気持ちよくないんですよ。でも本当に、いろんなカラーは出てますね。レコーディングの途中でアルバムタイトルを『Beautiful People』に決めたんですが、バリエーション=カラーと考えた場合に、いろんなBeautiful Colorが入っているとは思いますね。…ちょっと今いいキーワードをいただけたので、これは覚えておいて、今後のインタビューでも使わせてもらいます(笑)」

──それは光栄です(笑)。取材用のプレスリリースには、「人間賛歌」「女性賛歌」なアルバム、と説明がありましたが、「さまざまな人を愛する」というテーマは、今の時世にぴったりな内容ですね。

久保田「やっぱり世の中の動きや情報、事件…僕の場合は日本だけじゃなくて、アメリカを中心に何が起こっているのかというのだけは、忙しい中でも常に気になっています。日々のニュースを見てると、うーん、もっと世の中、自由度が高いといいなとか、発言できるといいなとか、思うようにみんな生きられるといいなとか、悪いやつが少ないといいなって。悪いやつというのは、犯罪を起こすという意味だけじゃなくて、人としてあったかいやつが、情の深いやつがいいって思うんです。人の痛みがわかるやつばっかりだったら、いい世の中なのにな、とかね。今の時代の中でみんな、インナーに入っていくというか、人との関係も希薄になりがちだったり、自分のことでいっぱいいっぱいだったり、ということが増えていきやすいでしょうから。そうじゃないほうがいいって思いながら、ここ最近は世の中に触れていたので、曲に使う言葉も、自然と“体温感のある言葉”になったかもしれません」

──なるほど、“体温感”っていいですね。

久保田「ダサい言葉ですけど、情とか人情とか、そういう人情深い男になりたいなと思うんです。逆にそんな人に出会った日は、いい日だった気がする。ちょっとしたことですけど、そういう小さい出会いが、歌詞に反映されていたりします」

──実際に最近、人間味のある方にお会いしたんですか?

久保田「たとえばスタバでチャイティー買うときに、店員さんの愛想がよかったり。…この間、N.Y.で、昔からあるシシケバブ屋さんに初めて行って。本当は朝はサンドウィッチしかないんですけど、時差ボケで晩飯の気分だったんで、シシケバブを頼んだんです。そうしたら店員のお兄ちゃんが『できるぜ』って。いいやつだから社交のつもりで僕も『よく焼いてくれよ』って言ったんですよ。で、7分かかるって言うので散歩して戻ったんですけど、まだできてなくて。『どうしたんだ?』って聞いたら、『焼きすぎて失敗したからもう1回』って(笑)。普段しないことを頑張っちゃったんですね。N.Y.だと失敗しても出してくることがあるんですけど、彼は『ちょっと焼きすぎたかもしれない』って言うんです。あんな温かいシシケバブ屋は初めて。外国って社交的な人が多いですけど、彼は特別いい人でしたね。ちっちゃい話ですけど、でもああいう人に朝会うと、その日はなんとなく僕も、人に親切にしたいなって気持ちになりますよね」

──オリジナルアルバムは4年ぶりですが、制作する際には、常に時代性を意識してるんですか?

久保田「そろそろアルバムを本格的につくらなきゃなってなった場合、まず始めることがふたつあって。ひとつは何もプランせずに、つくりたい曲のスケッチデモみたいなものをいくつもいくつもつくります。これは歌詞もない状態。と、同時くらいに、今自分が気にしていること、こんなことが言いたくなっちゃう、ということを、ノートにいっぱい書いていきます」

──ノートなんですね(かわいい…♡と内心思っている担当編集)。

久保田「いざ歌詞を書くとなったときに、それを具体的にしていくんですが、それ以前も、チャンスがあれば残したいなという思いや言葉はボツボツ書いてあって、それがたまっているんです。いい本を読んだなと思ったら、頭に残っている言葉を残したりとか。…ちなみにそれ、気をつけないと本に書いてあるいいフレーズが、そのまま歌詞になっちゃったりすることがあるから(笑)、そんなときはちゃんと“本から”と隣に書いておいてね。そういうのは気をつけないと。それをヒントに、俺だったらどう表現するかな、と考えていきます」

いつの時代も音楽の聴き方は自由なんです


──律儀な一面!ところでデビュー34年目ということですが、以前と比べて、ストリーミング配信が登場したりと、音楽の環境がだいぶ変わってきていますよね。自身を取り巻く環境の変化に思われることや、それによってつくり方やアプローチの仕方は変わっているんでしょうか?

久保田「えーとね…結果から言うと、全然変わらないんです。音のまとめ方とか曲のつくり方とか、最初から全然変わらないんですよ、いいのかどうかわからないんですが。でもストリーミングのほうが手軽とか、反対に音にこだわる人なら違う方法を取るとか、変わり方は急激ですけど、聴き手はいつだって自由なので。“CDが売れない時代”と言われてますが、僕が音楽を始めたときは、CDすらなくてアナログ(レコードやカセットテープ)のみ。レコードは買うものじゃなくて借りるもの、みたいな時代もあったし、僕もそうやっていろんなアーティストの曲を借りて、コピーして聴いていましたしね。音楽を取り巻く環境は常にそうやって変わっていくものなので、聴き方は自由です。ただその結果、人が音楽を聴かなくなるというわけではなくて、相変わらず聴いていますので」

──CDプレーヤーをもっていない人も、フェスには行きますもんね。

久保田「つくるほうとしては、売るという“商売”にはなりづらい…特に今の時代から始めた人は大変ですよね。僕らはいろんな時代の中でやってますけど、今はミュージシャンとして成功=一攫千金、という夢では始められない時代。一発当てたるぜ、みたいなばかみたいな夢はないですよね。でも逆に言えば、純粋に音楽が好きなら、人に聴いてもらうチャンスはたくさんある。ひとりでやったら200人しか集まらないかもしれないけれど、フェスなら1万人の前で歌えて、自分の10アーティスト後には憧れのアーティストが同じステージで歌っている、ということが実際にあるんです。フェスに出るとあまり知名度がなくてもプロモーションできますし、さらに言えばネットで個人配信とかもできるから、逆に言えば夢がありますよね。考え方によっては、軽音楽が世の中に広まっていくころの感じに、時代が戻っているのかもしれません。ライブだったり、つくった音楽が、そのまま世間に届くというのは」

長く仕事を続ける秘訣は“自分ツッコミ”


──時代の移り変わりに動揺することなく、どっしり構える。長く活躍されている久保田さんならではの答えだと思います。“長く活躍”つながりで、ぜひお聞きしたいのですが、Domaniの読者はワーキングマザーが中心です。久保田さんのように、同じ仕事を34年続けることも大変ですし、トップであり続けることも難しいと思うのですが、「長く活躍し続けられる」秘訣を教えていただけますか?

久保田「僕の場合は、よく言えばブレない、悪く言えば不器用に好きなことをやり続けている結果なので、“秘訣”は難しいんですけど…ただ振り返ると、どんなに忙しくても走っているときでも、ふと立ち止まって考える、“自分ツッコミ”をすることが多かったな、と。“孤独の時間”が、20年前くらいからものすごく大切な気がして。時間があっても、だれかと会うとか話すというのに使うのじゃなくて、考え込む時間をつくる、というのをずっと続けている気がします。家にこもって“人と話さない”。そうすると、すべてのメディアを見なくても時代のことがわかるし、自分のこともわかるし…孤独、大事です。長い時間、散歩するのでもいいんですけどね。毎日実践するのは難しいから、何日かの中で1回。こういうクセをつくるのは悪くないと思いますね。10分でも20分でもいいんですけど。これが秘訣かどうかはわかりませんが」

──情報量の多い時代と言われる今、より必要なことでしょうか。

久保田「自分で選択しないといけないですよね。情報はいいことなので、その中で選択しないと。人生50何年も生きてると、ここから出る情報はあてになって、ここから出る情報は偏っている…そういうのがわかってくるじゃないですか。30歳を超えたくらいからいろんなことが見えてくるし、物事もちょっと考えるだけで整理しやすくなると思いますけどね」

──素敵なアドバイスですね。

久保田「そうですか?話している内に、もっといい言葉が浮かぶと思ったんだけど(笑)。あ!でも男性は時代の中で頼りなくなってきていますけど、女性はいつの時代も変わらないですよね。お母さんになるとさらにしっかりされるし、世の中に出ながらもちゃんとするということは、これからどんどん認められてくると思います。正義感があったり、勇気があったり…女性は元気ですよね」

ときどきお茶目な表情を交えながら、最後はワーキングマザーへのリスペクトで終わった今回のインタビュー。レジェンドの言葉は説得力が違いました。ちなみに久保田さんに取材をしたのは4年ぶり。前回お会いした際、細すぎずマッチョすぎずの美しい体のラインに大感動した担当編集でしたが、今回もまったくお姿変わらず(驚)!「あのとき『基本、玄米食です』とおっしゃっていたの、忘れてないです!ちょっと参考にしてました」とお伝えしたところ「あー、そのときは玄米食にしてましたけど、今は白飯、パスタって感じです。…あ、夜中のラーメンは減りました。それは大きいかもしれません。週に1回ジムには行ってますけど。僕、全然体重変わらないんですよね」とのことでした。がーん。

(衣装)ジャケット¥60,000・Tシャツ¥14,000(ジョイックスコーポレーション<ランバン オン ブルー>)
撮影/松木康平 スタイリスト/後藤あけみ ヘア&メーク/後藤政直  撮影協力/ブルーノート東京


『Beautiful People』
ファンキーあり、バラードありの最高のバランスで完成した4年ぶりのオリジナルアルバムが11月27日に発売。全14曲収録。初回生産限定盤には、新曲MVやバックグラウンド映像が入った特典DVDも。同タイトルの全国ツアーも2020年3月まで開催中!
久保田利伸オフィシャルサイト

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